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[立ち去るヘンリエッタを見送ってからそっとハーヴェイの方に差し出してた手を引っ込めた。]
……
[ヘンリエッタと使用人達の姿が見えなくなった頃、苦笑したハーヴェイに頭を撫でられて、かけられた言葉に俯く]
………
[返す言葉はなくぽふりと体ごと頭をそのままハーヴにぽふりと預けた]
背…5年くらい前から…変わってない…。
[囁くような小さな声であげたのは抗議の声。
少ししてから顔をあげてじっとハーヴェイの顔を覗き込んだ]
いらっしゃい…ハーヴ……。
[向けた表情は笑顔、その声は小さいながらにそれでもほのかに嬉しそうで]
あえて…うれしい……
―玄関―
[ユージーンはヘンリエッタや使用人らと共に離れただろうか。
ひらと手を振り見送って、シャーロットが体を預けてきたなら、そっと抱きしめ背を撫でた。]
そうか?なんかどんどん大きくなった気がするんだけど。
5年、5年か……
シャロをここに預けてから、もう10年以上経ったんだっけか。
[シャーロットを助けた日の事は、血の生々しさと共に覚えており、ふぅと小さく息をついた。
迎えの言葉に笑顔を見せて。]
ああ、また暫く世話になる。
館も、アーヴァイン卿も変わりないか?
あと部屋はいつもの端の部屋が空いてると嬉しいんだけど。
[そう言いながら彼女を解放すると、まずは荷物をおろしに、空きのある部屋まで*案内してもらう事にした。*]
[背を撫でられると心地いい気分に、無警戒にハーヴェイに身を預ける。
どんどん大きくなったと言われればじっと見つめたままに。ちょっと抗議をするように覗き込む目。
もう10年と言われれば頷いて返す]
………
[夢に見たこともあり、少し思い出したこともあってぽふりとハーヴェイに再度頭を埋めてからこすりつけた。
自分があの時いた場所はおそらく村でもかなりひどい状態の場所だったから。]
とうさま……元気……。
[アーヴァインのことを聞かれるとそう返して。
ハーヴェイが背を撫でるのをとめたところで自分も離れる。それが再開したばかりの時のいつもの合図だから。
次にかけられる言葉はわかる。部屋のことに関して。頷いて返す。
辺りを確認してからハーヴェイの腕を取り、いつもの部屋へと*案内した*]
―― 主の部屋 ――
[交わすグラスに揺らぐアルコールは、
語り部の口を滑らすもそれ以上のものではなく。
互いの興味を埋め合う時間は、穏やかに過ぎるも、
詩うたいには、とある一抹の不安が拭い去れず。]
[別れの挨拶など野暮なことは抜きに、
またふらりと立ち去るのも生業ゆえか。
騙らず また語らず 男は屋敷を後にする。]
[その後崖の上に咲く白い花を謡い
各地を放浪する音楽師の口から語られる
史実にかの屋敷の行く末はあるか。
しかし人々が耳にするころには、
全てはもう 過去の*霧の中*]
吟遊詩人 コーネリアスがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(吟遊詩人 コーネリアスは村を出ました)
─二階・自室─
[再びラッセルが身体を動かしたのはどのくらい時間が経った時だったか。
数刻も経っていなかったかも知れない。
身動ぎ身体を起こすと、靴も履かずに窓辺へと近付いた]
……来てたんだ。
[立ち去り行く詩人の後姿。
知らぬうちに現れ、知らぬうちに去って行く。
相変わらず不思議な人だと、その背中をしばらく見遣った]
─広間─
ええ、本当に。
[集まるのも珍しい、という呟き>>149にひとつ、頷いて。
作業に戻るセシリアには、無理に言葉をかけることはせず、窓の外へと視線を向ける。
やがて青年が厨房へと向かったなら、自身も一度広間を出て、通りがかった顔見知りの使用人に新たな来客について問う。
聞かされた名のひとつは、知ったもの。何故ここに、という思いはあるが、それは表には出ず]
ありがとう。
けれど、もう少しお喋りは抑えるべきね?
[代わりに、冗談めかした口調で余計な事まで話しそうなまだ若い使用人を諌めて、広間へと取って返す]
……覚え違いでなければ、彼のご令嬢だと思うのだけれど。
落ち着かれた頃合を見計らって、訪ねてみましょうか。
[再度、広間に入ったなら、新たに温かい飲み物が用意されている頃合か。
碧の瞳はやわらかく細められ]
あら、気がききますのね?
ええと……幾度かお見かけした事はあると思うのだけれど。
こうして、お話しするのは、初めてだったかしら?
