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[暫くはそうやって、聞くともなしに周りの話を聞いたが。
人が増えるに連れ、居心地の悪さも増して]
それじゃ、僕は…これで。
[一言だけ言って。
何処に行くとも告げずに、すっと集団から離れた]
[掛けられた声に視線を向ける。]
あや、オトフリートさん。
って、エルザ。畑でって、マジで?
……まあ何も無かったんならよかったけど。
[と、どこか安心した様子。そして視線をミリィに向けると、]
で、さっきからミリィ先生はそこで何をしてんの。
ジーっとこっち睨んだり、びくーんと跳ねて距離取ったり。
[どこぞのと違って陰でとかそんなこと一切考えてないんで、本人前にしても取り繕いとか一切無し。]
[オトフリートにも頭を撫でられ
目を細めて嬉しそうにわらう。]
あ、せんせ…
[ミリィへと話すのに視線をつられるように移し
その様子に、首を傾けた。]
……。
[平然とした相手の様子に、気にしているのは自分だけらしいと知る。
そうなれば、ミハエルとは別の意味で居心地の悪さを感じて]
何でもない、ぞっ!
[吐き棄てるように、言った]
……長殿は、なんとも言えんな。
原状では、すぐにどうこうなるわけではないが、
いかんせん、心なくては身体も活きん。
とりあえず、身体には栄養剤を与えるが、長くかかるようでは……
そう言った事例の詳細は、そちらには置いてないのか。
[なるべく常と変わらぬように話しているつもりで、
大分早口になっていた]
あ、オトフリート先生…って。なんと地獄耳っ
[挨拶してたところで、ミリィの声を聞いて、驚く。
主に己が気づいてなかっただけでしょうとかなんとか]
って別にそうじゃないですよ。なんかあったんでしょ…色々と。その話ですよ
[すささっと下がるのを器用だなと思いつつ説明…のような言い訳]
どうもせんわいっ!
[ユリアンに返した一言は、
先の怒号より音量は格段に小さいとはいえ、
叱りつけていた者と同一人物とは思えない有様である。
しかも、まだ、オトフリートとの距離は空けたまま]
ん?…ああ、また
[ミハエルの去っていく様子からやはり何かあるのだろうと思いつつも、見送りつつ、ミリィの長の説明を聞いて、顔を顰める]
―長の家―
[目的まで案内してもらって、あるいは勝手にでも探し回り、
やがては応接室にて、長の肖像を見出して。
その画布へ手をかけ真剣に眺めやる間、
少女の翡翠の瞳が、輝き放つようにみえただろうか。
そうしてしばし、肖像の前に膝をついていた]
ギュンター、さま…。
[去っていくミハエルに気づくと軽く挨拶をしたり、
首を傾げるエルザにはなんでもないと言い張ったり、
言い訳めいたアーベルの台詞を聞いて睨みつけたりしていたが]
おとぎ話?
[オトフリートの端的な返事に、目を向ける]
はぁ…だって事実だしな
[ミリィに睨まれてもう取り繕うのもやめてそういって肩を竦める。
だって実際。自分がガキの頃からミリィの姿が変わってるように見えないのだから仕方ないし、変わらないのは俺のせいじゃない…ミリィのせいでもないだろうけど]
にしても…絵筆…探すにしてもどうすりゃいいんだか
[なんて呟きながら、ミリィとオトフリートの難しそうな、でも重要な話だな。と思いつつ。*話を聞いている*]
[スッと集団から離れていくミハエルに]
んあ? ああ、んじゃまたな。
[とそこでミリィの怒号。ちょっとたじろぎつつ]
っと、なんだよー。そんな怒鳴らなくたっていいだろ。てか、だったら何でそんな距離開けてんだよ。もっとこっち来ればいいじゃんかよ。
そんな反応してるから、あんな噂が立つって事自覚しないと。
[前述の通り噂話には冷めた目をしてるので、二人の関係とかもガセと断定済。]
ったく、年増の癖にそういうのには乙女ぶっちゃって。似合わねー。
[でも一言余計である。]
病に倒れた恋人の絵の隣に自分自身の姿を描いた絵師の話だ。
[淡々と物語の筋を口にする]
結局、絵師自身も死んでしまうという、悲惨な話だな。
無論、事実ではないが。
[集団から離れ、人知れず溜息を吐いた。
実際、やはり宛はなく。
そのまま家に戻るのも何となく躊躇われ。
『絵師』のアトリエは無意識に避けて。
結果的に事件の中心、長の家のあるほうへ近付く形となる]
[前半だけで済ませておけば、
何か言いたげにはしつつも納得しただろうに、
口は災いの元というものであった]
端的過ぎるぞ。
……。
馬鹿げたおとぎ話だな。
[言いながら、物思うように目を上へと転じる。
死者は天に昇るのだと、聞いたことが*あった*]
─長の家・近辺─
んー……。
[しばらく様子を見ていたものの、家の方に変化などはなく。
倒れた長の見舞いにでも来たのかな、と結論付けて、歩き出そうとするが]
……と、あれ?
[こちらへ向けて歩いてくる、見慣れた姿に瞬き一つ]
おーい、どしたー?
…じぶんのえをかいたら、しんでしまうの?
[きょとりと不思議そうに、オトフリートを見る。
首を傾げるさまは、とても歳相応には見えない。]
ああ、そうだな。
実に馬鹿げている。
[薬師の言葉に、薄く笑みを浮かべ、奥歯で蜜蝋をくちゃ、と噛み締めた]
だが興味深い点もあるな。少なくとも生者の心を絵に封じるという発想が、過去にもあったということだ。
普通ならば、そんな発想自体が出てこない。だが、もしこのおとぎ話を読んだ者ならば・・・
[言葉を続けかけて、エルザの問いかけに視線を向ける]
・・・・いや、それは分からないな。誰も試したことはないはずだ。
少なくとも、記録ではそうなっている。
[気付くのは遅くて。
声を掛けられて、びくりと身を竦ませた]
っ
兄さ…
[今一番会いたくなかった、その顔をまともに見れず。
視線は少し彷徨う]
……?
どうか、したのか?
[視線を彷徨わせる様子に、感じるのは微かな違和感。
弟がこんな態度をとるのは珍しく、何かあった、というのはさすがに察しがついた]
[ミリィによるハリセンすぱーん。]
ってー。いきなり何すんだよ。
[頭を抑えぶーたれつつ、]
……てか、そっか。じっちゃんの具合ってあんまよくないのか。
そりゃ、肉体と魂が離れるなんていい事あるわけないんだろーけど。
[いたって真面目な事を言う。まあ本人にそこら辺の区別は無いわけだが。]
[オトフリートの言葉に頷いて
視線があうと、にっこりと笑った。
ミリィのハリセンを、興味深く見て思わず手を伸ばしながら、
ぶーたれるユリアンの顔を見て、声を立てて笑った。]
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