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ひとりはさみし、ふたりはこいし、みえぬかなしみ、よるもおわらず…
[朝餉も取らず縁側に腰掛け歌を紡ぐ。思うは幼き時の事、己を兄と慕いしおのこ―]
烈琥―
[ぽつり、囁きし名は溶けて消えるか―]
[縁側で歌紡ぐ雅詠の背には、眼差し向けれど言葉なく。
朝餉貰えば、ふらりと外へ。
水かさ増えしか気にかかり、川辺あたりを歩み往く。]
やれ、不思議や。
あれほど降っても溢れはせぬか……
[川渡らんとした、ねいろを思うたか。僅か安堵の色浮かべ。]
何故―
[―不意に紡がれし言の葉を、聞くは昼餉の誘いの童。
それに気付く事も無きまま、次から次へと言の葉が舞う―]
―何故こうもあやつの事が気に掛るのじゃろうな。
[眼裏に鮮やかに浮かぶ紫苑の髪。飄々とした風体の、そのくせ人一倍食えそうにあらぬ奴―]
[泥濘に足取られぬように、気を払いつつしばし歩み。
朝霧うすれるその向こう、青い姿を見つけきょとり瞬いた。]
…ああ、揺藍殿であったか。
[声をかけつ近寄れば、蜜色は何を見ていよう。
くしゃり乱れるくすんだ空色は、雨に降られた猫にも見えん。]
やれ、もったいない。
梳いてやれば美しかろうに。
[手を伸ばせばその髪を、手櫛で梳こうとするだろか。]
[―そこでふる、と頭を振り]
―いや、そのような事あるはずもない―ん?
[―と、漸く童に気付いたか、笑みを浮かべて頭を撫でる]
すまんな、待たせてしまったか。
[そしてゆるりと立ち上がり、昼餉の席へ向かおうか]
〔晴れし青空の下を歩む女は黒を纏ひて、
手にはのっぺらぼうの白き坊主がひとり。
濡れし土は野を進まむとすものを遮るやうに、
まとはりて足を絡め取るは誰そを引き留めしか。
露を含む白花はゆくなかへるなと希うやうに、
重き頭を垂れつつ滴落とすもまた涙と見ゆか。〕
[あてなく川辺をそぞろ歩き、やがて空腹覚えたか。
踵返して館へと。門をくぐれば昼餉の匂い。]
ああ、いただこう。
[昼餉を問う童子に頷き、座敷へと。
先に座したるおのこには、頭を僅か下げて膳につく。]
…やれ、みなは何処へ行ったやら。
[誰にともなく呟いて、箸を口に運び出す。]
〔小指へと紅を移して面なき坊主に与えしは、
円き眼と弧描く口、女にどこか似た笑みの貌。
次には巾着の内から取り出しは小さき瓶、
中身を法師の頭より振りかければ酒精漂う。
朱唇が緩く動きて零れし言の葉は感謝を紡ぐ。
坊は顔を貰ひ受け酒を飲めば機嫌も好かろうか。〕
〔辺りを取り囲みし川を流れるならば、
回り廻れどゆくもかへるも出来るまじ。
しかして姿は清流の内に消え失せて、
後に残されしはせせらぎばかりなり。
これもまた神隠しにでも遭うたがゆえか、
それとも天命を全うして彼岸へ向いしか。
何方にしても真を知る者は居らざりけり。〕
[戻りし琥珀に会釈を返し、常よりゆるりと箸を繰る]
さあて、何処におるやらおらぬやら―
[やはり誰ともなしに呟き返し、髪を払いて粥を啜る]
こわいとおもうかは心次第。
悪しを想像するならこわかろう、
好きを想像するならこわくはなかろう。
何をおもうているかは知らぬけれども、
後に悔やまぬ選択をと願おうか。
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