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研究者 スティーヴ は 軍人 カルロス に投票した。
少年 オーフェン は 通信士 ノブ に投票した。
軍人 カルロス は 研究者 スティーヴ に投票した。
航宙士 エリカ は 軍人 カルロス に投票した。
通信士 ノブ は 研究者 スティーヴ に投票した。
軍人 カルロス は村人達の手により処刑された。
次の日の朝、研究者 スティーヴ が無残な姿で発見された。
現在の生存者は、少年 オーフェン、航宙士 エリカ、通信士 ノブ の 3 名。
─ 第二階層・集会室 ─
[彷徨った挙句、誰かが放った銃の音に驚いて撃ったのはノブに向けてだった。
だが狙いは大きく外れてしまい、それが命を奪うことは無かった。
初めて目を開けたまま、人を撃ってしまい。
ノブに向けて撃った事を知れば身を強張らせた。
謝るわけにもいかず、だからといって無かった事にも出来ず。
責任を持ちなさいと、言われたことがふと過ぎる。
だがそんな衝撃も、次に来る衝撃にかき消されてしまうのだが。]
― 第二階層・集会室 ―
[腕を持ち上げて引き金を引く。
それはジョエルを撃った時のように、機械のように正確に]
!?
[右胸を狙ったレーザーの出力は前二回よりも下げてあった。
即死させたくない理由があったから。もう一条の光線も、重傷は負わせるものの同じような意図で放たれたはずだったが。
自分も狙われたために、それを確認する余裕は無かった]
グッ。
[蟀谷を掠めてゆくレーザー。
出力の違いか、焼き固められることはなく少々派手な出血を伴う。眼鏡も吹き飛ばされ流れ込んでくるものに片目を瞑る]
─ 第二階層・集会室 ─
[向けられていた視線>>4:147には気づいてはいなかった。
狙うと決めた相手の能力を思えば、集中を欠くのはいただけない、と。
そんな、スラム暮らしの経験が、そちらには意識を向けさせず。
黒銀が上がるのは、似た形状の電子銃が同じ相手に向けられる>>4:149のよりも、遅いタイミング。
それでも、引鉄を引くのに迷いがないのは、変わることなく。
こちらから撃たれる事は予測されていなかったのか、位置取り的に、銃口はスティーヴに向くと思われたのか。
いずれにせよ、黒銀からの一撃はスティーヴと撃ち合う形のカルロスを捉えて真紅を散らし、そして]
……っ!?
[二つの異なる衝撃に撃ち抜かれ、崩れ落ちる、その身体には。
今までは見られなかった『異変』が起きていた]
ちょ……これ、て……。
[ちょっとの事では、動じないのは、ある意味では自慢だったのだが。
さすがに、この『異変』は──アメーバ状のものへの変容は、直視するのは、ちょっと辛い]
……これ、ちょ、見るのもけっこー、キツイんですけど。
[場違いだ、とは思う、けれど。
そんな呟きでももらさないと、色々とやっていられそうに、なかった**]
[撃ったのだから、撃ち返されて当然のこと。
殺すまでに時間を稼ごうなどとしていたのが仇になった。
左目を拭って顔を上げた時には、スティーヴの鋭い視線に射抜かれていた]
カハッ。
[旧式銃の形をしたその銃口から走った光によって左胸に灼熱感。
しかしエネルギー残量が不足していたのか、傷が響いて急所の狙いがズレたのか。命の炎を吹き消すまで至らずに]
─ 第二階層・集会室 ─
[傍に居た父親が、倒れるのを、はじめ夢でも見るように見ていた。
とーちゃんは強いから死ぬはずが無い、そうずっと前から信じていたのに。]
とーちゃ……。
[駆け寄れも出来ずに、倒れる父親の隣に立ち尽くしたままで。
大好きだった父親は、どろどろに溶けていく。母親のように、綺麗なままでない。]
にせ、もの
[父親が父親じゃない
「本物は無くなり偽者だけとなる。」そう言っていたのもスティーヴだった。]
あ………あ………
