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― 広間 ―
[足取りはふらついてはいないけれど、息は酒臭い。
ネリーとはタイミングがずれたか、顔をあわすことはなく。
広間に足を踏み入れれば、執事が少女に毛布をかけおわったところだったろうか。
その場に薬師の娘もいるようなら、眠っている少女を起こさないように手を上げて挨拶にかえる。
ニーナのことは村で聞いたことがあった。
とはいえ、それは薬師が孤児を拾って育てていたけれど、その子も年頃になったとか、そんな程度の噂話。
顔はあわせていたかどうか……酔っ払っているときにあっていたら、すこし記憶はあやしかったかもしれない]
─ 2階 客室 ─
テーブルの上、汚れてない。
床、埃、無い。
シーツも、しわ、寄ってない、し。
ランプの油も、ちゃんと、入ってる。
窓も、ぴかぴか。
…うん、全部、大丈夫。
[部屋の準備を終えて、一つ一つ口に出しながら確認していく。
全部の確認を終え小さく頷いた後、窓の外に視線を向けて日の高さを見た。
まだ厨房の準備には早いだろうかと思ったけれど、今日は客人が多いから早いに越したことは無いだろう。
執事に客室の準備が出来たと報告してから厨房に向かおうと考えながら客室を後にした。]
─ →広間 ─
[1階に降りて水桶や掃除道具などを片付けてから、執事を探しに広間へ向かう。
広間に入るタイミングとしてはケネス>>173の少し後だろうか。
ゆっくりとした動作で礼をすると客人の邪魔にならぬように広間に入り、執事の傍に行く。
どなたかと会話されているなら、その会話が終わるまで待ってから声をかけた。]
失礼致します、ヒューバート様。
お部屋の用意を整えてまいりました。
お待たせ致しまして申し訳ございません。
[御客人の会話の邪魔にならぬ程度の声量で報告と礼を執事に向ける。
何か用事がなければ厨房に向かう旨を告げて、広間を後にするだろう。**]
―書庫―
ん……ああ、これか。
[“資料”探しの最中、不意にはらりと落ちるものがあった。
廊下ですれ違った少女に貰った栞。
本性を偽っている手前断る理由が見つからず、受け取っていたもの]
四つ葉ねぇ、よく見つけたもんだ。……くく。
[一般的には幸運を呼び込むとしか伝わっていないが、元は他人の不幸を代償とし、幸運を掴む為の黒魔術に使われていたもの。
皮肉のようなそれに、楽しげに口角をつり上げた。尤も渡した本人にその気はなかったのだろうが。
丁度手にしていた本の間に挟み込んだ]
― 広間 ―
[執事>>178が一瞬だけみせた意外そうな空気に気づき。
ちらりと眠っている少女に視線を向けた。
何も聞かぬままお茶を用意する執事が、テーブルに湯気の立つカップをおいていくのを見る]
あァ、あんがとさん。
[めったに頼まないけれど、ここの使用人の腕は信用している。
ふわりと香る、お茶の香りを楽しむような柄ではないが、美味しいものは美味しいと分かる。
とはいえそれを口に出して賞めることはせずに、ただ口をつけるだけだった。
メイドが執事に声をかけるのは聞こえていたが、視線を向けることはせず。
他に広間にいる客に話しかけられるのなら応えただろう]
─ 花壇へ向かう前 ─
……ったく。
[てきと〜な雰囲気で流すグレン>>164の背に向ける視線は、じとん、としていた、が。
こんな風に子供っぽい所を晒すのは、この場にいる二人に対してくらいのもの。
色々と変わった環境に馴れずにいた頃、自然に接してくれた彼らに抱く信は強い]
ん……そう?
あ、水仕事の後は、ちゃんと手を労わらないとダメだよ?
[後は一人で、というネリーに軽い口調でこんな言葉を投げて。
花壇に行こうとした所に向けられた言葉に、踏み出した足は止まった]
ああ、構わないよ。
必要な時は、いつでも言って。
[花を、という申し出に、にこりと笑ってこう返す。
必要なものを、というグレンの言葉にも、うん、と頷いて。
一度、空を見上げてから、花壇へと向かった]
─ 中庭 花壇 ─
[しばし、花を見つめて思案顔。
そんな様子が、遠目には憂える少女に見えてしまうのは当人的には非常に不本意な事だった。
そんな状況を打破しようと無茶をして、反動で寝込んだ事もあるのは、屋敷の者であれば周知の事なのだが]
うん。
この辺りなら、切花にしても良さそう。
[長めの沈黙を経て、口をついたのはこんな呟き。
何をしていたのかといえば、先にネリーに頼まれた事のための事前検分だった]
……さて、と。
風、冷たくなってきたし……本格的に冷える前に、戻るか。
[どの辺りが飾るのに向いているか、とか、その辺りを大体見定めた所でゆっくりと立ち上がり。
温かいお茶を貰おうか、と足を向けたのは、広間の方]
[それから幾ばくかの時が経ち]
まあ、こんなものか。
[栞を挟んだものも含めて、手元に残った数冊。
一番上からぱらぱらと捲り]
これが本命ということで、……あとはオマケ、でいいな。
[その中で一番古い本を選び、目印として栞を挟み直す。
本当に希少なものか如何かは傍目には分からないだろう。見る目に長けた者がいたなら別だが]
そろそろ出るか。
─ →広間 ─
[広間に戻ると、中の顔ぶれは入れ替わっていた。
眠るウェンディの姿には、あれ、という顔を一瞬覗かせるものの。
どうかしたのかな、と案ずるそのいろは、カップを傾けるケネスの姿に気づくと、眉が寄るのに飲まれてしまう]
……どーも。
[初見で女と間違われるのは、ある意味ではいつもの事……では、あるのだが。
気質的な部分で反りが合わないのか、養い親の客人には、今ひとつ友好的にはなりきれず。
だからと言って無視する事もできないわけで、向けた挨拶はそう称していいのか、というくらい素っ気無いものだった]
─ 広間 ─
[ケネスが見せた視線の移動>>181には、随分気にかけているのだな、と言う感想を抱く。
尤も、それを口に出すことは無いのだが]
[ネリーは何か告げてから厨房へと向かっただろうか。
その姿を見送った後、一度広間の中を見回す]
[本当に今日は来客が多い。
勿論、以前にもこのようなことはあったが、今日は1人メイドが早上がりする予定で。
残りの使用人でそのメイドの分の仕事を分担する必要があった]
グレンにも加わってもらいましょうか。
[主に屋敷の外で仕事をする使用人ではあるが、手が空くようなら手伝ってもらおうと。
探して声をかけておくことにした]
― 広間 ―
[うとうと。と眠っていて。
毛布をかけてもらっても、少しみじろいだりしたけれど、目を覚ましたりしなかった。
うとうと。
うとうとうと。
ぎゅうっとかけられた毛布を握りしめていて]
……んー。
[眉が寄る。それから目を開けて、瞬いて。
はた、と気付いて]
……! 寝ちゃった!
あ。
…!
[しかも室内に人がたくさんいたし、毛布がかけられている。
現状を理解して、かあっと真っ赤に顔を染めると、毛布に隠れた]
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