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お話の邪魔をしてしまいましたか。
申し訳ございません。
[謝罪の言葉を口にして、再び頭を下げる。
しかし、弓なりに細めた瞳が象るはいつもの微笑。
色は緑を保ちながらも、何処か月を思わせるか]
いいえ、シード様。
お客様方をお引止めする事になり、
大変、御迷惑をおかけしております。
引き止める…か。
ま、そうかもしれないけど
[でも、居ようと思う人間ならともかく。わざわざ帰ろうとする人間を帰さないような真似はしないだろ。
と、続けそうになったのを、仮説が浮かんだに過ぎないことで、変に騒ぎ立てるわけには行かないと。口を噤む。
それに、わざわざ不安にさせる要素を与える必要もないとも思い]
寂しいだけだったら、まあ可愛げがあっていいけどもね
[と、話をあわせつつ、その後、ヘルガが言いかけた言葉に自分もそうかもなーと思っていたら、ヘルガがザムエルに声をかけ、笑みを向けているのにつられて自分も視線を移す。そして騒ぎのことについて聞かれれば]
ヘルガさんの言うとおり喋っていたんだけど、わっかんない。
寂しがっているから引き止めているのか。あるいは
[自分の仮説を簡単に語った。それをどう受け取ったのか。
人生を自分よりずっと長く生きてきたザムエルの考え込むような表情からはうかがい知れなかったけども]
…
[ナントイウコトデショウ。
呆然と口を開け、ナターリエを見つめている。
つまり、少女と初めて出会った時…から、お
嬢さんと言われ続けていたのだ…
しかも、ちゃんと他の人とは区別して]
…
[ゆら、と、階段の手すりにもたれかかると、肩を落とした]
…執事さんにはー…あたしの歳ー…言ったのにー…
あ。ええと。
大丈夫よ、きっとほめ言葉よ
[少し慌ててそういい募る。
ちゃんと年齢あたりまで言っていなくてよかった。]
若く見えるというのは良いことよ?
だからそんなにがっかりしないで?
[扱いが子供に対するように見えるのはきっと気のせいだ。]
いや、邪魔って事はないけれど。
[謝罪の言葉に苦笑しつつこう返し]
……それで。
これから、どうするおつもりですか?
[続けて短く問いを投げる。
それが何を意味するのかは、語るまでもないだろう、と端的に]
まさか。邪魔なんて。
[ふるりと柔く首を振って。続く言葉に、僅か瞬きをしながらも。]
いや、……さっきちょっと聞いたけどさ。
…本当大変そうだし。
[此方は気にせずに、と。
何処か声を落として。苦笑に似た笑みを浮べ。
エーリッヒの言葉を聞けば、答えを伺うように執事へと視線を向ける]
ザムエルさんはどう思う?
[考えに没頭しているから聞こえているかわからないまでも一応聞いてみる。
でも...はわからないものは仕方がない。既に半ば開き直って、それよりも本当に出してもらえないなら。納品しなければいけないものとかその辺りどうしようとかそれでも物騒なことが起きているとは露知らず、そんなことを思っている。
客商売で信用商売なのだから仕方ない。
と、そこで、先程注文した飲み物をもって使用人がやってくる、ヘルガと二人受け取ると、ザムエルの分をそのまま追加した。]
[ずーん、というか、しょんぼり、というか…
とにかく、落ち込んでいるのは目に見えて分かるだろうか…
まさか、礼儀正しいあの執事が…少女にとってはなんだか、裏切られた気分に近いようで]
…ホント、かなぁ…
[…本当は、正しい年頃の対応をされているだけなのだが…少女は大人に憧れていた]
…そ、そう…なのかな…?
[…若く見られると言うことはいいのだろうか?
でも、大人の女性が若く見られて嬉しい、みたいな所を、何処かで見た気がするのも確かで。
少しだけ顔を上げて、首を傾げた]
[少女の本当の年など知らないが、実際、フロイラインでも彼女にとっておかしいと思うわけでもない。
のだがものすごく、落ち込む様子には、やっぱり慰めるように手を伸ばして。]
本当よ。
だからそんなに落ち込まないで?
