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―廊下→広間―
[ソファーの上で縮こまるラッセルを見て、やはり人狼は一般的に怖いものでよかったかと一人納得する。
怯えている人間には…励ましか?慰めか?そっとしておくのがいいのか?
知識からいくつか方法を引き出してみたが、感情が伴わずどれが最善か分からない。
恐怖や怯えとはどんなものだったか……記憶を手繰ってみても答えはみつかりそうにない]
えーっとー……。
[ああ、そうだ、彼は人といるのが苦手なのだった。なら放っておこうか。
セシリアはラッセルを横目に見ながら、少し馴染んできた席に*座った*]
―回想・館内―
[広間をハーヴェイと共に出ると会っていなかったときの事を話したり。
ほとんどはハーヴェイから話を聞き、小さい声でかすかに漏らすだけの返答。それでもハーヴェイはちっとも嫌がらず会話を続けてくれた。
自分の事よりはハーヴェイの出来事の話の方が多かった。]
……!!(びくっ
[聞こえてきた悲鳴には身を震わせて驚き、すぐに隣にいたハーヴェイにぎゅっとしがみつく。
震えが止まらない、怖い、怖い、怖い…。その悲鳴の正体はしってはいけないものの気がして。]
―回想・館内―
……ハー…ヴ……
[ただでさえ小さい声は震える唇から漏れ出るせいか、さらに小さくか細い。
広間に行くように促されるとぎゅっとしがみついたまま首を横に振る]
……(ふるふる
[ハーヴェイにそっちに行ってほしくなかったから、一人で行かせたくなかった。
けれどもハーヴェイに信じろといわれて笑顔を返されればおとなしく頷いて広間に戻ることにした。]
―回想・館内―
[足取りは重い、途中広間からでたセシリアと出会うと]
……!(びくっ
[向けたのは明らかな警戒の色、今は誰もかれもが怖い、幼い記憶に刻まれたことが脳裏をよぎるから。
アーヴァインの話を聞き、セシリアが他の人にも伝えてくるとあわてて立ち去っていく。
早く広間にいないと、ハーヴェイにそう言われたから、そこが今一番安全な場所のはずだから。
そう思いふらふらと広間の方へ向かう。]
―広間―
[一人で広間に戻る。戸を開けるとそこに人はいただろうか?
椅子に座りハーヴェイの戻りを待っている。外ではつり橋が落ちていたかもしれないがそんなことには気づかない。]
……っ!
[体の震えが止まらなかった、ぎゅっと自分の身を抱くようにして俯き震えている。
ハーヴェイが広間で待っていろといったからここが一番安全なんだ、すぐにハーヴェイが迎えにきてくれるはずだから。
そう自分に言い聞かせ震えている]
……(ふるふる
[震えはまだ収まりそうにない]
―主人の部屋―
[他の者が部屋から出た後も、墓守は黙々と作業を続けた。
暫くは廊下で話す声もしていたが、じきにそれも遠くなる]
流石に良い気持ちはしませんね。
[粗方の肉片を一所に集めたところで、立ち上がり背を伸ばす。
病の知識等墓守には無い為、掌も袖も膝も赤黒く汚れていた。
換気をしようと窓の傍に立つ]
―広間―
…っ(びくっ
[広間で震えていると戸が開く音、驚いてすぐにそちらに視線をやるとラッセルとギルバートの姿。
ラッセルはおびえていたかもしれない、それにギルバートはそれにつきそっていたかもしれない?
