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……嘘だろう。
[低く低く呟いた]
[左手の中でくしゃりと音が鳴る]
君の所に泊まるという書置きがあった。
フーゴーの親父さんも確かに君が来ていたと言っていた。
大通りを抜けていく姿を見たって人もいた。
[覗き込んでくるカヤの目を半ば睨むように見詰め返す]
でもまだ戻って来ない。
だから迎えに来たんだ。
[子供と行商人の言葉の食い違い]
[露天商の姿が無いと言う事実が浮き上がる]
……やられた、か?
[漏らした言葉は一言]
―――回想―――
[エルザ>>83の言葉を聞くとカラッと笑い飛ばして]
ははは。
昔の話さ。昔の。
[とだけ返した。
それからは、他愛ない話を繰り返しただろうか、聞いた情報から思いついたことは全部言い切ったので、事件についての話は少なかった。
だが、大通りでローザが自警団に捕まったこと>>85を聞けば目を丸くして驚いた]
へ?
アイツが犯人だったのか?
なんか全然そんな気しなかったけど……本当なのか?
[そう聞き返したが、所詮噂の域であり、その噂を話した本人も詳しいことは知ってはいなかったようだ]
んー……。
なんかいまいち、腑に落ちねえな。後で話でも聞きに言ってみるか。
―――回想―――
[その後、エルザの買出しが終了し、家まで送ると、詰め所まで早速足を運んでみたが、丁度運悪くというか、夜なので色々な理由で全員が出払っていた]
明日にすっかぁ……。
[言って、街中をしばらくぶらぶらした後、宿まで帰っていった]
…うちには、来てないんだ。
待ってたけど来たのはエルザ姉ちゃんだけだ。
[睨むように見られる眼から逸らす様に俯いたけれど
ヴィリーの言葉に、弾かれるように顔を上げた。
見開いた目は、隻眼を見詰める。]
―――街中ぶらぶら―――
ん〜。
[宿屋で軽いメシを食べ終わり、詰め所までの道すがらレナーテがローザのことを思い出す。
思い浮かぶのは、くるくると表情が変わり、人懐っこい笑みを浮かべ、そして、こんな自分にまで危険だからあなたも気をつけてねと言ってくれたこと]
ん〜。
やっぱ……なんか違うような気が……ん〜。
[レナーテは頭は良くない。だが、だからこそ、動物のような野生の勘が働くこともあった]
だとすっと……なんで、ローザ捕まえたんだあ?
わっかんねえなあ。
[ぶ〜らぶら、足は気ままに進む]
[見詰めて来る子供の瞳に隻眸が細くなる]
この状況からして一番考え得るのはそれだろう。
書置きして尚目的地に辿り着かず姿を消すなぞ、物忘れの激しい奴でもやるか怪しい行動だ。
[血の気が引いてゆく]
[ヴィリーの一言にギリと奥歯を噛み締める]
まだそこまで遅くない時間だったはずだ。
すれ違いもしなかったし。
[視線はまだカヤを睨んだまま]
―大通り―
…オレが、呼んだから、――?
宿屋で待っってるか…
オレが宿の方に行けばよかったんだ…。
……オレの、せいだ。
[ハンスの視線から逃げるように
隻眼の言葉から逃げるように
少女は籠のベルトを握り締め、真下を俯く。
翠のマフラーに口元がうずもれた。]
[尚も子供を睨む行商人の姿]
[彼が何を考えているのかは大方の予想がつく]
……大通りであのガキの目撃証言があって、団長の家に辿り着いていない、ってのは不自然な話ではあるな。
まだ人も多い時間帯だったんだろう?
それなのに姿を消す部分での目撃証言が、無い。
[状況を纏めるように言葉を発する]
[段々と色濃くなるのは顔見知りの犯行と言う線]
[おそらく行商人が考えているのも同じことだろう]
―――詰め所―――
んー……。
[無い頭を必死に働かせながら歩いていると、もしかしたら、カヤ達3人の横を通り過ぎていたかも知れないが、全く気付きもしなかった。
そして、詰め所までたどり着くと、昨日よりも遥かに熱気のこもった室内の空気を感じながら、その扉を開ける]
ちぃーっす。
話聞きに来たんだけど、今良いか?
