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あ、ごめん。うるさかった?
[籠の中の蒼鷹にごめんね、と謝った後アーベルから変わらないと言われれば、えへへ、と笑ってそちらを見て。]
ベル兄も元気そうだね。
ベル兄ならどこでも大丈夫だって思ってたから心配はしてなかったけど、さみしかったよ?
―昨夜/工房『Horai』―
あわわ。お客さんにそんなことさせられないよっ。
[ライヒアルトが帰宅してから暫く後。
カルメンが食器を洗うとの申し出に、忠犬もどきは慌てた。
慌てて伸ばした手は、カルメンの肩に触れたか掠めたか。]
…、……―――!!
[自分で伸ばしたにも関わらず、少し紅を見開く。
自分の手を見詰める間に、カルメンの姿は台所へと。
台所は、工房の傍にあり、視線は台所と工房をいったりきたり。]
ううん。心配だけど、でも仕事に関しては
私はイレーネの腕を信用してるから。
覗きに行くと、多分、イレーネの自信に傷をつけちゃう。
[そわそわと落ちつきなく、けれど結局、気になるなら……と
相変わらず子どもらしからぬ言を取る少年と会話をするを取った。
おそらくは、話の流れから、夫婦間の創作に関する話でもしたか。
暫くしてカルメンが戻ってきたところで、2人に泊まるを提案した。
部屋への案内をすますと、ゼルギウスの身は工房に近い台所へと。
マテをする犬のごとく、食台の椅子に腰かけて、
そのまま、灯燈る工房を紅の眼で見守り続けた。]
―宿屋食堂―
クロエもおはよう。
なんだ、アーベル、クロエに顔見せてなかったのか。
[既に、偶然ではあるのだが、会っていた青年は
薄情な奴め、と軽い口調で紡ぎ笑う。
ユリアンの言葉を聞けば]
ま、たまには良いんじゃねぇか。
のんびりした朝ってのも。
[食事の邪魔をせぬ程度に相槌を打っていれば
クロエの後からミハエルの姿も見えて驚いた貌]
おはようさん。
若しかして自衛団に呼ばれたか?
[物言いから青年もそうなのだと知れよう]
え、あ、お、おはようユリアンさん…ご、ごめんねうるさくて…!
あ、み、ミハエル君もおはよう!
って…珍しいね?
[食事中のユリアンからおはよう、と言われるとやっと自分がどれだけ傍迷惑か自覚して赤くなりながら謝って。
ようやくミハエルにも気付けば、そちらにも顔を向けて赤い顔のまま笑顔で挨拶をしたあと、滅多にここには来ないことを思い出してきょとんとした。]
―明け方/工房『Horai』―
イレーネ……―――
[妻から名を呼ばれたのは、明け方のことか。
尻尾があるなら全開で振っているだろう態。
心配そうな表情で、おずおずと妻の名を呼びながら工房へ入った。
自ら求めるよりも前。
イレーネから甘える仕草があれば、ほうっと甘い息を吐き、
擦り寄せられた頬に、叶うなら唇の端に接吻けを。]
カルメンさんと、ミハエル君は泊まって貰ったんだ。
[問いかけに、丁寧に答えて情報を共有していく。
不安げに握られる手を、そっと握り返して。
寄り添うことで、不安を和らげようと。]
さあ、君は少し寝た方が佳いよ。
朝の準備は私がすればいいのだから。
お願いだから、君と、お腹の子の為に、無理しないで?
[その後、まだ家事をするという妻を頑として説得し
ゼルギウスは寝室へと彼女を誘った。
寝かしつける間、傍にいようとしたのが仇となったか、
見守ることで一睡もしてなかった男の身も
いつの間にか眠りの世界へと誘われて……―――。
結局、起きたのは自衛団の来訪を受けてのことだった。
ミハエルの帰宅は手紙で識るも、カルメンはどうであったか。
帰宅をしていなければ、
そのまま共に宿へと収集されるのかもしれない*]
あ、待って、そんなに引っ張らなくても、痛っ…
[華奢な身体は容易にそちら側に引き寄せられる。脚が縺れそうになったのを見た団員達は一度動きが止まるも、再び娘の手を引き宿の方へと連れて行こうとしていた。]
おにいさん達、っ…あ、歩くの早い、よ…っ
[良く解らないまま其処まで連れてこられると、外にも何人かの団員達の姿が見えて。何事かを話す様子に娘は途惑いの表情。そのうち半ば無理やり宿の中へと背を押され、娘はついにバランスを崩してへなりと床に座り込んだ。]
― →宿屋 ―
ちょっ、と…!!
