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呼び寄せたのは果たして何か。
その意を誰一人知る由もないまま、人々は集い始める。
1人目、自衛団長 ギュンター がやってきました。
召集をかけたものの、まだ集まってはおらぬか……。
とはいえ、どこまで真実かもわからぬ噂、焦る事もなかろうて。 全員集まるまで、ゆっくり待つとするかの。
地上との接点は、都市の上に僅かに開けた空間。
その周囲は断崖絶壁に囲まれ、抜け出す事は叶わない。
僅かに開けた地上、その奥まった場所には澄んだ水を溢れさせる泉と林檎の樹が二本。
その周囲には、白い綿帽子のよな花を咲かせる綿毛草、と呼ばれる草が一面に生えている。
子供たちは綿毛草の花を集め、娘たちは糸を縒り、布を織る。
ある季節の満月の夜、綿毛草の花は月へ向けて飛ぶと言い伝えられている。
しかし、都市に生きるものでそれを見たものはいない。
都市の奥には、水没した通路がある。
通路に満ちているのは海水。魚や貝、海藻も採れる。
都市の住人たちは『海』を知らないけれど、それが『海』の水であると知っている。
都市の住人たちは、何故自分たちがこの閉じた場所にいるのか知らない。
でも、出たい、という願いは持っている。
願いの拠り所は、綿毛草の伝説。
心の力を集めれば、満月夜に綿毛が空へと運んでくれると。
真実は誰も知らない。けれど、住人たちはそれを信じている。
その願いを託されるもの、それが『絵師』。
『絵師』は住人が死ぬ時に、その心の力を封じた絵を描く。
……そうして心の力を一箇所に集め、いつか、皆で空へ行くのだと……。
────
☆舞台設定
舞台となるのは、洞窟都市。
地下に縦横無尽に掘られた空間で、ヒカリコケやキノコ、水晶花と呼ばれる花などが自生しています。
洞窟内の施設は、次のもの以外は好きなように設定して構いません。
・海水通路
都市で一番古い区画。他の場所のように岩肌が露出しているのではなく、切り出した石を積み上げて作られた通路です。
先に進むと、緩い下り坂になり、やがて、海水に没します。
海水部分では海の魚介類や海藻の類が採取され、また、水から塩を生成して利用しています。
水に潜り進む事はできますが、息が続く限りの範囲は海水に没した通路が続いているようです。
・中央広場
都市のほぼ中央に当たる部分に開かれた空間。
中央には清水の溢れる泉があり、壁にはヒカリコケが自生して、一定の明るさが保たれています。
何かあった時に、住人たちが集められる場所です。
・キノコ畑
都市の主食の一つである、様々なキノコが栽培されている空間です。
・水晶花の花畑
キノコ畑の奥にある、不思議な空間。
透き通った花びらを持つ、水晶花と呼ばれる花が咲き乱れる場所です。
壁の一角からは澄んだ水が湧き出して滝のように流れています。
☆洞窟都市の生活様式
食生活に関しては、色々と特殊なので、一応注意をしてください。
お茶やコーヒー、ワインなどはありません。
お茶というと、洞窟内で栽培できる香草を使った香草茶か、キノコを使ったキノコ茶になります。酒類は林檎酒や野苺酒になります(アルコール自体をどう調達するのかは、気にしちゃいけません)。
果物は林檎と野苺くらいしかありません。
穀類はありませんが、キノコがその代用品になっています。小麦粉っぽい粉もキノコから作れるらしいので、パンやケーキ、クッキーの類もちゃんとあります。
鶏卵はありませんが、トカゲの卵が普通に使われています。
肉類は爬虫類のものを普通に使っているようです。
甘味料は、外にいるミツバチの巣から採れる蜂蜜が使われています。
こんな状態ですので、食材の種類に拘った料理RPはお勧めしません。
繊維は、綿毛草から採取したものを使用しています。
染料は、キノコだったり岩から取れる成分だったりするようです。
灯りは、ヒカリコケを詰めたランプや、林檎の木の近くに棲むミツバチの蜜蝋を用いた蝋燭が使われています。
燃料は、洞窟の一角から採取できる焔石(石炭のようなもの)が用いられています。
金属製品は、ほとんどありません。
刃物は、洞窟内で採取できる石を研磨して作られたものが大半です。
これ以外の設定は、基本的に言った者勝ちとなります。
極端に個人が強くなったり、便利になってしまわない限り、悩む前に動いちゃってOKです。
☆役職設定
【ランダム・共有者の希望は禁止ですのでご注意を!】
・狼側設定
呪狼・智狼
筆盗人。外へ出たいという願いを抑えきれず、『絵師』を封じ、絵筆を奪う。絵筆を手放したくない一念か、一人は筆を探す者の気配を察知すると逆に封じてしまうほど。
狂信者
絵筆の在り処に気づいている者。外に出るために協力するか、それとも取り戻そうとするかは自由。
・村側設定
占い師・霊能者
生まれつきの力か何かの技術か、絵筆の力を辿れるもの。
※初回逆呪殺避けのため、ダミーや『絵師』を占い対象にするのは問題ありません。この辺りは、占い師を引いた方にお任せします。
守護者
守り手。生まれつきの力によるのか、誰か一人を危険から遠ざける事ができる。自分自身は守れない。
※初回守護対象に『絵師』を選ばないよう気をつけてください。
聖痕者
『絵師』の継承者の資格を持つ者。その証は、どこかに浮かぶ、三日月の痣。
共有者
『絵師』の称号を継ぐ者。蒼き三日月の痣を持ち、絵筆の力を正しく用いる事ができる。
代々の『絵師』の記憶を継承している。
※PL固定、確定初回被襲撃役職です。
☆吊り・襲撃・墓下関係
・吊り
PL視点≧PC視点 無理してそうな人へのバファリン優先
残った絵筆で絵を描き、誰かを封じる。封じの担当は、『絵師』の継承者(聖痕者)となるが、それ以外の者が手を下そうとしても妨げられはしない。
※初回吊りの手を下すのは『絵師』になります。描写の方は、何方かにお願いします。
・襲撃
PL視点≧PC視点。展開重視
筆盗人が強制的に絵を描き、心の力を封じ込める。
それまで話していた相手が、突然倒れてしまうかも知れない。
お休み、の挨拶を交わして別れたものが、翌朝、目覚めないかも知れない。
その後、都市のどこかで、倒れたものを描いた絵が見つかる。
※襲撃発見描写は白優先・赤補完にて。
白での描写は、赤が進めやすいようにご留意を。
初回は確定で『絵師』襲撃ですのでお忘れなく!
