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[離された左の手とクロエとを交互に見たのはいっとき。
それからはカルメンに視線を奪われていたのでした。
零れ出た疑問には ふるふる ふるる と首を振るのです。
いっぱいの自分を考えたら、ちょっとこわくなったみたい。
でも、この状態だとうまく喋れないものですから、辺りをきょろきょろ。]
─外─
[しゃく、と何度目か林檎を齧ったところで。
目端に空から降りて来る何かを捉える。
視線を向けて眺めていると……]
………。
[コケるのが見えました。
もしゃもしゃ林檎を租借しながらコケた誰かを眺め見てたり]
……いったたた……。
[普通なら、両足でちゃんと着地できる所が、結果は前方飛び込み姿勢でスライディング。
傍目には、白と黒の塊の墜落と見えるかも]
あー……誰もいない……よ、ね?
[さすがに今のは間が悪すぎる、と。
慌てて起き上がって周囲きょろきょろ]
[カルメンの言葉に目を見開いた。ペンギンはその言葉に頷いている]
え、獣人・・・ですか?ペンギンの?
すみません、僕、今までペンギン型の獣人を見たことがありませんでしたので、てっきりふわふわの仲間だと思ってました。
だって可愛いし。ごめんなさいね。
[ぺこぺこペンギンに謝った]
[しっかり一部始終見ていましたとも]
……大丈夫か?
[声はかけるが林檎を食べながらのまま。
手を貸す素振りは見せない]
[よもや見られていたとは思わず、なんとなく凹んだかも知れない]
あー……うん。
一応。
[かけられた声に、こっくり頷く。
その場に座り込んでいるのもどうかと思いつつ。
立ち上がるには、まだしばらくかかりそうだった]
うん、何とかね。
色々あって、疲れてるだけだから。
[近づいてきた鴉の問いにも、一つ頷いた]
ええ、ペンギン型…よぉ
だってほら…気配がねぇ
[とクロエに曖昧な説明。探査系の魔術というほど高級でもない常時持っている感覚であるが、言葉で言うには難しく]
ふふっ。そうよねぇ…可愛いわ…あら?
[空腹の音に少し瞬き]
何かあるかしらぁ?
[そういえば食堂にいった面々が戻ってきてないなぁと思い出し]
疲れてる、か。
まぁ、この状況で疲れない方が不思議な気がするけどな。
[自分もあれこれあり過ぎて今休憩を取っているような形でもあり。
ゲルダの言葉に納得しながら、再び林檎をしゃくり]
…食うか?
[唐突に訊ねながら、ぽんと林檎を一つ宙へ投げる。
鴉がその落下地点に滑り込み、ボレー状態でゲルダへと林檎を仲介した]
アーデルさんから話は聞いたか?
結界が強固過ぎて破壊での脱出は無理そうだ。
ギュン爺とは連絡取れねーっつーし。
気配でわかるのですか。
うーん、僕はまだひよっこだから全然気配とか分からないんです。
[カルメンの言葉に感心し、そして響いたお腹の音が聞こえれば、ポケットの中をがさごぞ]
前にカレーが合ったような気がしましたけど、もうふわふわに埋もれてどこにあるのかわかりませんね。
あ、飴がありますけど、ペンギンさんは魚の方がいいのかしら・・。
[非常食代わりの苺飴をペンギンの左手に持たせてみる]
[可愛いと言われてうれしくないわけはありませんから、
くちばしをあんぐり開けて キュウ と小さく鳴きました。
何かあるかしらのことばに、期待をこめて、きょろきょろり。]
……そうよねー。
普通に疲れるわ、コレ。
[妙にしみじみと頷いて]
え? あ、うんっ!
助かったあ……ちょうど、お腹空いてたんだぁ。
[絶妙のアシスト経由で飛んで来た林檎をキャッチして、にっこり笑顔。
ありがとー、と言いつつ軽く磨いてから齧りつく]
あ、うん、それはさっき聞いたわ。
[ついでに、お仕置きされたのは置いといて]
ギュンター爺……って、あれ。
そういや、さっき主様が何か言ってたような……。
― 食堂 ―
[調味料も何も目分量、それでもおおざっぱな分だけ出来上がるのは早いボルシチにカヤからの差し入れの洋梨が加わるとなかなか立派な食事が出来た。魔女の大鍋並みの鍋の半分近くは、自分で平らげて、やってきた最強寮母から状況を聞く。どれだけを覚えているかは不明だが]
しかしベッチー、随分、そのふわふわと馴染んでるなあ。
いっそ使い魔にしちゃえばいんじゃね?
[厨房の中で、洗い物とかしながら、ベッチーが吹っ飛ばしたふわふわ魔法を眺めて感想など漏らす。それが自分に向かうはずだったとか、気付くわけもない。気付いたって気にしませんが。…そうして、カヤの名を問われると]
ああ、さっきのな、あれは…
「カヤって子だよ」
ああ、そう、カヤ。うん、そだった、そだった。
[口にする前の白雪さんの突っ込みに、こくこく頷いてるところを見ると、多分間違える所だった模様]
[乗せられた飴と、じいっとにらめっこ。
ひとまず食べてみようと口に運ぼうと、
‥‥‥したけれど。
ペンギンの手ではうまくいかずに、じたじた。
じたじた。じたじたじた。じた。]
[同じような心境らしい相手のしみじみとした頷きに、だよなぁ、と心の中だけで相槌。
林檎の礼には短く、ん、と返して]
…何かって?
見つかったって話ならそれはそれで良いんだ、が。
[ゲルダに視線を向けながら半分くらいになった林檎を齧り続ける]
[結局寮母とベッチーの両方が食堂を飛び出していき、一人で厨房に残ることになる]
さて、白雪さんどうしたもんかね?
[調理器具をぴかぴかに磨き上げながら、頭の上の盟約者に語りかけると、白いふさふさがゆらりと揺れた]
「どうしたもこうしたもありゃしない。怪我する子が出ないように気をつけるくらいっきゃ出来ないんじゃないかね」
あー、やっぱりかあ、まあアーデルさんとグリューヴルムでもどうにもならないんじゃ、無理さねえ。
[寮母の名前は、叩き込まれたに違いない。異界龍の名だけは長くても覚えているのは、色々と幼児体験に帰来するのだが以下略]
[ちょっと食べるのに集中したのはご愛嬌。
何せ、騒動開始前にミルクとクッキーを少し食べたきりだったわけですから]
んー……良い報せじゃなかったんだけど。
なんか、潰されたとか、何とか……。
主様も、はっきりした事はわかってなかったみたい。
[飴を手にじたばたしているペンギンが倒れると、慌てて起こした。そして飴を手にとると、ペンギンのくちばしの前に持って行った]
気がきかなくて、ごめんなさいね。はい。あーん。
[楽しげにペンギンの様子を*見ている*]
ふふっ…色んな魔法生物を見たり出会ったりしてくればクロエちゃんだって自然と身につくわよぉ…
[これでも流水学科から転化して現在に至るためそれなりに学園生活は長い]
そうよねぇ…さっき食堂からふわふわ追い出しにいった人たちが何か作ってるかも?
[やはり他人任せでいながらもきゅうと鳴いているペンギンにクロエが飴を渡してるのを見遣って]
あらあら?
[後ろにコロンと転がるペンギンを見て、助ける前にくすくすと笑った]
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