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―自宅―
もうそんな年じゃねぇだろうに。
[少し前、イレーネの去り際に言われたことにはそんな風に返したか。
けれど囁きには頷いて、素直に承諾した。珍しく]
―→乾燥小屋―
[キノコの収穫と手入れが終われば、乾燥小屋にそれを種類わけしていった。
ここに分けられているものは、父が几帳面な性格だったのもあり、それぞれの籠に名札がついている。
キノコの元となる胞子の入った袋にもそれは例外なく。
自分がいなくてもどれが何かはわかるだろう。
キノコ栽培の仕方についても、父が残した本がこの小屋の中にある。
キノコの栽培の仕方、キノコの種類ごとの用途や説明等が図入りで行われている。
後半のページは空白、後に書き足せるようにと]
残すことは一つだけか。
[本を手にすると、自宅へと戻った]
―自宅―
やほー、じゃねぇよ。
[そして現在。
手を振る少女に溜息を吐いた]
自首しに来たことは褒めてやる。
から、入れ。
[手招き]
─道具屋─
うん、もう昨夜作っててくれたらしくて。
一応できる準備は昨日のうちに済ませたから、あとこれだけ…
[ミハエルから薬のことを聞かれると頷き、麻酔を塗り終えた投げ矢を革のケースにしまい、腰のベルトにくくりつけた。
ミハエルが作業を見る様子には微笑ましげにして。
前日準備した分を再度点検を済ませ、用意はすべて整った。]
はい、おまたせ。
─ゼルギウス宅─
う、だって。
他に、挨拶、でなかったんだも……。
[ため息を吐かれ、ぽそぽそ、と訴える。
手招きされると、うん、と頷いてそれに従った。
応急処置はされていたが、奥まで行った事で最初よりも腫れているのか、先ほどよりも歩きにくいような気がした]
―パン屋―
あれ、誰もいない?
[もぐもぐしつつ。
しかしどこかに行っているのだろうと勝手にあたりをつけて、本を扉のところに置いておく。
中まで入ることはしなかった。
とりあえず手持ちのペンで、メモ用紙に『ゲルダへ』と書いて置いておく。]
[ゼルの家を出る時に自分の言った言葉に対するゼルの返答は予想通りだったから、いつものように笑って。
お願いに対する返答には、…ありがと、と小さく礼を言って微笑んだだろう。]
─村の通り─
[ベッティの頭に載せた手を動かし優しく撫でる。上げられた視線と表情から相手の感情を読み取り、紡がれた言葉に小さく頷いた]
それが、『『死神』の降る刻』だからね。
華が咲くまでは───きっと、続く。
[そう言葉を紡いでベッティの頭に載せていた手を退けた。少し視線を外すと、離れた場所にウェンデルの姿を見つける]
ウェンデル。
[呼びかけた声は相手に届いたか否か]
―自宅―
[自宅に戻ると、さっそくペンを手にして、イレーネからもらった新しい籠に名札をつけた
刻まれる文字は、『美人髪』]
あとはキノコのことだな。
[ヒカリゴケのランプ、その明かりを頼りに本をめくり、後半の空白部分、自分の作ったキノコについて簡単なイラストと説明文を書き込んでいく。
それを残せば、いつ自分がいなくなってももう誰も困る必要はないだろうと]
楽なものだ。
[父親に改めて感謝の念を送っていた]
―パン屋→村の通り―
とりあえず、えーと。
やることはもう無い?
[少し首を傾げつつ。
とりあえずさっき声がかけられてたなぁなんて、元来た道へと引き返す。
食べていたから後でね、だったのはまぁ置いておくとして。]
さっきぶり?
[軽く悩みつつ、エーリッヒとベッティへと声をかける。
パンは食べ終わっているし荷物もないので、さっきよりも身軽そうだ。]
─道具屋─
なるほど。
手が早いな、ゼルギウス。
[昨日のうちに、と入イレーナの説明に、至極真面目な顔をしながら──誤解の産まれそうな台詞で薬師を褒めた。
普段は投げ矢の準備を見る機会などは、
あまりないからか、興味深そうにしていて]
よし、準備万端だな?
