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次の日の朝、自衛団長 ギュンター が無残な姿で発見された。
噂は現実だった。血塗られた定めに従う魔物“人狼”は、確かにこの中にいるのだ。
非力な人間が人狼に対抗するため、村人たちは一つのルールを定めた。投票により怪しい者を処刑していこうと。罪のない者を処刑してしまう事もあるだろうが、それも村のためにはやむを得ないと……。
現在の生存者は、小説家 ブリジット、青年 アーベル、研究生 エーリッヒ、職人見習い ユリアン、少女 ベアトリーチェ、ランプ屋 イレーネ、召使い ユーディット、教師 オトフリート、少年 ティル、シスター ナターリエ の 10 名。
『Obwohl es anfangt, ist es gut?
Ich hore die Antwort nicht.
Arthur=Ulrich』
[広間の端末に、唐突にこんな言葉が書き込まれていた。
発信源は、不明。
それと共に、進行役と名乗っていた男の気配は、地上部分から完全に消え失せる。
彼が最下層にあるメインルーム──この『遊戯場』の管制室へと入った事。
それにより、全ての『準備』が整ったという事に。
気がついた者は、*限られていただろうれど*]
……ま、ここにいる以上は、向いてる向いてないとか、言ってられん気もするけどな。
[ナターリエの言葉に軽く返し、翼を消して歩き出す。
飛べば早いが疲れるから、というのが、主な理由。
ちなみに、ナターリエのエスコートに関しては、ほぼエーリッヒに押し付ける形になるのだろうが]
[建物前まで戻ると、ばさばさと翼を動かすイレーネの姿が目に入り]
……どした?
[落ち着かないような、そんな姿に疑問を感じて問いかける。
いつものようにこちらに駆け寄り、その話──探し物が見つかった事、怪鳥、つまりはクリーチャーに襲われた、という事などを一通り聞いて]
……だから、ちゃんと気をつけなきゃダメだって、言ったろうが。
[声には微かに、怒ったような、それでも、無事を安堵するような響きが込められていたものの、やはり口調は小言めいてしまう訳で。
対する、自分は悪くない、との愚痴めいた反論には]
それでも、ちゃんと周りに気をつけてれば、そこまで近づかれたりしなかったろ?
クリーチャーの類は、こっちよりも感覚が鋭いんだから……。
[訥々と続く、注意事項。
一緒に戻ってきたナターリエがおろおろとしているのには気づいていたものの、そちらはスルー状態。
取りあえず、イレーネが自分の不注意の事を認めたところで、ぽふ、と頭を撫でてやり]
んでも、無事で良かったよ……。
[探し物も見つかってよかったな、と笑って。
仲裁に入ったナターリエにも、はいはい、と頷く]
さて、んじゃいつまでもここにいても仕方ねぇし、中に入るか。
[こう言って、建物の中へと。
個室に戻る途中ふと思いついて、あったかい物飲むか、とイレーネに問いかけて。
肯定が返るなら、部屋で彼女の分も甘めのミルクティを淹れるだろう。
……実は意外に甘い物好きなのだが、それは『身内』以外は*知らぬ事*]
/*
おはようございます……
二日目ですし中会話控えようかと思いましたが、
重要な事訊き忘れていたので。
鈴での通信って、好きなタイミングで可能ですか、
それともおーるたいむえぶりしんぐ筒抜け?
