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――… 石化したものは
[詰まる。]
… 「助けられない」
――… ピューリトゥーイの中和剤は
…「無い」
――… ゼルギウスは
……「研究所に、 居る」
……「待って いる」
─研究室─
[やや遅れてやって来た場所。
画面に映るのは、銀髪の後姿。
投げかけられる問いに対する答えたちに、は、と一つ息を吐いて]
……これに、答える気があるかはわからんが。
ピューリトゥーイを始めとする数種の薬。
それは、何を目的として作られた。
単なる治癒薬生成の過程で生み出されたものとは、とても思えんのだが。
[研究資料の紛失と、発見。
それがなければ、浮かばなかったやも知れぬ疑問を。
画面を睨むように見つつ、淡々と投げかけた]
[ピューリトゥーイを始めとする数種の薬。それは、何を目的として作られた。]
他ノ目的(ぷろじぇくと)ノタメニ
[銀の髪が笑ったかのように揺れた。]。
[ブリジットが画面に出た問いと答えを読み上げる。
二つ目の答えに、杖を握る指の爪が、キリ、と杖を傷つけた]
……そう、なのね。
[石になった姿。もう戻らないと、あきらめていたけれど、それでもやはり落胆は大きく。
耳を通り過ぎる、ライヒアルトの問い。
小さな咳が、又漏れた]
─研究室─
……他の目的の……ため。
[笑うような仕種と共に、返される言葉>>#8。
天鵞絨に宿るのは、苛立ち]
つまり、この場所は治癒目的だけでは、なく。
それ以外の用途を意図して作られた場所である、と。
そう、捉えて間違いないという事か?
[再度の問いは、確かめるよに。
意識の隅を過ぎるのは、不正、癒着──ヘルムートから聞かされた幾つかの事]
―――ッ!!
[笑うように揺れる銀髪。
いばらの葉に似たいろの
眼を見開くは怒りにか。]
私たちは
実験動物ではなくてよ…。
[最初は知らない。
その意味するところは―――]
ゼルギウス
―――御前は何者なの
───。
[読み上げる声]
[シャッターを切る手を止める]
───現在と昔で、意図が違うと?
[軽く瞬き、首を傾げる]
[声で届くのかわからないのだけれど]
─研究室─
……最初は、知らない。
初期は、治療施設で間違いなかった、と。
つまりは途中から、それ以外……他の目的のために。
使われる場所になった、というわけか……。
[零れ落ちるのは、嘆息。
天鵞絨は、僅かに伏し。
ブリジットの投げた問いに、ゆっくりとそちらへ焦点をあわせた]
[しゃがみ込んでいたらライヒアルトに抱えられた。ごめんねと言おうとしたけど、唇が動くだけ。
今、一番欲しいぬくもりに触れた事で気持ちは落ち着いたけど、体は。
右手が未だ動く代償のように下腹が重い。
研究室に運び込まれ、モニターを見つめる。ゼルギウスへ言いたい事は罵る言葉ばかりだから、質問がある人の邪魔をしないように黙っていた。]
治療の為じゃ、無かったなんて。
[少しでも良心や善意があるかもなんて、甘すぎる考えだった。
目覚めてからの事を思い出す。]
一体、あたし達になにをさせたかったの。あなたの望みはなに。
[銀の髪の後ろ姿を睨みつけた。]
アーベルさんも来たのね。
何だか、興味なさそうに思ってたの。
[シャッターを切る音とアーベルの声。後はあの二人だけと、あの部屋に残してきた二人を思った]
二人とも、大丈夫、かな…。
[咳混じりに呟く]
興味?
[ベアトリーチェの言葉]
[苦笑]
知っておくことは───悪いことじゃないでしょ。
[頭を撫でる]
[未だ、右の手は動く]
[正確には]
[右の手が動くようになった、だが]
……だんまり、か。
[何者かという問いへの答えはなく。
ナターリエの投げた問いへの答えに、天鵞絨は細められる]
……は。
仕事熱心なのは勝手だが、な。
人の研究成果を利用してまでやるのは、感心できんな。
[浮かぶ憤りの一端は、研究者としてのそれ]
[シャッター音にはちらと
いばらのいろの眼を向けるが
重なる問いかけに
またモニターを見て]
―――答えなさい。
[しかし返るのは違うもの。
ベアトリーチェの呟きには瞬いて。
――ヘルムートとダーヴィッドがいない。]
[眩暈。よろめきそうになりながらも踏ん張る。]
何様よあなた。誰にも誰かの命を自由にできる権利なんか ない!
[声を荒げて叫んだ。バンドの数値が上がった事は見なくてもわかった。]
―――
[実験材料。
人を人と見ない発言。
この力も、この糸も彼らにとっては
唯の観察対象でしかないのかと
思えて、―――]
……
[皆の問いに答えていくのを聞きながら]
研究所に行くためには?
[苛立ちを抑えるような声で問う。]
[荒げられる声。
振り返り、よろめく様子が目に入ったなら、迷う事無く伸ばされる、手]
……落ち着け!
この手のヤツは、怒ろうが嘆こうが気にも留めん。
[場合によっては、それすらも『観察事項』とすら言いかねない、とは。
さすがに、言葉にはしなかったが]
身体に負担、かけるだけでいい事なんてない。
……無理、するな。
……どうせ、ここで『他の目的』について聞いても、答えはせんだろうが。
[『モウイイデスカ?』という表示に、低く吐き捨てる]
……なら、直接聞きに行ってやるさ……!
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