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[ぐるぐると意識が回る]
『光が何よりも輝いて見えるのは』
[懐かしい人の声]
『自身が闇の中にある時だ』
[断片的な記憶]
『闇が一番恐ろしく感じられるのは』
[纏わりつく影]
『光が失われようとする時だ』
状況が状況だしな…考えるな、って方が無理なんじゃね?
[ゼルギウスが片付けを始めるのに手を貸して]
結局、エーリッヒからは何も聞けなかったんだよな…
何か知ってたのかもしれないのに。
[血を吸い込んで重くなった毛布を抱え、隅のほうに放って]
これじゃ布が足りないんじゃねーかな?
持ってきた方がいいか?
[すぐに血を含んで色を変える布を摘み上げて]
─広間─
[一生懸命に返事をするロートスに、カルメンは満足げに笑んだ]
おそろいー、すきー。
カーラ、みんな、と、ちがう。
だから、おそろい、あるの、うれしい。
[眼が見えぬことを言っているのだろう。
その引け目があるために、他と同じところがあると嬉しく思うのだ]
どだいー、ととのえる。
じょうず、できた?
[影に怯えて。逃げて。逃げて。逃げて]
『クロエってのはどうだい』
[温かい人の声]
『一度死んだようなものだろう?』
[光が差し込んでくる]
『クーリェ』
[手を伸ばそうとして。動かない]
まぁ、確かに俺がオオカミさんなら、ハインリヒのにーさんは後回しにするね。
俺、あらゆる意味で、食うなら別嬪さんがいーげふごふ。
[死体の横に立ちながら、それでも平然と笑い。
冗談も告げる]
…んぁ、何?
まさか告白めいた話でも期待したわけ?
[最後の一言には、軽く肩を竦めるのみ]
[変人という言葉には、誤魔化すような笑みを浮かべつつ]
んじゃあ追加の布は任せていいか?…俺はその血濡れのやつを洗いに外にでもいく
布も無限じゃないしな
[とハインリヒにいって、血塗れの布を抱えるようにもっていったのであった]
あは。
冗談、ですよ。
人狼の振りなんて、御免です。
……見つけたら、縊り殺してやります。
[ふっと声を低くした]
犬なら怖くない。
狼は怖いですか。
[そういうときには、明るくなっていたけれど]
それじゃ、行きましょうか。
[比較的綺麗な布を手に取り、廊下へと出る]
[血濡れの布を抱えながら、階下…そして外へ出るために足を向ける]
(「人狼にとって極上の「餌」……なんだと。」…か……なーんか…人から聞いたような口振りは気のせいかねぇ…やっぱり餌を狙っていったなら誰かが餌とわかったから襲ったのだろうかなぁ…
魚と同じように人狼もさばけるかなぁ)
[単なる素朴な疑問を口にするように変人と思わせる言動を行った脳裏にそのようなことをつらつらと考えながら]
だーかーら、俺が脱がしたがるのは別嬪さ、げふごふ。
[棒読みな言葉には、つきあい程度に言葉を返し。
正常に云々の言葉には、軽く肩を竦めるばかり]
おお、行ってこい。
[立ち去るのなら、それを留めはしない]
…っと。びっくりした。誰だ?
[階段から降りたところで、人がいることに気づいて体をずらすように動かしたが、布を抱えているため誰かは見えておらず聞いた]
護り手、ね…
[ダーヴィッドの声にポツリと零す]
別にお前に食われなくても嬉しくないし。
……あらゆる意味で、って微妙に違う意味に感じるんだが。
[からかうようにそう言って、最後の言葉には]
お前が告白とか…怖いこと想像するから止めてくれ。
[半ば本気で肩を竦めた]
じょ、冗談ですか…
[本気で安心したらしく、ほっと息を吐いた。
最後の低い声にびくりとして、そっとゲルダを伺うように見たけれど、次の声は明るくなっていた]
…はい、です。
[うなずいて、廊下に出てから]
狼は、怖いです。
でも、見つけなきゃ、だめです。
…ごめんなさいです。
[先程の言葉への答えか、呟いた後で。
小さく謝罪を口にした]
─1階・広間─
[共通項を好む理由に、一つ瞬く]
……そか。
だよなぁ、同じとこ。
あると、嬉しいよな。
[他者と違うと言われた過去が、ふと、過ぎる。
『陸』の神を──その信徒を、嫌う所以。
ふる、と首を振って、それをふるい落とす]
ん、できた、と思う。
[言いながら、ふと思いついて立ち上がり、カルメンの側へ行き、星の細工を握らせる]
触って、わかっかな。星の形。とんがりが五個。
その声は。クロエさんか。
いや、別に邪魔ってわけでもないが、単にびっくりしただけだしな
[と、謝る言葉には気にしてないようにいいつつも、抑揚の乏しい言葉には首をかしげたが]
…暇か?…なら手伝ってくれね?これ、洗い流すの
[と、血濡れの布を示し言う]
[ゼルギウスが汚れた布を抱えて部屋を出るのに]
それじゃ、後で取ってくるな。
[と返事をしてダーヴィッドのほうを見る]
それじゃ、ちょっと新しい布探してくるけど、お前はどうする?