…。ゲルダのパンがでてきてから、
ちょっとしたぴくにっく気分もあるな。
[首を傾げてから──ぱち。と自分の頬を叩いて]
いや、勿論気もひきしめる。うん。
―自宅―
ったく。
[小さな訴えにまた溜息が洩れた。
近づいて来たユーディットを中に招き、以前レナーテを処置したのと同じ部屋に通して]
座れ。
……で、誰にやって貰ったんだ、これは。
[中央の椅子を示してから、彼女が座るのを待ち、尋ねた。
しっかりと施された応急処置を、ユーディット自身がやったとは初めから思わなかったようだ]
─村の通り─
[どこかへ行ったはずのウェンデルが戻って来た]
無視されたのかと思った。
[さっきぶり?と言うウェンデルに僅か苦笑の色。しかし直ぐに表情を戻して]
ちょっと、伝えておこうかと思って。
……ゲルダが、刈られたってこと。
[ベッティに向けたものと同じ、悲しげな笑みが浮かんだ]
─ゼルギウス宅─
……にぃ。
[続くため息に、か細い声を上げたりしつつ。
部屋に通され、言われるままに椅子に座った]
あ、えと、これは。
リィにいに、やってもらったんだよ。
だから、奥まで行っても、あんまり痛くなかったんだ。
[問いには素直に答えつつ。
なんか、余計な事までぽろっと言った]
─村の通り─
[優しく頭を撫でられ、心のもやもやが少し晴れたような気がした。]
────うん。
[まだ続くと言うエーリッヒの言葉には、短く頷いておいた。
スッと頭から離される手。その温もりの残滓を感じていると、]
えっ、ウェンくん?(びくっ
[エーリッヒが読んだ名前に過剰に反応して、きょどきょどと挙動不審に辺りを見回す。
だが、どうやら見つけるには至らなかった様子。]
─道具屋─
そうだね、無理してなきゃいいけど。
[仕事熱心だからねー、と笑って。
気を引き締める、と言ったミハエルにも微笑んだ]
うん、怪我なんかしたらそれこそゼルから大目玉だしね。
あ、レナ、ゲルダのパンこっちのバスケットに入れて。
よし、それじゃいこっか。
[レナは万一に備えすぐ動けるようにと、手持ちの荷物は持てる限り自分が持って。
戸締りを簡単に済ませると店を後にして、目的地へと向かった。]
─村の通り─
[そのあともやけにきょどきょどしていたわけですが、そんなことをしているとウェンデルが戻ってくる。]
あ、ウェ、ウェンくん。お、お………おいッス。
[明らかに目が泳いでいる。]
―自宅―
[本を書き終えて、それを巨大キノコの机の上におくと横になった]
父さんは、どんな気持ちだったんだ、その時。
[呟き、目を閉じた。
このまま眠りについて、また自分の影は、『死神』は誰かを刈るのだろうかと]
―村の通り―
食べてたから返事できなかったんだよ。
無視とかはしないよ。
集中してるわけでもないんだから。
[ごくごく普通に言った。
それから伝えられたことに、さっき行った道の方を見て。]
は? ゲルダが?
……だから居なかったの。
長も、刈られたんだっけ?
[なんとなく納得した、というような声をして。
ユリアンから聞いたんだけどとは付け足して。]
悲しいね。
いなくなるのって。
[言葉と表情とは違い、声はいつもどおりだった。]
―自宅―
ほお。
[返答に感心したような声を出しながら、巻かれた布を解く。
腫れた足が目に入ったのと、余計な一言が耳に届くのはほぼ同時だった]
……奥?
[顔を上げて、ユーディットを見た。
声の温度は先程よりも下がっている]
─道具屋→狩場へ─
無理?
[ゼルギウスについての心配には、あまり考えていなかった風できょとん。として]
う…。痛い目を見たのに、
さらに怒られるのは勘弁されたい。
[痛かったらちゃんと気をつけるのにな。と、言って、不満そうに膨れた。]
うん。宜しく、イレーネ。
[行こう、と誘いに、狩場の場所を知らない語り部見習いは、とてとてと離れないこと。といわれたとおりに二人の後にぴたりとついていく。]
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