きゃあ!?
[ばたん、と強く扉を閉められ、暫くは呆けたように出入り口を見詰め。その場にいた面々は、娘の声に気がつくか如何か。]
あ、小父さんには会えたんだ。
良かったね、小父さんも心配してたからきっと安心してるよ。
[アーベルの言葉にはそう言って笑って。
心配されることはないと言われれば、うん、と頷いた後続いた言葉にきょとんとして。]
きーふぁー?
って、この子のこと?
[そう言って、同じように不思議そうにしている蒼鷹とアーベルの顔を見比べてから]
この子、ベル兄の子?
―宿屋・厨房―
[それから何度か続く来訪を知らせる鐘の音に]
早めに用意しちまうか。
[簡単に作れて、つまめるものをとサンドイッチを作りはじめた]
そういえば、ゲルルンとクロっちは大丈夫だったかな?
[昨日の嵐の強さ、橋が落ちるほどのものだったとなれば、
自然と幼馴染達の安否も気にはなり]
後で確認しにいくかな。
[その安否はすぐに知れることになるのだが]
…ゲルダっ…?
[他人が聞けば誤解を受けそうな問いかけをアーベルにした所で、幼馴染の悲鳴が聞こえ。
蒼鷹の入った籠を傍にあった机の上に置き、慌てて入り口へ向かえば床に座り込んだ彼女がいて驚き駆け寄った。]
ゲルダ、どうしたの?
転んだの?大丈夫?痛くない?
― →自宅―
[ゼルギウスの言葉に甘えて空き部屋を借り、一夜を過ごし。
翌日には嵐もすっかり収まり、当人たちが起きていれば直接礼を、いなければ先に帰ったらしいミハエルと同じようにメモを残して、帰路についた。
嵐の後らしく、折れた枝や木片などが散乱する道を歩き]
……大丈夫だったみたいね。
[辿り着いた一日ぶりの自宅は特に異変も見られず、安堵の息を吐いた]
[部屋の中には昨日出た時と同じまま、人形たちがずらりと並んでいる。
一通り部屋を見渡した後で、女が向かうのは他と少し離して置かれているケースの傍。
中には白い肌を持つ細身の西洋人形が一体。
星を抱く群青の双眸は、何処か遠くを見るようで]
本当なら、昨日のうちに裁断まで済ませたかったのだけど。
ユリアンさんとも会い損ねちゃったわね。
[一糸纏わぬ人形を前に小さく溜息を吐く。
ドレスに使う布地は彼に頼んでおいたものを使おうと思っていた。
ケースを元通りの位置に収めた時、外からノックの音が響く]
[ゲルダの声に気付く少し前、ライヒアルトがアーベルに向かって薄情な奴、とからかったのを聞けば、笑いながらもホントだよねーと同意したとか。]
―宿屋食堂―
……え。
こんなに逢いたがってたクロエに挨拶の一つも無かったんだろ?
これを薄情って言わず如何するんだよ。
[クツと咽喉を鳴らしてアーベル>>189にからかいの声]
ああ、そうだ。
お前さんに土産だ。
会った時、言っただろ?
[ごそと麻袋からワインの瓶を取り出し
食堂のテーブルにトンと置いた]
お前さんが飲むもベッティに預けるもお好きにドウゾ。
――…同じだな。
やっぱ詳しい事は知らされてねぇか。
[ミハエルの言葉>>190に柳眉を寄せる
クロエの声>>192で漸くゲルダが連れてこられた事を知る。
心配する様子にゆると目を細めた]
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