[「考えろ」、の棘が痛い。
顔色は見る間に真っ青になり、かたかたと身体を震わせながら、義足が壊れても構わないといわんばかりの勢いで、集会室から逃げ出そうとした*]
[こちらも二度目の引き金を引いていた。
最初の狙いから横にずらして、その左胸、心臓を狙って。
見事に撃ち抜けたのは偶然の産物だった。
出力が低くても与えたショックは最初の一撃よりも高かったはず]
………。
[フラフラと近づいて右手をスティーヴの傷に差し込んだ。
指が食い込み、鼓動が止まったばかりの心臓を取り込んでゆく。
そこから手を離すまで、エリカとオーフェンの意識はカルロスだったものに向けられていたようで]
『現在の船内の生存者はOrphen=Balada、Erica Kirchenlied、Nob Oswald Voland Akatuki、以上3名となります。
PMC反応有り、まだ船内に存在します。引き続き臨時プログラムを続行します』
[その場で起きる喧騒もなにもかまわずに、生存報告の放送はいつもと変わらない機械音声を響かせていた]
─ 第二階層・集会室 ─
[その可能性を考えて、銃口を向けた、その結果。
だから、これは、正解を引き当てた結果、と言えるのだが]
……く。
[それなりに修羅場は見ているが、さすがに人がアメーバ状に溶けて崩れる様子などは初めて見る。
そちらに意識を奪われていたためか、もう一つの銃撃戦とその結果>>6にすぐに意識は回らずに。
走り出そうとするオーフェンの足音>>5に我に返り。
そこでようやく──もう一人の死者に、気づく]
……っ!
学者のセンセ……? なんで……。
[二人に撃たれたのは、視界に入っていたけれど。
予想外の状況に思わず呆然と呟いていた。
しかし、今は走り出した少年を一人にすべきではない、という意識が先に動いていた。
だから、引き止めるべく走り出そうとした矢先、向けられた視線>>7に、ひとつ、瞬く]
─ 第二階層・集会室→通路 ─
[捕まえきられなければ走り抜け、通路をがむしゃらに走る。
足ががしゃがしゃ嫌な音を立てても構いはしなかった。
なんでとか、どうしてとか、そういったもので頭を占められていたが、放送>>#0は勝手に耳に入ってきた。
変わってない放送、3人の名前。
そこにスティーヴの名前が無かったから、ちょっと顔が歪んだ。]
ふがっ!
[半端に直された片足が、途中で縺れて転んで顔から床からぶつけた。]
……………。
[痛い。顔を打ったのでくらくらして、星が飛んだ。
それでも何でか、泣きはしなかった。
廊下にべっしょり倒れたまま、顔だけ上げる。
鼻から打ったので鼻の頭が真っ赤になっていたが、自分じゃ見えない。]
─ 第二階層・集会室→通路 ─
……迷うてる場合じゃない、わね。
[戸惑いの時間は、短かった。
まだ終わっていないなら、残ったどちらか、という事にになる。
自分の中の仮説に沿うなら、選択肢は明解。
だから、躊躇わずに走り出す。
自分が死ぬのも、オーフェンが死ぬのも。
選択肢として、選べない、から]
まー、問題は、あっちがどう思うてるか、かだけど。
それこそ、やってみん事には、ねぇ。
[そんな呟きをもらして、通路を走る。
しん、と静まり返る通路。
空気が、重い]
─ 第二階層・通路 ─
(おっちゃんも死んだのにまだとか言ってる。)
[くらくらする頭の隅がそう告げる。
つまりは、ノブかエリカか、どちらかがPMC。
―――父親と同じ偽者。
だというのは子供の頭でも理解できる。
だが子供にどちらが偽者なのか、見分けがつくはずがなかった。]
……いたい。
[ようやく口にしたのは痛みを訴える言葉。
顔もだが、胸の奥がひどく痛かった。]
─ 第二階層・通路 ─
分からないか。
[胸を押えていた右手は緋色に染まっている。
左手には銃を握ったまま、けれど銃口はまだ向けていない]
オーフェン。
銃はむやみに使うなって言われていたよね?
