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次の日の朝、未亡人 綾野 が無残な姿で発見された。
そして、消え行くもの。
運命の輪が回りだす。
紡がれるのは、如何なる結末への道筋か……。
現在の生存者は、教師 史人、研究生 孝博、探偵 利吉、青年 聡、学生 涼、徒弟 裕樹、歌姫 琉璃、御曹司 晴美、旅行家 蓮実、細工物屋 玲、小説家 榛名、女中 小百合 の 12 名。
[−−ざわり。
背筋を走る悪寒に、バッと振り向く。その視線の先にあるのは桜の木。]
……まさか。
[ポツリと呟いた言葉は、その場の二人に届くか。]
っ! 痛つぅっ!?
[眉を寄せ、左腕を押さえる。そこからは暫しすると赤い血が滲んでくる。]
分かんねー、ケド。
[声は聞こえなかった。
代わりに浮かび上がるモノを、説明するだけの言葉は持たず。]
・・・・・涼チャン?
[ふと、途切れた言葉を訝るように。]
…っ…は、ぁ…く、すり……すこし、まえ…の、んだ…。
[蓮実と小百合の言葉にはどうにかそれだけ返答し。
続き覗き込んできた瑠璃の顔を僅かに開かれた双眸で見つめ、同じように訊ねかけて来た蓮実にも苦しげにしながらも視線を向けて]
…る、り…、ごほっ。
は、すみ…ん…。
[掠れた声で彼らの名を紡ぐ。意識は、あるようだ。
背にもう一つの温もりを感じ、掛けられた声が聞こえると]
ごめ…、れ…ちゃ…。
[名前と、おねーさんって言ったとき、訂正されたんだけど、
本当は、あとでちゃんと話して聞きたかったんだけど、
こわくて、いられなくって。
うなずいたけど、やくそく破っちゃった、って、思った。]
……ん?
どした、晴坊っちゃん……って!
[突然、桜を振り返った晴美の動きと、滲んだ紅。
さすがに一瞬、息を飲む]
って、一体どうしたんだよ、それっ!?
[玲が涼に向ける視線に気づけばぽんとやさしく肩を叩き]
玲ちゃん、玲ちゃんも大丈夫かな?
[にぃっと微笑みかけて]
詳しくは知らないけど、ねっ?
なんとなく察しはつくけど。
[じぃと聡の逃げていった方を見ながら、
たぶんあれがすべての元凶だろうと勝手に思い込み(事実だが)]
涼ちゃん、悪いこと、したかな?
―
― …ぁ。
[聲は、やさしく、届いていて。
少女は、立ち止まって、そこがどこだかわからないけど、息を落ち着けました。]
― ごめ、なさい。
― だいじょ、ぶ。
そーそー。
[史人に返す言葉は、相変わらず軽い。]
ん、そッか・・・・
・・・・晴さん?
[呟きに其方へと視線を向けて。
赤い色を目にした。]
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