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どうみてもコントロール出来てないな……。
今ははなが側にいるからなんとかなっているけど。
どうも「相思相愛」にはきちんとなれてないようだ。
[意味不明なことを口走る]
今思い返すと、僕が感情的になると、
風が吹き荒れたりしていたなあ。
前はアマンダさんを不愉快にさせるぐらいだったけど。
ここ最近は特に不安定だ。
「鍵の書」が奪われてから、特に。
[と...はいきなり渋い顔をした]
[広場のそばを通りかかると、花壇から昨日の花はもう消えてしまっておりました。そこを過ぎて、いつものように「Kirschbaum」へと向うのです。西の通りでは、春の匂を運ぶ風がそよと吹いて、花がちらちら舞っていました。]
[...の顔が半泣きから一気に笑顔になった。
その百面相を見るものはいないのは幸いか]
いくらなんでも自分の引き起こした風で、
枝から落ちるとか「風の申し子」として有り得ないだろう。
それにこの二三日の異様なほどの食欲と眠気。
せめて足を引っ張らないようにしないと。
……でも、どうしたら風をうまくコントロールできるんだろう?
[...が首を傾げると、また風が一段と強くなった]
[ブリジットとの帰路。未だ彼女の頭には煩わしい残響が響く
だがそれをブリジットに悟られないように気を張り、覗き込む彼女に苦しげにも笑みを返す
彼女からの休憩の提案には体の方が求めるか]
[ぱさぱさと髪と服とが靡きました。少し考え込むように首をかたむけてから外れに向って通りをあるいてゆくと、町のシンボルでもある巨きな桜の木に行き当たります。お花見をしている人は、今日はほとんど居ないようでした。]
―西の桜―
[突然、桜の木の上の方がわさわさざわめき出す。
風が突然桜の木から生まれ、枝を揺らす]
[三つ花の蝶が避難するようにひらり。
そのままベアトリーチェの目の前までやってくる]
[すこしやさしくみえる微笑みはどうやら意地悪もまざってはいるらしい]
桜、みにゆこうか
[Kirschbaumの庭の桜はだいぶ散って、新緑が鮮やかだ。
あの樹は今はまだ綺麗だろう]
−現在/Kirschbaumの桜の樹の根元−
[Kirschbaumでブランチを取り、ユリアンから昨夜の出来事を聞いた後、アマンダは桜の木の根元に寝転んで、瞼を閉じていた。
安定を欠いている西の桜の大樹に枯渇したまま近づいては、余計に均衡を崩しかねないとの判断だった。
アマンダは目を閉じて均衡整った大地から力を分けてもらいつつ、先程の話を思い浮かべる。誰かがその表情を見たなら、哀しそうに見えただろう。
大地の育む樹の命が無駄に奪われた事も、友人であるイレーネを同じく友人と思っているティルが傷付けたというのも、どちらもアマンダにとっては辛い事]
…どうして、こう…なったのかな……?
鍵があったのは、もうずっと前からなのに…どうして…?
[呟いても答えは返らない]
[ひらり、降りて来る蝶に、緑の眼を大きく開いて、閉じて、またたきをします。てのひらで小さな器を作って、それを受け入れるように手を延ばしました。]
……翠樹の力?
[ぽつん、確認するように云ったのでした。]
はな!こら!逃げるな!
[蝶が飛んでいった方向、下の方を見ると
ベアトリーチェがいるのが目に入り]
ベアトリーチェ、こんにちは。今日はお花見?
大分桜散ったけど、まだ綺麗だろ?
[桜を散らした原因の三分の一ぐらい責任があるくせに、知らない振りして笑った]
[アマンダは、枝を揺らす風に茶色の目を向ける]
ユリアン…?
[不思議そうに呟くも、動こうとはしない。
もう少し、力を満たしておくつもりなのかもしれない]
[上から降ってきた声に顔を挙げると、そらよりもあおい髪が眼に入りました。]
こんにちわ、ユリアン。
風が吹くのに、誘われて来たんだ。
[それはつまり疾風の力を感じ取ったということでした。そばに近寄ったのなら、魔法を使っている訳でもないのに、ベアトリーチェのからだを天聖の力が薄く纏うように包んでいたのがわかるでしょうか。]
─桜の木の下─
[風に舞う花びらは、静かに地面へと舞い落ちて。
手に残る冷たい感触は、まだそれが残る限り、冷静で居られるように思えた。]
…アマンダ?
[いつもと同じ姿のはずの彼女から、感じる雰囲気が違うのは何故だろう?]
―Kirschbaum2F・西の部屋―
んー?
……痛っ!
[あれからKirschbaumまで戻ってきて。
その時には1Fにはもう誰もいなかったのでそのまま自分の部屋へと戻った。
均衡の取られている空気にホッとしてそのまま寝台に潜り込んだわけなのだが]
うー?
[涙目で見れば、両手が真っ赤になっていた]
[アマンダは、振り返ったティルに微笑んで手を振った。
アマンダとユリアンがKirschbaumに来た時、彼は疲れて眠っていただろうか――もしかしたらユリアンとお話中だっただけかもしれない]
ああ、うん。私だよ。
こんにちは、ティル。おはようかな?
どこか、お出かけ?
[その目は自然と失われた腕へと向いていただろうか。
アマンダはさっきまでティルがその腕を失ったと知らなかったから]
「風が吹くのに誘われた」ね……。
こちらとて意識して風を吹かせたわけじゃないんだけど。
[...は枝からよっこらせ、と飛び降りた。
風を使ってふんわりと着地する……予定だったのだが。
落下するスピードは変わらず、
そのまま重力に引っ張られた。どすん]
……痛っ!
[今までと違う意味で涙目]
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