『……ああ。手短にな』
[レナーテを見ると一瞬だけ全員の目がそちらへ向き、すぐに興味をなくしてほぼ全員が元の仕事に戻った。
そのうちの、一人だけが反応して、レナーテに答える]
[とはいえ自分の戻った時間は遅い]
[表通りで話を聞いて遅れ][その事実を確認するのにもう少し]
[すれ違えなかったのはその間ということも大いにありうる]
……そういう話じゃない。
[小さくなって俯く少女に]
[ようやくそれだけを返す]
[ヴィリーが纏めるのを聞いて一瞬そちらにも視線を走らせ]
カヤ君。
本当にベッティとは会っていない?
[確認するように][何かを探るように問う]
目撃証言?不自然…?
[隻眼の男の、纏めるような言葉が降って来て
俯いたまま小さく続けて繰り返す。
が、その言葉に噛み付く隙を見つける暇も無くハンスの言葉が続けられ
ゆっくりと、泣きそうな表情をした顔を上げ]
会ってない…――
[嘘をついた。]
えっとよ。
なんかローザ捕まえたって話聞いたんだけど、本当?
『……ああ』
あ。本当なんだ。
んじゃ、それはなんで?失踪事件の犯人だとして?それとも、他の意味で?
『失踪事件のほうで、合ってる』
へー。なるほど。
具体的な証拠でもあったのか?
『……』
[その言葉に、一瞬自警団の言葉が詰まった]
?
どした?
『……現状で最も疑わしかった。
だから、捕まえた』
うん。だから、どういう証拠で?
アタイ、バカだからハッキリ言ってくれねえと、わかんねえ。
[重ねて問い詰めるが、自警団は苦々しい顔でそれに答える]
『それについては、他者に明かすことは出来ん。
例え、お前がその依頼を受けていたとしてもだ』
ほー。まあ、いいけど。
ああ。そんじゃ、事件解決したんだろ?アタイはお役ゴメンかな?
『……』
[その言葉に、自警団は今までの中で最も苦々しい顔で答えた]
『……露天商のベティがいなくなった』
べてぃ?
[思わず聞き返して、言葉を頭の中で反芻させた。そして、ややして「あ」と小さく呟き、驚いたように声を上げる]
え!?
ベッティか!?
そりゃまた、なんで!?何時何分何秒!?
『……知るか、そんなこと。ただ分かるのは……事件はまだ終わってないってことだ』
おいおい。前途多難だな、おい。
[自警団の言葉に、苦笑してレナーテが返した。
その後、ある程度大雑把に、消えた時間や消えた場所などを聞き出してから、詰め所から外へと戻った]
―大通り―
[泣きそうな顔のカヤ]
[嘘をついているとは到底見えなかった]
[視線の鋭さは少しだけ減ったかもしれないが]
そうかい。
[感情の色は混じらない声で短く答え]
ヴィリー、「依頼」をしたい。
こちらもカードを取ってくるから、後でいいか。
[隻眼の男へと視線を転じた]
[子供の呟き] [否定の言葉]
[子供が本当のことを言っているのかはさておき]
あのガキが大通りを移動する目撃証言はある。
なのに消えたのを見たと言う話はない。
魔法を使ったにせよ、移動中に浚われたならそれなりの目撃証言があるはず。
……目撃証言も痕跡も無いのがおかしいんだよ。
仮に人目の付かない所に誘い込まれたとしても、その姿を見たと言う者が居ないと言うのはおかしいとは思わないか?
