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陽光 ナターリエ を 5人が心の中で指差しました。
火炎 イヴァン を 1人が心の中で指差しました。
陽光 ナターリエ は人々の意思により処断されたのです……。
次の日の朝、月闇 榛名 が無残な姿で発見されました。
次の日の朝、氷破 ベッティ が無残な姿で発見されました。
今、ここにいるのは、翠樹 ゲルダ、火炎 イヴァン、天聖 マテウス の全部で 3 人かしら。
[逃げていないのか、という、ベッティの問いに、男の笑みは僅かに陰ったか。しかしそれも一瞬のこと。少女の髪を撫でたその手で、剣の柄を握り、小さく、しかし強い意志をもって囁く]
我は、願う。この者を、道の向こうへ。
[一瞬、天聖の気を纏いながら、それとは異なる薔薇色の光を放ったその姿を目にした者はいるだろうか?]
[妖精王は気付かなかったかもしれない。天聖の気と、薔薇色の秘宝の力、それはすぐ傍で、ナタルやイヴァンの回りでも渦巻いていただろうから]
[いずれにせよ、男の願った通りに、雪白の姿は、光の中に飲み込まれて消えた]
[苦しい時の何とやら、でも、ちゃんと届いたらしい。
キラリと上空に光ったのはもうお馴染となってきてしまった王の力。真直ぐにナタルに向かって降って来た]
ごめんね、ナタルさん。
[槍を小脇に両手を合わせた。
楽しそうな笑顔は光の向こうに隠れて。
ぎゅん、と上空へ引き上げられた。
何で今回はその場で消えないんだろう]
……榛ちゃんっ!?
[上空を見上げながらの思考を切り裂いて。
悲鳴のような榛名の声が届く。
顔を戻す直前に、上空の光も消えた。
お説教でもしてたんだろうか。まさかね]
[翡翠の先、間近に迫った炎に動揺する榛名。
いつものようなどこか眠そうな声じゃない。
身を捩って。ふっつりと]
…へっ?
[何処かへ消えてしまった]
……オヤモッテ!
[なんで。どうして。なにが起きてるの。
大混乱しながら、息を吸って吐いた]
どこいっちゃったの!?
[ぐるっと見回すけれど。どこにもいない。気配もしない]
[ベッティ(本当の名は最後まで知らなかった)を反省房に送り込んだ後、妖精王の放った光が、ナタルを捕らえるのを見る。同時に榛名が消えたことには、さすがに意外の表情を浮かべ]
これはまた…
[結局、反省房送りを免れたのは、僅かに三人。薔薇色の空が、大きく揺らいだように見えたのは、恐らく見間違いではないだろう]
[妖精王の力をもってしても、余り長い間、この結界が維持されるとは思い難かった。だとすれば…]
間に合うか…?
[視線はイヴァンの手から、一度は離れた薔薇色の白引へ、しかし、そちらに近づこうとは、今はせず]
また『秘宝』の力?
でもまだここにあるし。
[落ちたままの薔薇色にそぅっと近づいてみる。
蔓環してても直接触るのはまだちょっと怖い]
ねえ、今何が起きたんだか…。
[見えてた?と振り返った先にも姿が一つ足りない。
そこに居たのはマテウスだけ]
………。
[ゲルダと視線が合うと、男は、ゆっくりと首を振る]
ベッティ殿も消えてしまった。何がどうなっているのか、判らんな…
[その言葉を二人が信じるかどうか]
[男は距離を保ったまま、イヴァンとゲルダを見比べるように見る。探査の力を持つ二人がこの場に残ったのは偶然ではないだろう。まだイヴァンにダメージの残るこの機会を捉えて、その足を踏み出すか…それとも、踵を返し、姿を隠すか…迷いは、その表情にも顕われたか]
うん。
何がなんなんだか。
[今の王の力は自分が呼び込んだもの、という認識がある。
榛名が不可解な消え方をしたのもあって、マテウスの言葉を正面から否定するだけの根拠などありはしない。
ただ意図せず秘宝の片割れを守るような位置に立つ]
ベッティちゃんも、姿とか変わってたし。
不思議な感じがしてたんだよ。
『秘宝』のどうこうっていうんじゃなかったけど。
[女王の力と断言できる根拠も、これまた無かった。
感覚が訴えてくるものを他者に伝えるのは難しい]
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