何をしていたにせよ自分はかかわらないように離れている。
特にラッセルの様子は怖かった、冷静じゃなくなった人は何をしだすかわからない、それを幼いときに惨劇とともに教えられている。]
……
[しばらくしてセシリアも広間に戻ってくる、そちらにも警戒したように視線をやり椅子に座る様子を見てから、
ハーヴェイが広間に来るのを待っている。ハーヴェイの戻りが*待ち遠しい…。*]
―広間―
[不安を催す空気に足取りは重たく。
広間に着いたのはラッセル達も戻ってくる頃になってしまった]
……。
[お早う御座いますの挨拶も出し難い。
会釈だけすると怯えた顔で端の方の椅子へと座った]
―二階→一階・広間―
[ラッセルが頷いて立ち上がるのに手を貸して階下に向かう。
広間に入ると俯いて自分を抱いている様子のシャーロットが目に入る。こちらに視線が向いたなら、驚かせないように会釈をするだけで。
いまだ苦しげなラッセルに、少しでも楽に座れるようにとソファー示して。座ったなら一度腰を落として、目の高さを合わせて]
それじゃ、水をもらってくる。
すぐに戻ってくるからな?
[そう声を掛けてから、水をもらうために厨房へ]
―館内―
[厨房に向かうものの使用人の姿は見えない。誰か一人は残っていないとおかしいはずなのだけれど。
厨房だけではなく、人が居そうな所を見て回るけれどやはり同じで]
……おかしいな。
[こういう事態だからこそ使用人は家に居なければいけないはずで。なのに、一人も姿が見えない]
それになんか…外がおかしくねぇか…?
[幾つかの疑問は浮かぶけれど、あまりラッセルを一人にもしては置けない。
厨房に戻り、水差しと幾つかのコップを探すと水を汲んで広間へと戻る]
―→広間―
[広間に戻るとコップに水を注いでラッセルに手渡す。シャーロットにもそれを差し出して、受け取らなければテーブルに置くだろう。
そうして、セシリアの姿を見れば、自分用に持ってきたコップに水を入れて差し出して]
さっきはどうもな。
[すれ違った時のことに頭を下げて、他の人たちについて話を聞いてみる]
え…
ちょっとまってくれ、吊り橋が落ちたって…。
[初めの一声は大きいものの、怯えた二人を気に掛けてすぐに声を落とす。
そのうち戻ってきたトビーやマンジローからも話を聞いて]
………
[言葉が見つからずくしゃりと髪をかき混ぜて]
[動揺した感情を首を振って無理に鎮める。少なくとも、今ここに居る中では年長なのだから。
アーヴァインのこと、人狼のこと、「ひつじ」と言われた意味、そして「帰れない」と言うこと。
大きく息を吐いて、不安を纏めて放り出してソファーへと戻り、ラッセルの隣に*腰掛ける*]
―広間―
[ギルバートの気遣いで震えは大きく成らずに済んだ]
吊り橋だけが此処の出入り手段でしたのね。
ならもう誰も来られない…。
[同じ部屋にトビーという監視者が居るとは思っていないので先に安堵を覚えてしまう。
けれど直ぐに逆の事にも気づいた様に口を掌で押さえた]
―主人の部屋―
[触れた窓枠に赤が移った]
嗚呼。
[雨の中で燃え盛るそれが見えた時、墓守は片目を細めた。
髪の下のもう片方も、同じように細まる]
逃げましたか。
[対岸には使用人たちの姿。
一人一人の表情までは伺えないものの、先程厨房にいた者も、部屋まで共に来た年配の者も、総てが其処に揃っていた]
[開いた窓の外、やがて火は消えて、使用人たちも何処かへ消える。
墓守は窓から目を外して、主人の使っていたベッドからシーツを剥がした]
人間としては、正しい判断ですね。
[使用人としては兎も角。
皮肉も何も無く、常のような口調で呟いた。
シーツで遺骸を包み、ベッドの上に運ぶ]
すみません、御主人。
此処に来た理由を忘れ掛けていました。
[黒灰色の目は静かだった]
約束は守ります。
[もう動くことのない主人へ、常の通りに深く一礼。
血に塗れたまま、部屋を*後にした*]
―玄関前―
[焼け落ちる橋を呆然と眺めていたが、トビーからアーヴァインが死んだことを聞かされると、驚きに目を見開く。]
アーヴァイン殿が・・・亡くなられたと・・・?
[何故だ。変わり者ではあっただろうが、到底恨みを買うような人物には思えなかった。では追い剥ぎ、物取りの類いか。それとも・・・?]