・墓下
封じられた心の世界。現実を見る事はできるが、干渉することはできない。
心を封じられた者は、仮死状態に陥る。
身体は冷たく、呼吸や脈動は弱々しい状態。
医学の心得があれば、長くこのままでいたなら、いずれ命にも関わるのは容易に推察できる。
────
……都市は、今は、静かなまま。
長く繰り返されてきた日常は、当たり前のよに繰り返される。
そこに、大きな変化がもたらされる事を知る者は、今は……ない。
2人目、蒼月の『絵師』 エーリッヒ がやってきました。
[す、と。
白地の上を踊るのは、色をのせた絵筆。
それは、白と黒で描かれた世界に、鮮やかな色彩を呼び起こす。
舞い踊るよなそれを手にしているのは、金の髪のまだ若い男。
緑の瞳はひたり、白と黒の世界を見据え、その手に握られた漆黒の筆がそこに変革を与えてゆく。
描かれるのは、青い空と、その下で微笑む老婦人]
……Gute Nacht.
Bebauen Sie, Zeit des Versprechens kommt.
[吐息に次いで、零れ落ちたのは短い言葉。
それは、儀式。
『絵師』としての。
短い言葉が冷えた大気に溶けて消えると、『絵師』はゆっくりと立ち上がった。
絵筆は、パレットの上に。
イーゼルの上には、微笑む老婦人の絵。
昨夜、天寿を全うした彼女の『心の絵』を描くためにずっとアトリエにこもり、一睡もしていなかった身体に、疲労が重たく圧し掛かる]
ん……寝とくか。
[気だるげな呟きの後、道具を片付けて。
ヒカリコケのランプにシェードをかけてその光を遮った後。
壁際に寄せたベッドに倒れこむようにしつつ、*眠りに落ちた*]
3人目、白練の歌子 エルザ がやってきました。
[髪を揺らすのは、少しばかり冷たい感触。
宙にうつぶせに横たわるようにした体はゆっくりと下降し、地ギリギリまで行けばまたフワリと上へと浮く。
腕を掻けば体は前へ上へとぐんと進み、眼下の青は透き通る。
もう一度、形の見えない腕を掻いた時]
……ぁ。
[眼の中に飛び込んで来たのは、真っ白な綿毛。
ぱちぱちと一度眼を瞬くと、薄い布団を引いただけのベッドから起き上がり、眼を擦った。
何時もの――夢。]
――ふふ。
[歌うような笑い声は小さく響く。
細く白い指を、ゆらりと前へと揺らした。
伸ばされた腕は何にも掴まっていないのにそこに誰かの手があるかのように、宙で止まる。
手の位置をそのままに、細く白い体を持ち上げ立ち上がると、手へと胸元が引寄せられる風だった。]
[くるりくるり
地面に敷き詰めた白い綿を浮き上がらせながら、彼女は回る。
口元から零れるのは、小さな高い歌声。
それはまるで、動物のようだった**]
4人目、奏者 ミハエル がやってきました。
[ランプの灯に照らされ、ぼんやりと浮かぶ部屋の光景。
物は少なく、整然と本の並ぶ本棚と、白いシーツの掛かった無人のベッド。
それらから少し離れた机の前にこの部屋の主はいた。
微かな寝息を立てて。
雑然とした机の上は、全体的な部屋の様子からはそこだけ異世界のよう。
棚から幾つか抜き出された本が積み上がり、その間から覗き、若しくは床に落ちている白い紙。丁寧に引かれた五線譜の上に散らばる音符。
机の傍らには、濃い影に紛れるように黒いケースがひっそりと置かれていた**]
村の設定が変更されました。
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