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─広間─
あら。
[ラッセルがギルバートにしがみつく姿に、意外なものを感じて瞬きをひとつ。
けれど、今はそれに対して追及する状況でもない、と意識は向けず。
縋るような視線を向けるヘンリエッタの傍らへ向かい、安心させるよに笑いかけてから、視線はラッセルの傍らのギルバートへ。
アーヴァインの死については聞いたが、死体の状態までは聞かずにおいたのだが。
その死に様と、「たべられる」という言葉には関わりがあるのか、と。
込められるのは、そんな疑問]
―玄関→広間―
[セシリアの後を追うようにして、マンジローと一緒に広間へと入る。
中には人がたくさんいた。
おびえている人に、不思議そうな目を向ける。
それでも、問う前にギルバートに話しかけられて。]
うん、あのね。
なんだか、案内してくれた人とかが、燃やしちゃってたんだよ。
つりばし?
[マンジローがわかりやすく言い直してくれたかもしれない。]
僕が見たときには、渡り終わる頃だったと思うよ。
でも、全員かどうかはわかんない。だって、煙がひどかったんだもん。
[近づいたら熱そうだったし、と。
そんなことを言って。
誰も来ない。ヘンリエッタの呟きに、どうだろうなぁと内心で首を捻った。
彼女にとっての助けは、誰も来ないかもしれないけれど。]
きっと、誰かは来てくれると思うけど。
[ヘンリエッタを見て、他の人を見て、首を傾げた。
怯えている人も多いみたいに見えた。]
……?
人狼って、逃げちゃったんでしょ?
[マンジローのことを見上げて尋ねる。]
食べられるって、ラッセルさんが言ってるけど、人狼ってここにいるの???
―広間―
[ギルバートが水を差し出すと、少し警戒した様子を見せながら黙ってそれを受け取る。
広間に次々と人が集まってくるがハーヴェイの姿が見えない。
皆の会話に吊り橋が落ちたと聞く、この屋敷が周りと閉ざされた。
ラッセルがギルバートに話してる声が聞こえてくる。怖い…はやく助けて欲しい。]
……(ふるふる
[手にした水には口をつけず広間から飛び出したい気分を抑えている。
コップの中の水が自分の震えに合わせて波紋を起こす]
―広間―
[声を落とした所で事実はすぐに知れてしまう。
隣に座るラッセルが怯えて呟くのを訊いて、しがみ付く手にもう片方の手を添える。これ以上怯えさせないように触れるだけ]
大丈夫だから。
[気休めにしかならない言葉。
食べられる、と言うのは人狼のことだろう。それを相手にしてどうなるかなど解るはずもなくて。
そうして、ふと先ほど言われた事を思い出す]
なぁ、ラッセル…「ひつじ」って何のことだ?
[出来るだけ声を落としてラッセルに問いかける。
ラッセルがこちらを見て何かを言いかけて、また俯いて口を閉ざす。怯えた色は変わらない]
余計なこと訊いてごめんな?
[そう言って、触れていた手を励ますように軽く叩く。
昨夜ラッセルが言っていた事、そして今の怯え方から余程酷い目にあったのだろうと。記憶を無くすほどに]
大丈夫だ…少なくとも「俺は」お前に危害は加えない。
殴ったりもしない。
…俺は「ひつじ」なんだろう?
[そんな言葉が気休めになるかは知らない。だけど、少しでも何かが出来るなら。
そうして、ふと思う]
おおかみと、ひつじ……
[捕食するものとされるもの。そうして、自分は「ひつじ」…]
まいったね、これは。
[ラッセルを怯えさせないように、喉の奥で、笑った]
―広間―
[安心させるようなキャロルの笑みに愁眉を解いた。
追い掛ける様にギルバートに向けた視線をトビーへと転じる]
随分と落ち着いていらっしゃるのね。
怖くはありませんの。
[余りにも平然としている少年が逆に怖くさえ思えた]
―広間―
[人狼なんて、特別なにか気持ちをこめて言ったわけでもない。
ただ、逆に言えば声も抑えていない。
きょろきょろと見回していた視線は、シャーロットの様子を見て、首を傾げる。]
……シャーロットさん?
