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この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
1人目、占星術師 クローディア がやってきました。
[どうかしたのか、という声が耳に届く]
……あ、ごめんなさい。
[鉱山の入口、作業小屋で彼女はハッと顔を上げた]
いえ、何かについて占ったというほどではないのです。
感触を確かめようと思ったら、少し気になる星が浮かんで……。
[後でゆっくり占ってみます、と小さく微笑む]
……この石を選ばせていただきますね。
いつもありがとうございます。
[構わんよ、と笑う鉱夫。
丁寧に頭を下げると、彼女は石を手に村の方へと戻った]
[やがて村の広場へと辿り着き、宿屋の扉を潜った]
こんばんは。
今回も暫く滞在させていただきます。
[もう馴染みとなっている主人と笑みを交わして。
差し出された宿帳へと記入してゆく]
■名前:クローディア・オルドローズ
■年齢:24歳
■自己紹介:占星術師をしております。
村の外の人間ですが、こちらには以前から何度もお邪魔していますので、顔見知りの方もおられるかもしれません。
[宿の主人が声を掛ける]
村についての占い、ですか?
ごめんなさい、少し後になってからでも良いでしょうか。
今ある石は完全に欠けてしまっていて。
新しい石はまだ選んだばかりですので、馴染ませなくてはいけないのです。
[構わんよと頷く主人に小さく微笑んで。
彼女は渡された鍵を手に階上へと上がって*いった*]
2人目、学生 エリカ がやってきました。
[村外れの丘の上に、素っ頓狂な声が響く。
声の主は慌てたように飛び起きると、あたふたと身体についた草を払い落とし、傍らに置いた袋を掴んで丘を駆け下りた。
走るのに合わせて胸元で揺れる、淡い緑の蛍石のペンダントが、微かな光を放つ。
その後を、見事な毛並みの黒猫が追いかけていく。
走る少女とは対照的に、こちらはどこか悠然として。
……見ようによっては、少女に呆れているかのようにも見えるだろうか]
…………。
[ぱたぱたと道を駆け、広場まで来た所でふ、と足を止めて空を見上げる。
何かに思い悩むような表情をいぶかしんだのか、並ぶように足を止めた黒猫が怪訝そうな鳴き声を上げた]
……ん、なーに?
なんでもないよ、リエータ。
[ふわりと微笑みながら抱え上げ、艶やかな黒の毛並みを撫でてやれば、黒猫は低く喉を鳴らした]
さ、いこっか。
遅くなると、怒られちゃうからね〜。
[気を取り直して歩き出そうとした矢先に、人の話す声が耳に届いた。
いつもやって来る占星術師の女性がきている、という、他愛ない噂話。
だが、それは少女の興味を引くには十分すぎる内容と言えた]
……う〜〜。
[早く帰らないと、という思いと、時折り訪れる外からの来訪者への好奇心と。
その二つの間で悩んでいるらしい少女の様子に、抱えられた黒猫が呆れたように目を細めた]
うーん……ちょっとくらいなら、いいよね。
[逡巡数分、結局足は宿屋へと向く。
宿に入れば、主人からどうしたのか、と問われ]
あ、えーっと……。
[どう説明したものか、と口ごもる、その様子から主人は目的を察したらしい。
今は休んでいるから、話を聞きたければ少し待つといい、と言われ、泊まりになるかも知れないから書いておけ、と宿帳を差し出される]
えー、別にそこまでしなくても……。
[何となくむくれてしまうものの、しかし、おとなしく宿帳を受け取り。
カウンター席に座って、さらさらと書き込んでいく]
──────────────
■名前:エリカ=フローライト
■年齢:18歳
■自己紹介:村に住む、薬師見習い。
強い薬は作れないものの、薬草を使った治療や手当てはわりと得意。
いつも連れている黒猫の名前はリエータ。
(純粋な村の出身者ではなく、15年前に村の前に倒れていた所を保護され、育てられた。
エリカ、という自分の名前以外の記憶はなく、蛍石のペンダントと数点の所持品以外に身元の手がかりとなるものはない)
──────────────
これでいいかな?
ふう……ずっと走って来て疲れちゃったぁ……何か、冷たいものちょうだい?
[にこりと笑っての言葉に、黒猫がまた、呆れたような声で鳴いた]
3人目、手品師 ディーノ がやってきました。
[昼、村の入り口を抜けて少し開けたところに出る。ここは広場だろうか。小さな子供が遊んでいるのが見える。その子に近寄り、人懐っこい笑みを浮かべて声をかけた]
こんにちは、お嬢ちゃん。
ちょっと道を訊ねたいんだけど…。
[身を屈めて目線を合わせ、不安に陥らせないようにする。不思議そうにしながらも頷いてくれた子供に宿屋の場所を聞くと、それならとすんなり教えてくれた]
ありがと。
お礼にこれをあげるね。
[被っていた帽子を外し、中に何も無いことを確認させると白いハンカチをかぶせる]
1・2・3!