ジン、ロウ・・・?
[トビーが呟いたその言葉に、必死に心当たりを探す。そう、確か人狼とか言ったか。この国に出るという、鬼のようなアヤカシ]
ではあの使用人たちの中に其奴が居ったのだな。そしてアーヴァイン殿を殺し、我らをここに閉じ込めて逃げたか。
[何という不覚。今からでは何とか麓に出る道を探したとしても、もはや下手人はとうの昔に逃げ去っているであろう]
─回想─
あらあら……ごちそうさま、かしら。
[ハーヴェイの返答>>111に口をついたのは、呆れたような呟き。
ともあれ、広間を出た後は一度自分の客間に戻り、おろしたままだった髪を結い上げる。
それから、向かうのはヘンリエッタの客間]
……エッタ様、起きていらっしゃいます?
[ノックと共に声をかけたなら、間を置いて開かれる、扉]
おはようございます……あら。
少し、リボンが曲がってしまってますわね。
[挨拶を返した所で気づいた結び目のずれ。
失礼します、と断りを入れてから、直す手つきは慣れたもの]
支度も整いましたし、広間に参ります?
皆様、もう朝食を取られていますけれど。
[リボンを直し終えた所で、こんな問いを向ける。
返された肯定に従い、付き添うように広間へと歩き出す]
……ところで、エッタ様。
ひとつ、お伺いしたいのですけれど。
[周囲には使用人の気配もない。
ならば、今が問うには好機か、と思い、先にハーヴェイから聞かされた事について問う。
誰に聞いたのか、と問われたなら、隠す事無く情報の出所を明かして]
……そんな事が。
よく、ご無事で……。
[本人から改めて聞かされた事情。
碧の瞳はやや険しさを帯びる。
しかし、これからどうしたものか、と。
そんな思案を遮るよに響く、悲鳴]
……今のは……。
[呟くのと、ヘンリエッタがすがりつくのはどちらが先か。
やがて、駆けて来る者たちの姿。
彼らが向かう先に気づいて、眉を寄せる]
……アーヴ殿に、何か?
[只ならぬ様子、過ぎるのは、不安。
しかし、それを表に出しはせず]
……広間へ、参りましょう。
どうやらここは、殿方にお任せした方がよさそうですわ。
[確かめに行くべきか否かの逡巡は決して短くはなかったが。
何かしら異変が起きているのであれば、少女を一人にすべきではない、と。
そんな意識が働いていた]
─広間─
[重い少女の足取りにあわせ、広間へと向かう。
やがて、広間にやって来た者たちから、起きている異変についての話は聞けるか]
……なんというか。
やってくれるわねぇ……。
[最初に口をついたのは、こんな呟き。
怒りや恐怖よりも、呆れや感心といったものが先に立ってしまっていた]
─広間─
[ソファーで縮こまっていると、腰を落としたギルバートと眼が合う。
かけられた声には不安げにしながらも小さく頷いた]
[他の者が広間に居ても、声をかけることは無い。
それがいつものことだと言ってしまえばそれまでだが、それだけではない雰囲気を纏っていた]
[戻って来たギルバートから水の入ったグラスを受け取ると、両手で抱えて一口含む。
口の中に残っていた胃液の不快感を、洗い流す様にして飲み込んだ]
……吊り橋…落ち、た……?
…出られ、ない……出られない……出られない……!
ギル…どうしよう……。
探さないと……見つけないと……食べられちゃう…!
[隣に座ったギルバートの腕に片手でしがみ付き、震える声で呟く。
顔は蒼白となり、恐怖の色を示している。
ギルバートに先程口走ったことを訊ねられたなら、一度答えようとする仕草を見せるも、直ぐに口を噤んだ。
視たものをそのまま口にして、酷い目に遭ったことは数知れない。
命の危険に晒されたこともあった。
それを思い出して、他の者が居るこの場で口にするのは憚られ。
しがみ付いたままで視線を床へと落とした]
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