[大丈夫?と近づいて下から見上げる。じーっと。]
誰かよんでくる?ハーヴェイさん?
[昨日仲がよさそうだった人の名前を言ってみる。
どこにいるのか知らないけど、行ってくるよ?とか聞いて、是が返るなら広間を出て行くつもり。]
特別こわいってことはないなぁ。
だって、死ぬのは、みんな一緒だし。
[どうして怖いのか、というような目でヘンリエッタを見る。]
雪が降ってきたって、熱があったって、殴られたって、おなかがすいたって、みんな死んじゃうんだよ。
どうして怖いの?
いつも、死んじゃうかもしれないのに。
死ぬのがこわいんじゃなくて、人狼?が怖いの?
[逆にヘンリエッタへと向ける視線は、疑問ばかりが*含まれている*]
[視線を感じて顔を上げる。
キャロルのそれに浮かぶのは疑問の色で]
何…?
[言いかけて、言葉を変える]
アーヴァインの旦那の事は聞いたか?
[その先を口にするのを少し躊躇う。傍らに居るラッセルのこともだけど、何より相手が女性だから]
……旦那を殺したのは…人狼らしい。
[伝えるのはそれだけ。
だけど、人狼について知る者であれば、それがどういうことか想像がつくかもしれない]
[広間にはいってきたピュエリアには視線を向けない。
コエにだけ出して囁く]
どうしよう…ピュエリア…危険かもしれないし。
アグレアスはどう思う?
[アグレアスの答えを待つ]
―広間―
ギルバートさんありがとうございます。
[普段から体力は付けておくべきだと思う。
館内を走り回ったせいで喉が焼けるようだった。
ギルバートから水を受け取り、ゆっくりと流し込む]
ここから出られないなんて……どうすれば……。
[なんとか出る方法はないものだろうか。
人狼に遭遇するなど滅多にない。この機会を逃す手はないのだ。
人狼を殺したい。殺したい。殺したい。
何故そう思うのかセシリア自身にも分からないが、それは食欲等と良く似ていてごく当たり前に自然と湧き上がってくる欲求だった]
─広間─
[ヘンリエッタが問いかける声を追うように、トビーへ視線を向ける]
……言ってる事に、納得できなくはないけれど。
[零れたのは、こんな呟き。
少年が生きてきたのは、そういった事が当たり前の世界なのだろう、と。
察しはつくが、その冷静さは一種異様にも思えた]
……。
[軽く、首を振った所でギルバートから返る答え。
小さく、息を吐いた]
……そう。
つまりは、そういう事、か……困ったものね。
[旅暮らし、人狼の名を聞くことは幾度となくあった。
それらと状況を繋ぎ合わせたなら、答えは見える]
[トビーがこちらに近寄り見上げてくる。この状況でも周りにくらべて平静な様子のトビー。
あの時、皆冷静になろうと言った人が最初に殺されて…]
……
[問いかける声にじっと視線を返してから返答に迷う。
答えに迷っているうちにヘンリエッタに話しかける声が聞こえる。
トビーのほうを見たまま首をぶんぶんと横に振り、ぎゅっとトビーを抱きしめた]
……
[余計な事は口走るといけない、誰にいつ殺されるかわからない。
この子の正体はよくわからない、けれども心配だったから。
すぐにあわてたようにその体を離した。]
[ギルバートから告げられる謝罪と、危害を加えないと言う言葉。
ひつじ、と繰り返されると視線を落としたまま何度も頷いた。
慕う人物と重ねている部分も少なくなかったが、自分で視た分、ギルバートへの警戒心はほとんど薄れている。
頼るように、しがみ付いていた手に籠る力が増した]
[ギルバートが傍に居るお陰か、怖がる様子はそのままだがパニックに陥ることは避けられた。
徐々に周囲に眼を向けられるようになってくる。
同じように震えるシャーロット、それと対照的に歳不相応に落ち着いているトビー。
育ちの違いはあれど、その落ち着きぶりには恐怖と猜疑が首を擡げる]
………。
[けれど確かめるために踏み込む勇気が無い。
確かめるためには触れなければならず、そして「おおかみ」を見てしまうのが怖かった]