こちらとしてはどちらでもOKですが。
後、表の状況的にシリウスが残る方がよさそうかとは思いながら、
その場のノリでいいですよね。
バトルしたければお好きに仕掛けて下さい。
*/
ふわ。
[ソファで無用心にも眠りこけてしまっていた。
明るい光が目を突き刺すと、身じろぎをして体を起こす。
寝返りも打っていなかったようで、体のあちこちがぎしりと言った。]
おはよーございますぅ…。
[目をこすり、自室へと歩いて戻った。]
[学校に通う前の記憶は殆ど無く、今でも曖昧になることがある。
それは両親を亡くした事故の後遺症だと聞かされていた。
知っているのは、学校で学んだ事と、自分のちからについて。
世界の事など、知識の上でしか知らない。
そして、在るのは、一つの約束――
契約とでも言うべきもの。
その下に成り立つ、つくられた生活。
それが、彼女の全てであり、真実だった。]
−中央部建物内部2F・個室(K)−
[ぱちりと目を覚ます。
随分と眠っていたような気がする。
様々なものが渦巻くはずの心は、奇妙に鎮まっていた。
普段通りに済ませる、朝の支度。
スニーカーの紐をきゅと結び直して、爪先で床を蹴る。
*立ち上がり、部屋を出た。*]
さて、と。
やることやりましょうかしらね。
[遊戯の開始。
ルージュが真っ赤な唇の両端を吊り上げ笑う]
賽は投げられた。
坂道を転がり出した石は徐々に加速する。
水面に落ちた小石は自身を中心に波紋を広げる。
遊戯は既に始まった。
坂を転がる石は終着点まで止まることはない。
勝者が決まるまで――終わらない。
水面に波紋を広げる小石。
切欠は大事よねぇ?
[クスクスと笑う声は虚空へと消えていく。
ルージュ自身もまた、影の中へと*消えた*]
[その手はいつもと変わらぬ仕草、じわり涙が見えたならそれは怒られた事よりもそちらが理由で]
――飲む。
[ちらりと顔色を伺うように顔を上げて、おずおずとその後ろを着いて行く。
怒らせてしまった―というのは、お小言を言わせてしまった事を指しているのだが―お詫びにと、途中で自室に寄り、先日浴衣発掘中に見つけた小さな包みを自室から引っ張り出して]
―ごめん、なさい。
ちゃんと次から気を付ける、から。
[差し出したのは*チョコレート*]
−K−
[結果的に李雪に添い寝する結果の夜の後、青少年はといえば]
…しっかし。
[李雪はぬくぬくと藍苺と一緒に現在青少年のベッドを占領し、青少年は出来る限りすばやく音小さく身支度を済ませてからり、窓を開けて]
…まさか窓あけっぱにしてたらこっからついてくるとかってこたぁねえよなぁ…。
[どうだろう、と小さく眉を寄せる。
しょうがないので、いかにも扉から出ていったっぽい偽装工作をしてから、ひょい、と窓枠に足を掛けたかと思えば猫が木から飛び降りるかのようにしなやかに一回転し、全身のバネで衝撃を吸収して地へと。
ちらり、と窓を見上げたあと、それなりに心配なのか建物の外を歩き出す]
[さっぱりして腹ごしらえもしっかり終わり、部屋の扉をゆっくりと開いた。
ふわり、パフスリーブが揺れ、長いスカートの上のエプロンも揺れた。
コツ、と革靴の踵が地面に音をたてる。]
あは。
[日々、空気が張り詰める気がするのは――気のせい?]
―広間―
[他に誰も居ないことを確かめて、中へと入る。
それまでどこでどう過ごしていたのか。どちらにしても他者との接触を避け続けていたのは間違いないようで]
ここまで複雑なのは久しぶりだね。
しかも僕のだけでは解けないとか。
[小さく呟いて広間の端末を操作する。
いつの間にか増えていた文言に僅かに眉を顰めて]
問答無用、か。
[その中の単語を拾い出し自分の端末へと打ち込む。
『anfangt』
それから更に数字を打ち込んでいけば、隠されていたメッセージが表示される]
…お姫様を守れって。
僕に向いていないのは承知の上だって。
どこまで追い詰められたんだよ、蛇。
−建物近く−
…しっかし、またすげぇフィールド。
[文字通りの廃墟の中、きし、とか、ぱき、とか礫を踏む音が小さく響く。
しばらく進んでいくと色褪せた朱塗の瓦礫にやはり見る影もない青丹の木材の破片。
独特の文様を見る限り自分が現在生活している華街と同じような街なり通りなりがあったのだろうとわかる。
見下ろす消し炭の瞳は感情の色なく、その瓦礫の中に垣間見えた歴史の名残の小さな破片をひとつ拾い上げた]
……。
[鈍く光を受ける瓦礫へと祈りを捧げるように。
遺物を両の手の中に収め視線の高さに掲げ、それをグローブをはめた手で包んで。
その拳に、誓うように唇を押し当てる]
…你們的記憶遠方一起,你們的碎片,我們中永遠。
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