あなたはとても可愛いから、きっと彼もそう呼んでいるのよ。
[年齢詐称に気づいて、そう呼んでいるなんて気づかず。
伸ばした手は、その頭を撫でようと]
[事情を察しているであろう事は、容易に理解出来る。
だから、彼らには誤魔化す必要もないだろうと]
そうですね。
あれは、一人でに働くものだとは思えません。
“犯人”がいると想定するのが、自然でしょう。
[考え込むように口許に手を当てながらも、
視線を真っ直ぐに返す執事の孔雀石に揺らぎはなく]
となれば……こう言っては不躾ですが。
お客様方は、イコール容疑者――となります。
故に、このままお帰り願う訳にはいきません。
無論、使用人の中にいるかもしれませんが、ね。
どちらにしても、まだ、憶測に過ぎませんが。
[とは言っても、所持品検査などで見つかるとは思えない上、
犠牲が増える可能性も否めないのが悩みどころではあるが]
封印の術があれば好いのですが。
[本当、と言われると、表情は明るくなり…
はにかむように微笑んで]
そ、そう?
だったら…照れちゃうな。
[そうだとするなら、いつもは仕事に専念している執事の少し…人間っぽい?所が垣間見れた気がして。
頭に伸ばされた手が目にはいるが、拒むようなことはせず]
[物騒なことが起こっている可能性が高いというのに
会ったときから変わらずに嫣然とした笑みを浮かべるヘルガ。
冷静に状況を把握しているのか年輪とともに刻まれた皺が思慮深さを際立たせているザムエルは動揺した様子もなく黙している。
その落ち着いた様子をみて、もしかして、自分だけが悪いほう悪いほうにものを考えすぎているだけかもな。と思った。
考えて見れば自分よりも邸の主を良く知っているわけだしと。
とはいいつつも...も慌てた様子もなくマイペースだったりするわけだが。]
どーなんだろうなー。
[とぼやきつつ、歩いていた使用人に軽食を頼んだ。
人間結局腹は減る]
…ま、確かにそれが一番妥当だろーね。疑うのもしゃーないっしょ。
人の命かかってんのに、憶測だからってそのまま帰す方がむしろ問題だしね。
[執事の紡ぐ言葉に、溜息を零しながら小さく頷いて。
"犯人"の言葉に、僅か瞼を伏せる。――その表情は読取る事は叶わずに]
……封印、の術…に関しては…流石に、俺はさっぱり。
にーさんなら、何か知ってるかもだけど。
[肩を竦めれば、隣に立ち並ぶ青年を見やって]
……犯人……ね。
確かに、あのオルゴールが独りでに動いた、という記録は俺の知る限りでは存在しない。
何者かの意思の介在がある、と見た方が自然だな。
[記憶を辿りつつ、オトフリートにこう返して。
容疑者、と言う言葉には、そうだろうな、と肩をすくめる]
……とはいうものの、あれだけ強力なアーティファクトを目覚めさせるには、相応の力が必要なはずだが……。
[人の身に、それが叶うのかと。
ふと感じた疑問はそれ。
それから、封印の術、という言葉に、一つ瞬いて]
封印……オルゴールの力を封印する……って、事か?
ふふ、執事さんに聞いてみたらいいんじゃないかしら
[そんなことをしたら、本人がうそをつかない限り困ったことになるかもしれないが、そんなの彼女の知ったことじゃない。]
さあ。
食事にいきましょう?
[少女の頭を優しく撫でて、笑いかける。]
――人ならざる者の力によって、“歌姫”が覚醒めた。
[研究家の青年の言葉に重ねるように、声を紡ぐ]
なんて可能性も、あるでしょうか。
事実は小説より奇なり。
何があるかわかりませんからね。
[首を斜めに傾け、執事は冗談めかしてくすりと笑う。
腕を組むようにして、顎に手を当てた]
ええ、危険なものであれば封印する。
それは、当然の事でしょう?