家に入ったりお医者様を呼んだりすれば良いではないですか。
殴られるのは…。
[手荒に扱われた事を思い出して小さく震える。
其れはトビーの想像する物よりずっと穏やかでしか無いのだろうけれども恐ろしい体験だった]
兎に角怖いですわ。
死んでしまったらもう何も出来無いではありませんか。
[考えが分からない。
得体の知れないものを見るような視線をトビーに向けてしまった]
其れを人狼が齎すのなら人狼も怖いですわ。
[但し未だその実感は無い]
[ラッセルの視線がこちらを見ているのを感じた。]
……(ふるふる
[怖い、怖い、あの時に似てる。怖い。
周囲が人狼だと騒いでいる。ラッセルがトビーを見る姿、トビーの様子]
……
[ラッセルのほうにおびえた視線をそちらに向けた。]
[インサニアが此方を見ない理由には気が付いたから同じ様に何某の反応をすることはせず]
でも。
見付かったらインサニアもアグレアスも。
[殺されてしまう]
他に如何したら。
[何か出来る事は無いのだろうかと囁く]
[怖い。トビーの向けてくる疑問が根本から分からなくて尚怖い。
逃げる様に視線を逸らす]
ねえヴォルフェ様。
怖いですわよね。
[其の先に居たセシリアに同意を求めてみた]
─広間─
[少年少女の間を飛び交う、視線。
こもる感情はそれぞれ異なるようで。
厄介な、とは思うものの、口出しをするのは更に難しい。
それでも、ヘンリエッタが微かに身を震わせるのに気づいたなら、宥めるよに肩を軽く、叩いて]
……とりあえず。
お茶をいれましょうか。
張り詰めてばかりいても、身が持ちませんもの。
[気楽に構えていられないのも道理ではあるけれど。
緊張を続け、それが切れてしまったなら、状況が悪化するのは目に見えていた]
[ギルバートの腕を掴んで居た手を放し、視線を掌へと向ける。
触れてしまうと視えてしまう。
視るのが怖くて今まで接触を拒絶していた。
けれどこの先人狼を探すことになるのなら、忌避している場合ではないのかも知れない。
それでも、怖いものは、怖い]
…………?
[ひゅ、と息を吸い込むと、再び視線を周囲へと向けた。
丁度、シャーロットがこちらを見ていて、視線がかち合う。
向けられる怯えた眼。
何故そんな風に見られるのかが分からず、困惑の色を示した]
[どこで何をしているのやら。
届いたコエに、顔をあげるような気配。]
……占い師は、おそらくラッセルだ。インサニア、奴には近づくな。絶対に。
[占い師にも種類は様々。ラッセルの能力の発動タイミングが分からない以上、近づくのは危険だった。]
…ピュエリアは。占い師の事は知っているかい?
知っているならば、上手く人間を騙し通せる自信はあるか?
無理に嘘をつけば心の負担になる。出来るだけ俺たちが支えになるが…。
[酷なことを言うようだったが。
やるかどうかはピュエリア自身に任せると、告げた。]
[そして問いかけたシャーロットからの答えが返る前に、ヘンリエッタのほうを見ていたから、シャーロットに抱きしめられてびっくりした声が出た。
触ればわかるだろう、細く骨ばった体。見上げたら、首を横に振る姿。
すぐに離れたシャーロットの腕を見て、]
びっくりしたぁ。
シャーロットさん、あったかいね。
[嬉しくなって笑う。
だけれど、キャロルの向ける視線の意味も、言葉の意味もわからない。]
だってそうでしょう?
いつもと同じだよ。
[死ぬのも、生きるのも。
怯えて、壊れたら、先に死んでいくものだ。と、トビーは学んでいる。]
…あ。
[キャロルに肩を叩かれて其処に入っていた力を抜く]
お茶を淹れるのならお手伝い致します。
其の位なら出来ますもの。
[唯座っているだけよりは不安を忘れられそうだった。
セシリアに会釈すると立ち上がろうと*した*]
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