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[途切れた言葉の先は、容易に察する事はできたものの。
それに対する答えがあるかと言えば、ない訳で。
従魔は伸ばされた指をきょとり、と見上げ。
逆らう素振りもなく、撫でられるままに。
きゅ、と。小さな鳴き声は、穏やかさを帯びるか]
[見た事の無い物への興味]
[けれど無機物への関心は薄いのか、]
[挨拶の声に再び影輝の精霊を見やり]
だと、思う。
……“アーベル”。
[短く名を紡ぐ。]
[微かに笑みは浮かんだかも知れないが]
[それは注視しなければ解らない程に薄くて]
[立ち去るマテウスに"またね"と投げかけながら、入れ替わりに入ってきた蒼い青年と、立ち止まっている灰銀髪の少年を見やり……少年で視線は止まる。]
『あれ……?彼も……。』
あっ、そっちの人も。
[イレーネの声にも振り向いてペコリとお辞儀。
と、もう一人の存在にも気が付くか]
わ、お久しぶりです。
[パタパタと手を振って]
普通じゃない…まあ、そうなんだよね、きっと。
[ユリアンの言葉には微妙な反応を返す。
彼女にとっては王が人間界にいたり出かけたりするのは当たり前に近い感覚だったけど。共に居た人の王はそんなことなかったし]
よ。こんちゃ。
[階段を上がる前、入ってきた青いふたりにも手を挙げて挨拶をしただろうか。
そのまま階段をあがり、個室がずらりと並ぶ二階へと。
一室をあけると、きちんと掃除がしてあった。]
[何か、美人なおねーさんに見られてる。
と、ふとタルトから視線を逸らして。はた、と気付く。]
…? おねーさんって、もしかして
「遅い。何してた」
痛…ちょ、アル、痛いってば!
頭つつくなよ痛いんだから!髪の毛もひっぱるなってば!
[今聞こうとしたのに、邪魔された!もーだからこのけもっこは!
そう文句を言いたいけれど――言ったら、攻撃が酷くなるので口チャック。
と、ユリアンの問いに、こくこくと頷いた。]
さっきまで、遊んでたから。
[イレーネの答えに、風前の灯火の洋ナシタルトを見て、それからちらと、生命の娘の方も見たような]
あー、そんじゃちょっと待ってて。
ユーディットさんにばっか、作ってもらうのは悪いもんね。
[にこり笑うと、席を立って厨房へと向かう]
[小さな鳴き声に、私はほんの僅か目元を和ませる。
それは笑みとは程遠いものであったが、無垢な仔の温もりは私の心に小さな灯火をもたらした]
…可愛らしいこと。
そなた、名は…?
[訊ねてから、気付く。名乗ってすらいないことに]
私は…ナタ・リェ。
[那多烈…なれどそれはナターリエと聞こえたろうか。
私は白の翼持つ青年を見上げ、緩やかに首を傾げるを問いとした]
[シャワーから出てくると、下着姿でポスンとベッドに横たわる。
ジッと天井を見上げていたが]
……眠い。
[ポツリと呟くと、*静かに目を閉じた。*]
ぐあー。
参ったぜ、全ッ然わかんね…!!
[手早く部屋のひとつにはいり、ベッドに腰を下ろした。
そのまま、膝に肘をおいて頭を抱える。
ぐるぐるぐる、ぐるぐる。]
ん、わかった。
[ユーディットさんってのが誰か判らないけれど、
きっと多分、タルトを作った人なんだろう。
ユリアンの言葉に頷いて、続いてその視線に首を傾げる。
リディの方を見た気がするけれど、…知り合いなのかな。
でも聞こうとして、やめておいた。
…何か、リディがスッゴイ微妙な顔してるから。]
のんびり、かぁ……。
[ゆるり、頬杖を付き。]
たまになら、悪くないのでしょうけどね。
例えば……。
[此処で最初に認識した、あのコバルトブルーを思い浮かべ。]
綺麗な海をのんびりと眺めるとか、ね。
[そして、銀灰色の少年には肯定の笑みを。]
[名を問う声に、従魔は天青石の色の瞳をきょとり、とさせて]
「セレス。セレスティン」
[機竜の従魔、と。最後にそう付け加えつつ、名乗る。
その様子を眺めていた時空竜も、視線を向けられれば、あ、と短く声をあげ]
と、そういや俺も名乗ってないのか。
俺は、オトフリート。『虚のいとし子』と呼ばれし、時空の竜。
[厨房には、まだまだ食材はたっぷりとあった]
えーと、卵にチーズに、タマネギにー。
[手慣れた様子で、大きなフライパンを火にかけ、バターを溶いて、手早く作り上げたのは巨大チーズオムレツ…ちなみに雷撃王直伝なのは、知る人ぞ知る]
[黄色い大きなチーズオムレツを、これまた大きな皿に乗せて、広間へと戻っていく]
お待たせー。ちっと小さめだけど三人分に足りるかな?
[通常の10人分くらいはありますから]
「聞えなかったのかお前は。人の話を無視するなとあれほど!」
もーアル!判ったからやめろってば!やめ…っ、…?
[がっすがっすと突かれて、頭上を払うけれど
ひらりと飛び上がるだけで、効果が無い――と、思ったら
…何か、突然攻撃が止んだ。
恐る恐る見上げてみても、流石に相手は頭上だから、判るはずもなくて]
「……。」
[まさか、アーベルに見られた事に気付いて
向きになって見つめ返してるなんて、オレが知る由もない]
忙しい合間の休息はのんびりと時間を過ごすこと。
っとまぁ、これは俺のいつもの過ごし方なんだが。
[情報のやり取りはなかなか神経を使うもので。肉体の休息より精神の休息と言った方が正しいだろうか]
おー、海か。
穏やかにたゆたう水面、砂浜に寄せる波の音。
砂浜に腰を下ろし、爽やかに吹き抜ける風を身に受け、目の前に広がるコバルトブルーを眺める。
いつもは草原に寝転がって、穏やかな風の中で空を眺めたりもするが、そう言う過ごし方も良さそうだ。
ええと、そこの人…ふわぁ…ふ。
[イレーネに名前を聞こうとして、それより先に欠伸が出た。
あれこれありすぎて気が付かなかったけれど、疲労はしっかり積みあがっていて。取っていた形に従いそうやって警告が来た]
ん…そろそろお休みしてきます。
リディさんも、不思議な人も、他の皆さんもおやすみなさい。
[イレーネは印象から「不思議な人」になってしまった。
ちゃんと見るだけの力はもう残っていなくて。
ぺこりと頭を下げるとふわふわした足取りで広間を出た]
あ、やっぱりそうなんだ。
[女性から向けられる笑みに、自分の感じた気配が、
気のせいじゃないと判ったらしい、へらりと笑みを浮かべて――
はた、と。タルトを消費した青年の方へ視線を向ける。
…タルトにばっかり気を取られていたけれど、そういえば彼は
と。ユリアンの手によって運ばれてきたオムレツへ
わぁ、と視線を向けて、…向けたけど。]
…でか!
[思わず叫んでしまった。小さめ?これで!?
チーズオムレツ、好きだから良いけどね!]
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