[やはりその声にも、何処か試すような響きがあるか]
[やがてザムエルから返ってきた言葉は。なんというか。特に現状を把握できるものではない。
与えられた情報源はどうやら同じようだから仕方ないか。とも思う。
でも何か思い当たっているのかもしれない。が、憶測だから。ということで締め切られてはしまう。
後で何かわかったら教えてもらおうとだけ思い、ちょうど良く使用人が持ってきた軽食に手を伸ばす。
いなきゃいけないのだとするならば、その分満喫しようという腹らしい]
…き、聞いてみるの…?
何だか恥ずかしいし…
オトフリートさん、だから、簡単に流されそう…
だから、良い。うん。
[本人もそう思っているのかは闇の中、となりそうである。
軽く頬を染め、ぼそぼそと自己完結した]
…うんっ、行こっ。
[撫でられる感覚が気持ち良かったのか、目を細め…小さく頷いた]
エェン、本当に…どうなのかしらネェ。
[少年のぼやきは聞こえているが、女は自ら情報を与える気はない]
知らぬもの同士で話していてもォ、らちが明きませんわァ?
後でェ、詳しく知ってそうな…オトフリートさんでも問い詰めればいいんじゃないかしらァ。
本当に体調を崩してらっしゃるならァ、ギュンター様にお伺いは出来ませんものネェ。
[食事が運ばれてくれば、女も席へと座り手をつけるだろうか]
確かに、流しそうね。
でも、きっと、とてもかわいらしいからですよ、とか言うと思うわ?
[自己完結して良かったのだろうが、そんなことを言って。]
でもギュンターさんは病気みたいなのだけれどね。
大丈夫かしらね
[そういいながら、少女と一緒に階段を下りようと。]
―→ホール―
人、ならざるもの……か。
まあ、元々。
オルゴールに歌姫の魂を封じたのも……人ならざる、魔……だった……訳だし。
何があっても、不思議はない、か。
[冗談めかした言葉に対する返答は、どこかかすれていたろうか]
危険なものであれば、封印する……。
[それから、繰り返すようにこう呟く。
いつの間にか、握り締めた右手が胸元へ、何かを押さえつけるように押し当てられていた]
…………ああ、確かに。
眠らせ……なければ、ならない。
[呟きからしばしの間を置いて、紡がれた言葉はいつになく真剣な響きを帯びていたやも知れず]
そですね。わからない者同士でなに言ってもわからないものはわからないですよね
[ヘルガにそう返答する。
でも、そんな状況はある程度予想できることなのに、憶測とはいえ色々口にしてしまったことに反省する。変な不安を与えることも、縁起でもないことも、全部自分のうちに留めておくべきで、ザムエルのようにそういうのはあまり口にしないほうがいいと思ったからだ。
そしてオトフリートの名が出れば]
確かにあの人なら他の使用人より何か知っている気もするけど…
[でも一番口が堅そうなため、結局は無理そうな気がする。と思いつつ、後者のギュンターに会うのは難しいことには同意した]
[他の従者たちとともに本来の仕事の合間にオルゴールを探していたが、やはり見つからずもうこんな時間になってしまっている
招待客に嘘をついて引き止めるのも、もう限界だろう
近いうちに、真実を告げねばならないのだろうか
ふと、窓の外を見ると、そこには屋敷の多くを取り仕切る執事の姿
他にも、二人ほどの姿も見えるが]
相談……した方がよいかもしれませんね
[そう呟くと、中庭へと向かった]
[そうかな?と、居ない者の話で盛り上がりつつ、しかし、この屋敷の話になると、少しだけ影を落とし]
…うん。大丈夫かな…
でも、みんなに充分に楽しんで貰えてない…って、言ってたそうだし…
大丈夫、じゃないかなぁ…
[実はヒドイ病気だったらどうしよう…小さく思いつつ、ナターリエと共にホールへと]
そうね。
そう言ってそう。ギュンターさんですものね。
[そして笑って、ホールの扉を開けた。
中の人たちに、微笑み。]
今晩和
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