不審な人物が居ればある程度は目につくはずだ。
[己の疑問と意見を口にする]
[その後に行商人から「依頼」を持ちかけられ]
……良いだろう。
[短く、それだけを返した]
―――露店巡り中―――
んー。
参ったな。
[言いながら、まんじゅうを一つ口に放り込んだ]
自警団長と、ベッティが事件に巻き込まれ、ローザが犯人の疑いで逮捕、か。
連続、なんて名前ついてるけど、普通ここまで短いスパンで多発するのかね。
こんなペースで1年も続いてたら、街中の全員が事件に巻き込まれてるんじゃね?
[言ってから首をひねった]
……んん?逆か?
もしかして、短いスパンでやらなければいけないことが起こったとか?
それがなにかっつうとわかんねえけどなあ。
ありうるんなら、この数日でいなくなった人が関係してる、とかか?
んー……とりあえず、今はいなそうだけど、師匠さんからベッティのことを聞いてみるかなあ。
あんた、調査とかしたわけじゃねぇんだろ?
だって今まで知らなかったんだし。
…簡単に人の話しで結論付けるもんなんだな、って思っただけ。
目撃証言が出ないって、今から出るかもしれねぇじゃねぇか。
あんたなんか知ってんじゃねぇの?
あんたが来てから起こってるし。――事件。
[マフラーを引き上げて目に涙を溜めたまま
眉をぎゅっと中央に寄せた少女は、隻眼を睨み上げた。
思いは別だけれど、傍からどう見えるかはまた更に、別。
彼女は、ヴィリーとハンスの仲を知らない。]
ああ、”まだ”調査はしてねぇな。
だから聞いた話で推論を立てたまでだ。
それに事件のある場所に俺が居るのは当たり前だ。
事件を追うのが俺の仕事だからな。
詰所に行ってから調べ直すとするさ。
ハンスからの「依頼」もあることだし、な。
[子供の言葉にも引く様子は全く無い]
[自己正当化のような言葉だが、それもまた己のスタイル]
…じゃあ、あんたがこなかったら事件は起きなかった
って事にもなるんじゃねぇの?
[ギリギリと歯を軋ませて、
八つ当たりのような疑いのような言葉を投げる。
――実際正に「八つ当たり」なわけだが。]
―大通り―
助かるよ。
[隻眼の男に向けるのは信用ではない][あくまでも仕事]
[その情報収集能力は嫌というほど思い知らされてもいるから]
[過去の経験に従ってそれを引き出そうというだけ]
そうだな、俺のも伝聞が混じっている。
探しながらそれも確認しよう。
[それでも話を聞いていたのは不安があったからだ]
[深く息を吐く][決め付けるのはまだ早い]
[自分に言い聞かせて強張っている表情を奥へと押し込める]
……俺はまずベッティの消息を追う。
それから情報を取りに上がって、戻るのは少し遅くなるかもしれない。自衛団と宿、それ以外ならどこにいる可能性が高いんだ?
[どこへ行けば会いやすいかとヴィリーに問う]
ここで会ったのが運の尽き。
そうとでも思わないとやっていられないよ。
[八つ当たりのようなカヤの発言]
[皮肉に笑ってヴィリーを見た]
[同じような言葉は何度も投げた覚えがある]
[今回は先に他者から出たわけだが]
ならねぇな。
「事件が起きてる」から俺がそこに行くんだからよ。
…お前こそ忘れてねぇか。
この失踪事件が今に始まったことじゃねぇってのを。
[どこか己に責を擦り付けようとする子供の言葉]
[それにも怯まずきっぱりと返した]
[相手の言動に隻眸が細まる]
詰所と宿以外なら広場の噴水のところに居るつもりだ。
昨日のところな。
[あの場所に良く居るのは術の媒体を広めるのに適しているため]
[故に調べる時は大概そこに居ることに決めていた]
んじゃあ俺は先に詰所に行ってみる。
詰所に居なかったら噴水のところに来い。
居なくても周辺で聞き込みしてるはずだから直ぐに分かるだろう。
[そう行商人へと返し、詰所に向かおうと歩き始める]
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