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[ぽてぽて、ぽきゅぽきゅ。
そんな音が聞こえてきそうな雰囲気で、マイペースに歩く小柄な人影がひとつ]
試験。試験は突破するためにあるもの。
ですよ。
[別に誰かに聞かれているわけでもないのに、こんな事を言いながら、目指すのは中庭]
試験。試験の後にはお休みがくるもの。
ですよ。
[歩くのに合わせて、頭の上にちょこん、と乗った何かが揺れる。
一見するとなんだかわからないが、どことなく、植物っぽい質感が見て取れた]
試験。試験を受けるには、届けを提出する。
ですよ。
[そう言いながら、それは記入済みの受講届けを導師へと差し出した]
結構勢いよく飛んでいったよね。
リディ楽しそうだったけど。
[返す言葉は楽しそうな声。
瞳を瞬かせる様子にはこくりと小さな頭で頷き]
そうだね。
試験始まったときいなかったら不合格とか、ありそうな気もするし。
[そんな失礼な言葉を、今は本人がいないから大丈夫。
リディの後を追いかけるように試験会場前へと戻った]
[やった。ちょっとくろくなくなった。
授業(?)の成果だ。とか密かに喜んだりしつつ]
大丈夫だよ。ラヴィーネさん。寝すぎないし授業で気絶も…したことなかったと思うし
[そもそも記憶からすっぽ抜けてるのかもしんないけど]
いやいや、それ導師にいわれたくないですよー。
アーデルハイドさんが一度愚痴ってるの見たときは本当に偏食なんだと思いましたしね。
────
■氏名:ティル=カクトゥス Till=Kaktus
■学科・学年:翠樹学科2年
■種族:ドリュアス
■取得魔法:治癒魔法、精霊魔法
■その他:独自の進化を遂げ、個別の種として確立したアルラウネの一族・ドリュアスの者。元は、サボテンであるらしい。頭の花胞は、普段は閉じているが、精神状態他に合わせて唐突に開いたりもする。
入学当初は生命学科に所属していたが、その後、精霊魔法の才が爆発的に開花したため、流水をすっ飛ばして翠樹に転科した。
とてつもないマイペース。会話のテンポはよくズレる。
ちなみに、サボテンと言っても棘を集めて千本飛ばす、といった技は使えないようだ。
────
―第一別館・講義室―
Zzzzzz...Zzz..z.
[消えてゆく音に合わせスルスルと黒曜龍が肩まで移動する。
そして音が消えると同時に勢い良く後頭部を尾で叩いた]
痛ッ!
…Iris、イリス。
だから起こす時はもう少し優しくだな。
[他者の気配は無いと読み大きく伸びをする。
黒曜龍は定位置である左腕に戻って巻きついた]
「ボケてたら試験で怪我するわよ」
―第一別館・講義室―
あー、試験な。
提出いつまでだったかな。
「もうロラン導師が書いて出してくれたわ」
お、そりゃ助か…?
[出してくれた。受け取ってくれたではなく。
舞い降りた沈黙は黒曜龍がサラリと破る]
「中庭のモーントシュタイン導師にね」
………。
[再び数秒の沈黙が横たわった]
ところで、しばらく待ったと思うけど、そろそろはじまるのかな?
ゼルギウス導師。
[とゼルギウスに聞き。
新たな受講者が誰なのかなぁとか思ったり、来た面々に自己紹介などしつつ、試験の開始を*待った*]
―第一別館・講義室―
そりゃ、つまり。
ゼル導師じゃねぇかっ!
[椅子を蹴倒す勢いで立ち上がる。
受理さえされていなければ間に合う、と一縷の希望に縋って]
あんな、常に面倒が着いて回る、代物っっ!!
また受ける、羽目になって、たまる、かぁぁぁっっっ!!!
[ドップラー効果を伴って中庭へと走った。
無駄な努力になるとも知らぬまま…]
─ →中庭・試験会場前─
うん、あの勢いだからねー。
体勢立て直すのは無理。
でも楽しかったよ!
[きゃっきゃとはしゃぐようにしながら身体全体を使って楽しさを表現した。
不合格、の言葉には「ねー、やりそう」と同意しながら試験会場へと戻って来る]
試験まだ始まってないよねー?