使う時には迷うなって。
[それは少年の父親が、銃を持たせる時に言っていたはずの言葉]
怖いのなら、撃った振りだけしていればいいんだ。
それでシステムは誤魔化せる。
[内緒話のように小声で。
冷たい目の下で口元は笑って言った]
後は私が、なんとかするよ。
─ 第二階層・通路 ─
まったくだね。
誰を信じればいいのか。何を信じればいいのか。
[追いついてきた航宙士に視線を投げる]
殲滅プログラムなんてものまで用意されたから、ゆっくりと検討する時間もなくなった。
PMC排除のための必要性を認めないとは言わないけれど。
用意周到すぎたと思わない?
まるで、こうなることを分かっていたようにさ。
─ 第二階層・通路 ─
[一番信じていて、大好きだった人が嘘だった。
いつから嘘だったのか、どこまで嘘だったのか、もう解らない。
優しいノブが好きで。
尻尾のあるエリカも嫌いじゃない。
怖いと思うのは、
偽者だったと、失望するのが怖いから――。
何を信じていいのかわからない。縋りたい人はもういない。]
………
[「とーちゃん」と、いない人の事は呼べなかった。
ずる、ずると、ゆっくりさがって、起き上がろうと身体を捩る。]
[少年>>21の謝罪にはゆっくりと頷いた。
許すかのように。あるいは大丈夫だと言うように]
宇宙船という閉鎖空間で、わざとPMCを逃がす。
それこそ小説のような話だけれど。
実験としてはありなんじゃないか、なんて思ってさ。
[銃を握る左手はまだ下げられたまま。銃口は床に。
右手は胸に当てたまま、航宙士>>20に答える。
「ノブ」らしい口調を保ったまま]
だとしたら、最後は殲滅プログラムで終わる、とは思えない。
実験に使ったPMCのことも、回収できるような何かがある。
そんな可能性を考えていたんだ。
[ありえない話をもっともらしく。
それは「ノブ」もよく使っていた話術]
……まぁ、確かにねぇ。
ここまで非現実が続くと、そんな可能性もありかなあ、なぁんて。
そんな考えも浮かぶけど、ね。
[淡々とした口調を崩さず言って、目を細める。
向ける視線は、真意を探るようなもの。
黒の猫尻尾が、思案するようにゆらり、揺れる]
……けど。
ウチ、そういうご都合主義は信用しないタチなんよねぇ。
それに……。
[ふと、思い返すのは、先に通路で交わしたスティーヴとのやり取り]
そんな都合のいい裏があるんだとしたら。
……あのセンセがあそこまで必死になる必要って、ない気もするし。
それこそ、てきとーに死んだ振りでもして、やり過ごせばいいんじゃないの?
エリカちゃんらしいお言葉で。
[ご都合主義と切り捨てられ、模倣ではなく苦笑が浮かぶ]
必死でなかったら、もっと早くから疑ってたよ。
死んだふり?
……それは思いつかなかったな。
念のためとかでトドメ刺されたら怖いじゃないか。
[軽く首を傾げて。感情の浮かばない眸は真意を読ませ難い]
オーフェンはどう思う?
そんなにご都合主義な考え方かな、これ。
まあ、スティーヴ先生がPMCじゃなかった時点で、色々間違ってる部分はあるみたいだけど。
[できるだけ軽い口調で少年にも声をかける。
ちゃんと気にしているのだと見せるために。答えを強く希求してのものではなかった]
夢だけでできる仕事しとらんもん。
ウチら航宙士が『現実』見んかったら、どないするん?