[ゆるく首を傾げつつ、投げかけるのはこんな言葉。
肯定の言が返るなら、優雅な一礼と共に名を告げて。
再び、窓の向こうの空へと視線を移ろわす]
―廊下―
[ハーヴェイを部屋に案内すると荷物の整理とかあるからと一旦そこで別れることに。
ぎゅっと抱きついてからハーヴェイを案内した部屋を後にした。]
ぁ……
[窓の外から屋敷を立ち去る音楽師の姿が見える。
屋敷に何度か訪れたことのある人、今日も気紛れにきて気紛れに立ち去るのだろう。
挨拶し損ねたことをちょっとだけ申し訳なさそうに思いながらその姿が見えなくなるまで見送った。]
……
[音楽師の姿が見えなくなると広間に向かうことにした。]
―広間―
[広間に入ると見知った顔も見えたが見知らぬ顔も見えた。
ぺこりとお辞儀をして挨拶をする。]
………
[口元がかすかに動くだけで言葉は出ない。
声にでていればこんばんはと言っていただろうか。
使用人に暖かい紅茶のカップを渡されながらもうお加減はよろしいのですかと尋ねられる。
頷いて返事を返し紅茶のカップに口をつけた。]
─広間─
[視線を移ろわせた窓の外。
過ぎてゆくのは見知った姿]
あら。
彼も来ていたのね……なら、久しぶりに色々と聴かせてほしかったのだけれど。
[小さな声で、ぽつりと呟く。
間を置いて、開かれた広間の扉。
振り返った先には、青い髪]
あら、こんばんは、シャーロット嬢。
久しぶりに、お邪魔させていただきましたわ。
[紅茶を受け取る姿に、にこりと微笑みながら一礼する。
シャラン、と音をたてるは、銀色の輪]
[自分は子供じゃないんだと、主張する娘が愛らしく、子供にするのと同じように背を叩く。
確かにもう少女とは呼べない年頃にはなったが、こうやって甘えてくる仕草は昔と変わらない。
何も言わなかったが、怖い夢でも見たのだろうかと。撫でる手にはいたわりを込めた。]
そうか、なら荷物を置いた後で顔を出しにいこう。
土産代わりに旅の話でも聞かせようか。
[そう言うと、シャーロットに手をとられるまま、いつも借り受ける部屋へと案内された。]
―二階の一室―
[名残惜しそうに離れていく彼女を見送って、部屋に入ると背負っていた荷物を降ろした。何が入っているのか、どさりと重みのある音がたつ。
自由になった背をこきこき鳴らしながら、ふと目にした窓の隅には、白い影が浮かんでは消えて行った。
影が一体何だったか、知る術はなかった。]
[紅茶に口をつけてからキャロルにお構いなくと言う風に首を小さく振り微かに笑いかけた]
………
[確か5年くらい前からこの屋敷に来るようになった踊り子の人とか思いながら、音を立てた銀色の輪の方にちらりと視線がいき、すぐにその視線はキャロルのほうを見た。
それから他の者からも挨拶を返されていればそちらに順に視線を向け微かに笑いかけたであろうか。]
―部屋―
[客人らと別れた後、墓守はそのまま自らが生活する部屋に戻った。
窓際に行き、本を読み進める。
途中で窓の外に目を遣れば、白銀の詩うたいの背が遠くなるのを、眉を上げて暫し眺めた]
途中で降られねば良いですが。
[そう口にすれど、立ち上がって後を追う等ということもせず。
姿が見えなくなった頃、墓守の視線もまた本の上に戻った]
―広間―
[修繕し終わった本を書庫へ戻し、また別の本を抱えて戻る。
手馴れた単純作業。
気持ちを落ち着かせるためではなく考えをまとめるために手を動かす。
幾度も同じ思考を繰り返して、セシリアは手を止めた]
……考えても……わかんないよね。
[近づかないほうが彼のためでもあるのだろう。
顔をあわせたら会釈をする。それだけの関係でいい。
どうせ自分はすぐにここを去る人間なのだから]
…でも、やっぱり、本は貰ってほしい、かな…?
─二階・自室─
[詩人の姿が見えなくなった後は、庭の隅にある菜園へと眼を向ける。
風が強くなって来る中、その勢いに身を任せている作物達。
こんなに風が吹くなら囲いでもしてやれば良かったと、眉尻を下げ心配げに見つめた]
…………飲み物。
[しばらく窓の外を眺めた後、不意に言葉を紡ぐ。
継続して感じていた喉の渇きに堪えかね、再度飲み物を取りに行くことに。
先のこともあって階下へ向かうには恐怖が残ったが、広間に行かなければ良いと言う結論に達する。
靴を履き直すと、自室の扉を開けて廊下へと出た]
[言葉による返答がないのは、既知のこと。
もっとも、その理由まで深く知る意思はないのだが]
あら。
これ、気になりますかしら?
[シャーロットの視線が一瞬、腕に連ねた輪に向けられたのに気づき、首を傾げて見せる。
腕を軽く振ると、複数の輪が触れあい、澄んだ音をたてた]
[礼をするシャーロットに、挨拶の言葉と自分の名前を告げる。
言葉を発しないこの少女もラッセルと同じく人付き合いが苦手なのだろうか?
しかしその考えは彼女の微笑に消える。
セシリアはシャーロットの印象を「穏やかで物静かな人」に変えた]
風、すごいですね。
雨が降ると糊の乾きが悪くなっちゃって困ります。
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