[一応の確認]
─中庭・試験場前─
[内心の喜びは知ってか知らずか。
その辺り、表情からは読みきれないわけだが。
例によって]
『……気絶は、忘れているのではないかしら』
[水晶龍はぽつり、こんな事を言いながら、大地の龍をちらりと見てみたり]
俺はいいんだ。
魔力喰って生きてるから。
[さらり、返した一言は、かなりそれどうなんだ、的なものだった]
─ →中庭・試験場前─
いいなぁ、私も今度尻尾捕まってみようかな。
[楽しそうな様子のリディにちょっと羨ましそうにしている。
不合格に同意されると「だよねー」とお互い笑ったりとか。
試験場前に戻ると]
ゼルギウス導師、ただいま戻りました。
ん、ああ。
そろそろ、頭数も揃うだろうし……。
[言いかけた言葉を遮ったのは、マイペースな声]
っと、ああ。
なんだ、また来たのか、お前。
[覚えのある言い回しに見やった先には、予想通りのドリュアスの姿。
差し出された受講届けを受け取ると、それを空間に固定した]
―中庭―
ゼル、導師っ!
届出書いたの、俺じゃ、ないんだっっ!!
[叫びながら良く知った姿を目指して走る。
途中で誰かとぶつかりかけた気もする。
だが勢いをつけすぎてそこでは止まれなかった]
ゲホゴホッ。
だから、ちょっと、待ってくれ。
[人影の集まっている辺りで急ブレーキ。
酸素が足りなくて噎せながら、前屈みで左手を上げた]
おう、無事だったか。
[戻ってきた二人に、こんな言葉を投げかける]
ああ、まだ全員揃ってないしな。
……もっとも、届けを提出したやつは、開始時には強引に巻き込んで連れて行くが。
[相変わらず無茶だ]
─中庭・試験場前─
[差し出した届けが受け取られると、こく、と頷く。
頭の上の花胞がぴょこ、と揺れた]
また。
ですよ。
導師の試験は面白い。
ですよ。
[こてり、と首を傾げながらさらっと言った。
その場にやって来た面々には、一拍遅れてぴょこり、と挨拶を]
ロミだと宙返りで着地出来そうだね?
[尻尾に捕まってみると言うロミに、こて、と首を傾げながら言った]
はーい、無事でーす。
あのくらいへっちゃら!
[ゼルギウスには元気に右手を上げてお返事。
ふと視線を向けると、何やら植物っぽいものを頭に乗せた小柄な人物が目に入る]
新しく来た人?
[問いは今まで会場前に居た人達に向けて。
その答えが返る前に更にもう一人が試験会場へと駆け込んできた]
ぅきゃー。
なになに、滑り込みの参加者?
[ゼルギウスに受講届けを出す姿が見え、
そしてさらになんかすごい勢いで走ってくる姿]
集まりは順調なのかな?
私はロミ、よろしくね。
[とりあえず二人(?)に挨拶、小さい頭を下げてから。
ゼルギウスの強引に連れて行くという言葉には]
ああ、さすがに不合格とかにはならないんですね。
それはちょっと安心です。
[リディに頷いて]
うん、そういうのは得意だよ。
でも私も勢いがあったり壁があったりすると危ないかな。
[答えながらリディと一緒に視線は新しい参加者っぽい人達に]
……ん。久しぶりだな。
[叫びながらやって来た元・教え子に向けたのは、一見すると朗らかな笑顔]
待てといわれても、既に受理済みだが。
今から、受講辞退なんぞできるわけなかろう。
……それに、他の試験はそろそろ空きがなくなる。
どうしても留年したい、というなら、止めんが。
[にこにこしながらいう事ですか]
きっと新しくはない。
ですよ。
[リディが回りに問うのに、首を傾げたまま言った]
生えてから、十年以上たってる。
ですよ?
[どうやら、妙な方向に意味を取り違えているらしい]
壁があったりするのは誰でも危ない気がするよ!
気をつけないとだねー。
[ロミに返すと視線は植物っぽいものを頭に乗せた人物へ]
あや、そう言う意味じゃなくてー。
ゼル導師の試験に参加する人?って意味ー。
[一人、また一人と人が増えてくる気配に立ち上がった。
挨拶代わりに2度、3度と尾を振って返す。
立ち上がったのは、そろそろ開始の頃合だろうと判断したのもあるらしい。
少し鼻をひくつかせ、各々の匂いを記憶しはじめた。]
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