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[無意識に洩れた言葉が、聞かれていたとは思いもしない。]
・・・へ?
どーしたのさ、玲チャン。
[玲の手のモノに、軽く驚いた顔を作って。
同意を求めるように、周りを見る。]
[出来ること、という榛名の問いに]
……取りあえず、荒事って訳にはいかんし。
そこで、支えててくれると助かるかね、俺としては。
[さらりと返して。
蓮実の言葉には、ああ、と頷く]
死ぬ気なんざねぇよ……それこそ、バカヒトに怒られちまう。
[冗談めかした言葉を投げて。
玲の動きにあわせるよに、その隣へと]
支える…。
[史人の意図をはっきりとは汲み取れなかったが、前に出ないで居れば良いと言うのは理解し。頷いたところで扉の開く音がした。そこには孝博の姿。僅かに身を硬くするようにし、一歩、史人達より後ろへと下がる。両手は胸元で握られ、皆より後ろの位置から孝博を見つめた。その瞳に宿るのはただ悲しみのみ]
[その表情はしかりとは見えなくて。けれどその声も意図的に作ったようなものには聞こえなくて]
…どうして。
どうしてそんなところだけ、変わらないの…。
[強く握り締めた手が震える。それでも下ろすことはせずに]
惟仁さんだけですめば、いいほうですよ。きっと
[同じように冗談めかした言葉を返す。気まずい気持ちもなくはなかったが、楽になれた気はして、入ってきた孝博を見て]
なんというか。おまじないみたいなものですよ
[それはいつもの柔らかな声音]
[いつもと変わらぬように見える、孝博の様子に、は、と一つ息を吐いて]
答えは。
お前が一番よく知ってんだろ?
[静かに静かに、返す]
……いや、あいつが一番うるせぇのは、間違いねぇ。
[蓮実の突っ込みには、ぼそりとこんな言葉を返していたり]
私は、だいじょーぶ。
[ほんとはちょっと、ぶつけた背中がいたいけど玲ちゃんにかえして。
それから聲を飛ばした。まったく意味はなかったみたいだけど。
決して自分から、そうだと言ったわけじゃないなんて、思ってないけど。]
『逃げて』
[それは本気の言葉だった。]
ちが…っ
[でも、違わないから、口に出せなくて。]
『だから、逃げて、逃げてよ!どこかに…
わかんないよ、もう!たかひろは仲間なのに、』
りきっちゃんを、殺した…っ、なんで。なんで?
だめ、だよ。
だって、巫女さんが、悲しいよ…っ
ひとりぼっち、だったんだから…、だから、せめて、巫女さんが、望むこと、叶えてあげたいよ…っ
たかひろだって、そのために
[そう、思っているけど。]
[孝博と涼の様子をしばし見つめ。
涼から投げられた言葉。
それに、小さく息を吐く]
願いを叶える、そのための術が。
他の生命を喰らうという事。
その時点で……ほっとく事はできん。
[告げる言葉は、酷く静か]
――ソレは、オマエの所為だろ?
言うコト聞かねェからだ。
[低い声が洩れる。
最早誰に聞かれていようが構いはしなかった。
そして不調から来る機嫌の悪さそのままに、]
巫女?
・・・ッハ、関係ねーな。
[涼の弁解を、あっさりと打ち砕いた。]
[聞こえる内容の半分以上もわかっていないだろうが]
願いも方法も関係ありません。
単純に言って…人は結構。勝手な生き物なんですよ
[涼に手を伸ばす。可能ならば引き寄せるだろう]
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