あるかないかの可能性に賭けて、乗員を犠牲にする道を選ぶ事はできんのよ、ウチらは。
[勿論、例外的に賭けに出る事はあるが。
それを行うにしても、最低限の確実性は求めるように。
それが、自分の教官の持論だった]
そりゃ、ふつーは思いつかんわねぇ。
システムの目ぇ誤魔化す必要があるんだし、どんだけ面倒なんだか。
……ま、死んだ振り云々の話は、どーでもいいわねぇ。
[真意の読めぬ瞳。
は、と息を吐いて、一瞬だけ目を伏せる]
……にーさん、ウチな。
生物学者とか、研究者とかって肩書きつく相手は、まとめて嫌ってた。
絶対信用なんかしてやるもんか、ってずーっと思っとった。
[その辺りは、常の態度からも読み取れる事だったろうが]
……だから、あの学者センセも、最初は疑っとったよ。
けど。
さっき集まる前に、サシで話して。
……学者は嫌いだけど、この旦那は信じてもいいな、ってそう思えたんよね。
…………けど。
[目を伏せたまま、綴る言葉は、そこで一度、途切れた]
『まもなく皆様に一斉射撃を……』
[臨時プログラムの放送は途中で途切れ]
『まもなく、当選は目的地の宇宙港******に到着いたします。
各員所定の配置についてください。』
[目的地への到着が近いことを告げる放送が流れた]
[ご都合主義。そう、そんなものはない。
何故ならこの状況の原因は自分だから。
同種が船内に運ばれた時から、特にそれが逃げ出してからは。
どうにかして「同胞」にできないかと刺激をしてきたのだから。
殲滅プログラムから逃げるにはどうしたらいいか。
「ノブ」の知識の及ぶ範囲で艦橋のメインフレームに仕掛けてきたカウンタートラップが働けば一番良い。
それがダメならば。仮死状態の肉体に潜り込む。
一種の賭けになるが群を崩せば、最低限の継承だけで諦めれば可能性はあると思っていた。でなければ此処にも居られなかったはずだから。
殲滅プログラムが解除されたとは限らない。
狙うのは航宙士の身体]
……さすがに、十の歳で嫁にいけん身体にされちゃ、好きにはなれんわ。
[さらり、と問題発言含めて言って。
響く放送に、伏したままの目を一度、閉じた]
……けど、なぁ。
今のにーさんは、考えの底が見えん。
曖昧な物言いされる事多いなぁ、て、前から思うてはいたけど……ま、それはそれ。
少なくとも……今のアンタの提案に乗っかって、危ない橋を渡るのも、オーフェンくんに渡らせるのも、ウチには選べん、ってこと。
[言いながら、組んでいた腕を解く。
右手の黒銀は、迷う事無く、同僚へと向けられた]
ウチの考えと選択肢。
……御理解、いただけますかしらぁ?
[何を信じるのか、誰を信じるのか、何をすべきなのか。
「考えろ」
胸に刺さった棘は抜けない。
逃げることを許さないように、じぐじぐ痛い。
だから考えた。
ありったけ考えた。
今までの事を、全部思い出すように。]
は?
……そりゃあ、また。なんていう。
[さらりとした問題発言を聞いて。
「ノブ」の思考をトレースしていたが為に、呆とした声を上げた]
……そりゃ、見せてないもの。
危険だと思ってる対象にはさ。
よーく分かりましたよ。
[クッと笑っい。
航宙士の腕が解かれるのと同時、こちらも左腕を動かす]
[エリカとノブの会話をきいて。
エリカとノブが、互いに銃口を向け合うのを見て。
ポケットから、玩具のようなレーザー銃を取り出した。
子供の服は柔らかく、音を立てずに人を傷つける機械はそこから取り出される。
目は閉じない。
表情には脅えは沢山残し、手は震えたまま。
だが明確に、
意思を持って。
銃口を向けた先は――――]
[横目にオーフェンの様子を見た後、エリカへと銃口を向け。
その途中で通路の壁に打ち込まれているエンブレム、星のマークに「希望」と文字の入ったロゴが眸に映った]
――adeus.
[さようならと笑い]
……信じてる。
[自分の唇が紡いだ言葉に驚きの表情を浮かべた]
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