[カウントと共にハンカチを横に引き抜く。そこに現れたのは、白い小さな花が沢山咲いたブーケ]
はい。
これホワイトレースフラワーって言うんだ。
『感謝』って意味があるんだよ。
[子供に渡しながら花の説明をする。嬉しそうな子供の頭をぽんと軽く手を乗せ、帽子を被り直してから宿屋の場所を確認。その後広場でしばらく芸を披露して。暗くなり人も疎らになったところで宿屋へと向かった]
おっ邪魔っしまーす。
部屋一つお願いねー。
[入るなり宿屋の主人にそう声をかけて。提示された宿帳に記入する]
────────────
■名前:ディーノ。本名はナ・イ・ショ♪
■年齢:見た目は20代前半。
■自己紹介:手品を生業に転々と渡り歩いてるんだ。
手品だけじゃなくジャグリングもするよぉ。一つの芸じゃ食べていけなくてねぇ。
この村には初めて来たよ。
良いトパーズが取れるって聞いてね。それを見に来たんだ。
────────────
ねぇねぇ、ここで取れる宝石ってどこ行けば見れる?
採掘場の傍にある休憩小屋?
そこで見せてくれるんだ。
え、そこは馴染みじゃなきゃ入れてくれない?
そこを何とか。
……えー、ここで採れるって言うトパーズ見に来たのにー。
[酒場にもなっている宿屋のカウンターで主人に話しかける。最後の言葉はカウンターに突っ伏した状態でぶーたれた。顔を横に向けていたことでその方向に誰かが居ることに気付き身体を起こす]
あ、この村の人?
初めまして、僕ディーノって言うんだ。
この村で採れたトパーズ見れる場所って知らない?
小さいので良いから一つ欲しいんだよね。
……ふぇ?
[宿に入ってきた見慣れない若者の勢いの良さにぽかん、としていた所に話しかけられ、きょとん、と瞬く]
あ……初めまして?
ボクは、エリカ。この子はリエータ。
トパーズかあ……休憩小屋が一番確実に見れるけど……。
[外の人は入れないんだよねぇ、と言いつつ首を傾げて]
後は……細工師さんの工房くらいかなあ?
[共に紹介された黒猫にも「初めまして」と微笑みかけて。新たな情報が耳に入るとぱあっと嬉しそうな笑みになる]
細工師の工房があるんだ?
そこなら僕でも見れるかな。
譲ってくれたりするなら万々歳なんだけどなー。
教えてくれてありがと!
[これお礼ね、と何も持っていない右手を何かを握るようにして。その上に左手を乗せる。少し後に左手を退けるとそこにはホワイトレースフラワーが一房現れる。それをエリカの前に差し出した]
[笑みを向けられた黒猫は悠然と尻尾を振って見せた。挨拶をしているらしい]
仕事が忙しくなければ、見せてもらえるんじゃないかなぁ?
[小首を傾げるようにしつつ、こう言って。
それから、何もない空間から現れた白い花に目を見開く]
わあ、キレイ……。
え、でもこれ、どこから出てきたの?
じゃなくて、もらっちゃっていいの?
[差し出された花と差し出す青年とを交互に見つつ、こう問いかけて]
そっか、じゃあタイミングを見計らって行ってみよう。
[あてが出来たことに安堵したような表情になる]
ああ、貰ってよ、僕の気持ちだからさ。
どこからと言われてもタネは明かせないよ〜。
これが僕の仕事だからね。
[唇に人差し指を当てて、ふふ、と笑みを浮かべた]
見せてもらえるといいねっ。
[安堵したような表情に、つられたようににこ、と笑う]
ありがと、じゃあ、もらうねっ。
[白い花を両手で受け取り。
それから、仕事、という言葉に]
えー、教えてくれないのぉ?
[やや大げさな口調でこんな事を。
半ば冗談なのは、表情や物言いから察する事はできるだろうが]
[相手の笑みには穏やかに頷いて]
教えちゃったら僕お仕事出来なくなっちゃうからね?
尤もこれだけって訳でもないけどさ、出来るのは。
[でもダメ、と舌をぺろっと出す]
手品は見破られたらお終い。
そうなると僕は食いっぱぐれてしまうのです。
[ああ…、と大袈裟な仕草で額に手を当ててカウンターに崩れ落ち。しかしすぐに笑みと共に起き上がる]
とまぁそう言うわけでタネ明かしは出来ないかな。
タネが分からないから皆見て楽しんでくれるんだしね?
お仕事できなくなったら、困っちゃうね。
[くすくすと、楽しげに笑いながらこう言って]
わからないから楽しい、かあ……。
そうだね、どうやってるのかな、って考えるの、楽しいし。
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