そォね。新しい布いるかも。
俺も、運んだ方が良い?
それとも、皆に伝えに行くべきかね?
[とりあえず、同じくここから出るべきかと扉を向く。
護り手と反芻するハインリヒに、ちら、と眼だけを向けて]
嬉しくないまで言うかね?良いけど。
…まぁ、だいじょーぶ。
きっとハインリヒのにーさんは、オオカミさんには喰われませんよっと。
だから、ヒトにだけ警戒すると良い。
[揶揄う声音に、さらりと冗談のように言葉を返す]
告白には、他にも意味があるだろうけどねぃ?
そのどちらもしないから、安心してくれって。
どうして、謝るんです。
……ロミルダちゃんが犯人とかですか。
[階段傍の二人には気づかずに。
広間の近くを過ぎるとき、中に誰かがいるのは見えたし、聞こえた声から誰であるかの想像もついたけれど、足を止めることはしなかった。
扉から外へと出る。
傍に見張りがいないのは恐れをなしたか。
ただ、視線だけは痛いほどに感じて、目を向けると、ある程度の距離を置いた位置に人影が見えた。相手からは、服や手に付着した血までは、それほどの量でないこともあり、見えていないようだった]
……お望み通り、犠牲が出ましたよ。
「壊れた」ものに罪はないでしょう。
弔いくらいは、してください。
[そんな声を投げる。
答えを待たず、水辺へ向かった]
─広間─
うん、うれしい。
[返答に少し間があったユリアン。
けれど違和を気付ける程では無く。
同意を貰うと喜色を浮かべた]
ほし?
とんがり、ごこ。
[握らされた細工を両手で包み。
掌や指に触れる尖りの数を確かめる。
抽象化された星の形なんて知らなかったけれど、丁寧な手つきで触ることで粗方の形は理解した]
うん、わかるー。
かたち、きんいつ。
おぉ。助かる。一人で全部洗い流すのは手間かかるしな
[両手が塞がっているので、布はとるぶんにまかせれば、やっとクロエの顔が見えて]
…知らなかったか。…隠しても仕方ないから言うが、エーリッヒさんが自衛団長と同じように殺されててな。
これは…その血を吸った布だ
─集会所1階・産室─
[ヒカリの泣き声で目が覚める。気が付けばもう朝になっていて]
…いつのまに、寝ちゃったんだろ…
あぁ、ごめんね。
おなかすいた?それともおしっこかな。
そういやおむつや服も縫ってあげないといけないね。
[泣くヒカリを抱き上げ、おしりが湿っていないのを確認すれば空腹なのだろうと判断し。
そのまま広間へ向かって手の空いている人にヒカリを任せて水飴か何かを用意しようと思い部屋を出て]
んー
[少し考えて]
お前はみんなに報せてくれるか?
ゼルギウス辺りが言ってるかもしれないけど。
[ダーヴィッドにそう頼んで]
…どういう根拠だそりゃ。
ま、俺を食う物好きな狼がいたら会ってみたいがね。
…人、か。覚えておくよ。
[相変わらず微妙な笑みを浮かべたまま]
…安心しておくことにするわ、うん。
[そう言って、エーリッヒの部屋を後にして]
[そこで、ゼルとクロエの会話が耳に入る]
………ぇ…?
エーリッヒ、さんまで?
…ゲルダさんは、だいじょうぶ、なの?
[思考が追いつかなくて、その場に立ち止まった。
ただ頭の中に浮かんだのは、エーリッヒを慕っていただろう、少女への心配。]
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