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[塔のまわりを半周ほど歩くと、屋敷を見つけた。はからずも真っ直ぐ屋敷へ着いたことになる。屋敷の中へ]
誰かいるのー?
何この紙
……オトフリート?
って確か……
[紙を一枚めくる]
何これ、リディの名前があるし!
[紙を一枚めくる]
げ、
何でライデン!?
< とことこ。ぴたり。
あらあら、なんでしょう。この先、ついてこいっていいますけれど >
…? これ、なに?
< 鎖が答えをいうわけなんて、ありません。
とうめいな、しきり。猫は困って、ぺたぺたと壁にふれました。 >
連れ戻しに来たとか?
てゆーか帰るつもり無いし、超うざいし。
逃げなきゃ……ていうかここ、どこ。
[散策開始]
何か落ち着かないってゆーか、なんてゆーか……
< とうめいな かべで あそ…いいえ、たしかめていた猫は、目にしっかり好奇心をあらわしていました。だけどもその手はとびらをつかみ、おもいっきり音をたててあけてしまったのです。
びくぅっ
と、なんだかものすごく おどろいて、猫は一気に、きょりを とりました。
近くに、ふしぎな、花のかげ。
おおきな樹からぶらさがって…
声がしたのは、そんな花からじゃありませんでした。 >
< 首をふるふる、横にふって >
おれは、ちがうよ。
ここは、どこだろうって、おもって。
それ
< 鎖をゆびさし >
に、ついてきただけ。
< 挙動不審、なんて、思ってるって、しりません。 >
…逃亡?
< もしかしたら、かの女がみたページの中に、猫のことも書いてあったかもしれません。
それは――
■名前:エーリッヒ
Erich
■種族:獣人(羽根のはえた猫)
■属性:流水
■職業:野良猫
■年齢:35歳(人間換算17,8歳)
――――
人の来ない森林に住む猫。
ずっと人と旅をしていたが、15年程前からそこに住む。
特筆することもなく、猫。
なんていう ものでしたけれど >
…腹減ったな…。
[呟きつつ、くるりと首を巡らせる。
声が聞こえた気がしたが、それはどこからだろう。
ふよふよと浮かぶ無限鎖に目をやれば、東の方へと誘いおうとしているのだろうか、くるくる回りながらもそちらを差す。]
ああ、草だ。
[ピィ!と肩で羽を広げて鳴く小鳥の頭を指で撫でながら、草原へと足を踏み出した。
さく、と水分を含んだ土の感触を足が伝えてきて心地よい。
人から見たらのしのしとも思うだろう擬音を背負いつつ、草原を揺れる鎖についてゆっくり歩く。
その両の瞳は、ひとつの大きな屋敷に入る鎖を捉えて少しだけ見開かれた。]
捕まったら連れ戻されて怒られるし。
[ユリアンの意志をよそに、勝手に確定事項扱いである]
てゆーか、なんだかわかんないんだったら探検いこうよ。ここに住んでるんじゃなきゃ良いでしょ?
それともどっか行くとこあるわけ?
< 猫はちょっと――ということにしておきましょう――鈍いようですけれど、かの女のことばに、なんとなく親のことをかんがえました。
もしかしたら、もしかして? >
おかあさんと、おとうさん?
< くびをかしげます。
だって、つれもどされて、おこられるっていうと、家族しか浮かばなかったのです。 >
たんけんは、いいけど。
おれも、いかなきゃいけない、わけじゃ…ないと、思うから。
でも、しんぱい、かけたら、だめだよ。
< かの女にとって 余計なお世話 でしかないかもしれません。 >
……なにそれー!
[図星だったようだ]
超つまんない。
つまんないこと言わないでよー!
あんなやつらもう知らないし!
アンタも一人でどっか行って野垂れ死ねば?
[フンと息も荒く、来た道を戻ろうととってかえす]
あ、え。
ええと
< なんだろう、猫はちょっと困ったようでした。 >
つまんないって、えと。
あ、まって。
< なんとなく 一人で置いておいたら まずいかも。
なんて思った、とはいえません。 >
どこ、いくの?
おれは、
< ずっとしゃべってなかった、そのせいで、口がうまくまわりません。
猫は困って、なんども くちびるを しめらせました。 >
ええと。
おれは、エーリッヒ。
迷子、なったら、だめだよ
[呼び止められて振り向いた。不満げにエーリッヒを睨んでいたが、唇を舐める様子が可笑しくてすぐに笑った]
なんかぺろぺろしてて犬みたいだし。
ていうか既に迷子なんですけどー。
< かの女がわらって、猫はすこしほっとしました >
犬、じゃないよ。
おれは、猫だから
……この、わっかに、ついてっても、迷子?
[柔らかな下草に首を横たえ、耳を立てて身体を休める。
その姿を通路から無機質な目が見ていたなんて、知る由もなく。
──
■名前:ナタ・リェ(那多烈)、音としてはナターリエと聞こえる
■種族:獣族(麒麟族・索冥(さくめい))
■属性:天聖
■職業:機織
■年齢:外見20歳、肉体年齢100歳弱
────────────
人間界の東方、険しい山々に囲まれた隠れ里で静かに暮らしている麒麟の一族。
偉大な者が生まれる時に祝福に訪れる他は、ほとんど里を離れる事が無い。
10年程前に物資交換に人里に下りた所を捕らえられていた為、人間と鎖に怯える。
──
私の情報は仮初めの宿へ伝わり、本を模した何かに記されゆく]
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