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[ケホ…と、小さな咳を零してブリジットを離す。
紺青の眸を細めて困ったように笑った。]
…立ち向かうだけが…勇気じゃないのさ。
きっと…。
[ノーラは男がピューリトゥーイではないと言っていた。
自分でもわからない…侵食するものの正体。けれど…。
男からは離れたほうがいい…少女へ遠回しの警告の仕草。
ブリジットが動かなければ、自ら離れるよう立ち上がって]
…まだ、今は…大丈夫だよ。
まだ…もう少しだけ。
[何時また狂気が現るかわからない。正気が保てる間に…。
そう呟いて泣いた時のようにブリジットの頭を撫ぜると、
階下の水道の方へと降りていく。**]
[杖を見つけられないまま、6の部屋の入口に立つ。
杖無しで階段を上るのは無謀だと、思ったが]
見つからないものは仕方ないもの。
[離れた場所から、響く咳の音。今は傍に行きたくないと、なぜか思って、階段の方へと向かう。
アーベルの声は、後ろからしただろうか。
引き止められるなら、自分で無事を調べに行くんだ、と言って]
居たくないの。あの部屋に。
[辿りついた階段で、零す]
●業務連絡●
コミットの件:ノーラさんありがとうございます。よろしくお願いします。
あと、ゼルギウスファイルイベントですが、ゼルギウスはいつも在席とは限りませんので、進めていただいた場合はアンカーをおいてくださるとありがたく思います。
[部屋から階段までの距離。上るときの段の幅。上までの段数。それを覚えていても、杖無しでは難しくて。
2段上ったところで、躓いて膝をつく。
両手で先の段を探して、這うように上る]
無様だけど。……落ちる可能性は低いから。
[手をついて、膝を突いて、足を持ち上げる。時折、痛みがついた場所に広がるのはいばらの所為。
一番上までたどり着くと、その先、エーリッヒの石像のところまでは歩いて、座り込む。
倒さないように、体は預けない。
首を、こてんと石の足に傾けて、呟く]
今度は、一人で上がってきたのよ。
あのね。
先生も、しんじゃったの。
薬も見つかったのに。ヘリのドアも開いたのに。
助かる道筋が、見つかったかもしれないのに。
死んでほしくない人がいるの。
ううん、みんな、だけど。
でも、周りばかり、気にして自分の事は労わってくれないんだ。
[意識が落ちる。打たれた薬が回っているのか、抵抗する間もなく。程なくすると寝息を*立て始めた*]
[ユリアンはメデューサでは無かった。
それでも、死は、誰の前にも平等で無慈悲で。
理解していた筈なのに、身近で生き死にが展開されると心が痛むのは、泣きたくなるのは何故だろう。
傍に来て抱きしめてくれるライヒアルトの、温もりも優しさも、悲しみも。全部理解したいと動く左手で背中を撫で。]
優しい人。あなたの傷を癒やしてあげられたらいいのに。
[守られるだけじゃなく、守りたいと。強く思って唇を噛む。
駈け去るノーラに気づいて気になったけど、やっぱり追う余裕もなくて。]
[ライヒアルトに抱えられて、ヘルムートが救急箱を探るのをぼうっと見る。
名前を呼ばれて微笑む。かなり無理した笑顔だったけど。結局、言葉はくれなかったけど、気遣ってくれたのはわかった。]
ありがとう、議員。あたしは、あなたは自分の命を預けるに足る人と、思う。
[疲れてるから途切れ途切れ言った。長く傍にいたわけではないけど、見ていた時の行動で信頼に足る人だと、指導者に相応しいと理解できた。
こういう人がピューリトゥーイを投薬されていたら、とよぎりはしたけど。
ヘルムートを見てライヒアルトを見る。
自分になにかあったらライヒアルトを頼むとヘルムートに目だけで言った。通じてはいないかもしれないけど。]
[ダーヴィットは先に行った。
ライヒアルトに抱えられて三階を進む。途中会った人には会釈して。]
ゆっくりでいいから気をつけてね、ライヒ。あ、ゆっくりだと疲れるかな、あたし重いし。
[少しでもライヒアルトの気持ちを浮き立たせたくて、取り留めもなく話す。
休憩室の近くで、エーリッヒの傍に佇むノーラに合流すれば騒ぐのは場違いな気がして黙り込む。休憩室の中にはイレーネもいるし。
エーリッヒの傍を通る時、小さな声で]
ありがとう。
[と言った。]
[二階に下りると廊下でハインリヒとブリジットが話していたか。取り込み中みたいだから声はかけずに6の部屋へ。
床に下ろしてもらってライヒアルトにお礼を言う。
石化したオトフリートに黙祷して。
薬のアンプルをハインリヒが持ってるなら声をかけないといけないけど。]
薬って注射なんだ。
[眉を寄せる。]
怖いんじゃないけど。ね、ライヒ。注射、あなたが先にして。
[ライヒアルトの天鵞絨をじっと覗き見て。
見てないと自分は打たなくて取っておくのではないかと心配で。]
一緒に生きるんでしょ。
[ライヒアルトが先に注射をすれば、注射の針から目を逸らしながら注射を受ける。]
[注射を受ければ右手と下腹が熱くなって眠気が襲って来た。]
ライヒも少しでも休んで。
[ヘルムートの手伝いをする約束をしてたのを見たから言って。傍から離れるのは寂しいと思ったけど言わず。]
あたしはちょっと眠ってるから。
[床へ身を横たえる。踏まれるかもって思って苦笑して。今なら嫌な夢を見ないだろうと確信して。]
――、…ハインリヒ…?
[逃げること。
もう一度、繰り返される。
咳。止まらない。
少しだけ動かした顔。
視界に入る、首輪の数値、
身体はあたたかいのに。
崩れる音、微か。聞こえない。]
[去った彼を、上手く追えない。
手をまた伸ばせば困った顔をされたろうか。]
……――
[俯いた視界の先、
一粒 雫。 地面が濡れた。
残るぬくもりを確かめるように自らをきつく抱く。
*零れ落ちたのは 小さな小さな 嗚咽*]
……優しくなんかない。
[腕の中、捉えた声>>106には、小さく呟いた]
……自分勝手なだけだ。
[喪う事に対して募る恐怖感を押さえたくて、温もりにすがっているのを否定できないから。
癒せたら、という言葉。
何も返さない、返せない。
癒されているから、新たな痛みがこわい。
心の内、落ちて沈む、言の葉]
……俺に出来そうなのは、そのくらいしかありませんから。
[ヘルムートに礼を言われた>>71なら、苦笑しつつ、言って。
ナターリエの視線の動き>>107には、怪訝そうに瞬く。
途中、ゲルダとすれ違ったなら、力なく挨拶して、見送る。
説明は任せた方が早いと思ったし、何より]
……確かに、軽くはない。
土嚢よりな運び易いが。
[とりとめない話>>108。
軽い口調で返してはいるものの、重さの不自然さは感じている。
それ故に、多少、気は急いていた]
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