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[少しだけ頬笑む。ユージーンの前髪に触れ掛け、途中で止める。]
…前髪が長過ぎるんじゃないかしら。
[けれども、直ぐにアーヴァインの硬い声を思い出し、顔を顰める。煙草を一本取り出し、ユージーンに煙が届かない様にして吸う。]
処刑投票をせずに…。
そうね、特殊な分野に精通したお医者様か、動物学者か。逆に馬鹿馬鹿しいけど、本物の占い師か予言者みたいな人でも居れば──。
そろそろ、あたしは街に戻るわ。
あまりに理不尽な事って感情が麻痺してしまうわね。
あなたとも、嫌でも、集会所で会うでしょうけど──。
[彼は、気にしたように髪の毛を弄ぶ。]
…
[何となく、煙草を吸っているキャロルに背を向けながら、考えを纏めるように数歩歩いた。]
アーヴァインさんは、人狼を見つけ出す事が出来る人が、1人、居ると言っていました。それから、死者が人狼か人間か分かる人が、1人、
誰かを守る事が出来る人が1人…
その三人の中で、見つけ出す事が出来る人が、投票処刑前に見つけ出す事が出来たのなら…投票処刑をせずに、人狼を捕まえるだけで事足ります。
→グラハム家前―
[まだBARの開く時間じゃない。ひとまず集会所に顔出ししておこう。
悩むことそのものに慣れない頭が痛む。
...は夕暮れの道を*歩き出した*]
−集会所・会議室−
……誰もいないよ、今は。残ってるのは婆だけさ。
心配しなさんな。戻ってくるよ。良い子ばかりだもの、むかしむかしのお話のようにね。
坊やこそ、なにをそんなに焦っておいでだい。男はドンと構えておいで。
ああ、ところであんたの集めてきたこの紙ッキレ、13枚しかないよ。席は14じゃなかったかい。
……ククク、気に障ったかね。
もう無理だ。始まっちまったんだもの。引きかえせやしないよ、いい加減に覚悟を決めな。
……狼が『三匹』だって予測されたから、だろう? 急に余分の席が増えたのは。
そして用意された席が、坊やの分だった。
くだらないことさね。ああ、くだらないさ。年寄りの昔話は廃れても、くだらないことだけ忘れられない連中がいる。
さあ、どうするね。もしもアンタが望むなら……
……フン、行っちまったか。損な性分だねえ、あの子も。
[デボラはじっと、外へ駆け出していくアーヴァインの背中を見つめていた]
─嘆き島─
…帰りたく無い。
それは、ごくまともな感覚だわ。
あたしも今のうちにここから逃げようかしら。
[一度捨てて逃げた街だもの、二度逃げたって構いやしないでしょう…。親父だって自業自得なんだから、と、呟く声は小さい。]
あなたもこの島に居たら、自警団に集会所に連れもどされるわよ、きっと。
[煙草を揉み消し鞄を持ち直すと、ユージーンに背を向け、陸地へと戻る*船へ向かう*。]
……知ってるかい、モーガンの子倅。
何故かつて領主様だった一族の連中が代々、自警団員なんてやってるか。
そう、むかしむかしの話さ……『出た』んだよ。
あの一族の墓には、爪と牙が埋もれているのさ。
今はだれも覚えていない。覚えていないから、同じように間違える。
知らないはずはないね。村のものだったら。あの一族が狼憑きと噂されてることくらい。
むかしむかし、たった一度のお話なのに。
人は感謝を忘れても、怨みは決して忘れない。
被害者を増やさぬためにと『狼狩り』の伝承を見つけてきたのは、領主様だったというのにねえ。
ああ、むかしむかしのお話さ。
[誰にともなく、デボラは昔話を続けている。
セシリアやカミーラが奥の部屋にいることは知っていたが、自警団長を対面させずに追い払ったのはおそらく正解だったろう]
―集会所―
よっ。ごくろうさん。
[自警団員に気安く声を掛けて、集会所に現れる。肩にはなにやら大きな袋]
こんばんは……って、なんだよ。人少ないんだな。婆さん一人かい?
[老婆とは森ですれ違ったような気がするが、確信はない。自分の存在に気づいていないらしい老婆に咳払いして、話しかける]
あのさ、これからちょっと、外がキナ臭いかもしれない。
ああ、安心してくれ。
そんなに長い時間じゃないし、みんなの分もあるから。
[にっと人懐っこい笑顔を見せて、集会所の外へ出て行った]
―海辺 桟橋そば―
[幾度か繰り返した旋律は、やがて月に吸い込まれるように消える。
小さな横笛を口唇から離し、ケースにしまうと立ち上がる。
また、行かねばなるまい。あの集会所へ。]
……おれのせいで、サーカスに疑いをかけるわけにもいかないしな。
[夜の海は暗く、どこか不気味にも思える。それはその向こうに、あの嘆き島が見えるからだろうか。
それとも……あの話への不安がそうさせるのか。
首を振り、目をそらし、集会所へと向かう]
[ギルバートへ振り向いて]
戻ってきたね、若いの。
カカカ、出迎えがこの婆じゃ不満かい。可愛い子なら奥にいるよ。
……おや。モーガンの倅でも、サーカスの色男でもないのかい。
フフン、するとあんたが噂の旅人かね。
派手にやったそうじゃないか。怪我した子たちが泣きごと言ってたよ。
……ん、前に会ったかね。
言われてみれば、確かにそう、何時だったかね……あれはむかしむかし……
―集会所 外―
[自警団員を見て、彼は頭を下げる。
口唇がやわらかな微笑みを作る。]
こんばんは、寒い中お疲れ様です。
あぁ、今日の見ていたんですか。
落ちたのも、演出ですよ。姉はお茶目なんです
[くすくすと笑いながら、そんなことを言う。
と、扉が開いて出てきた青年を見る。]
―集会所入口脇―
[怪訝な顔をする自警団員に構わず、焚き火をはじめる。
持参のダッチオーブンを仕掛け、中に石と、同じく持参したサツマイモを放り込む]
あんたらも、焚き火に当たれば?今日、結構冷えるぜ。
[見張りの自警団員に言いながら楽しげに火をかき立てる。こうして待っていれば、程なく芋が香ばしく焼きあがるだろう]
おやおや、せわしのない子だねえ。近頃の子たちときたら、慌しくっていけないよ。
ククク、まあいいさ。若いうちはたんと無茶をするもんだ。
フフン。なるほど、村では見かけない子だよ。でもあれは見覚えがあるね。
面白いやんちゃ坊主じゃないか。男の子はあのくらい元気がいい。
[ギルバートの背中を見送りながら、記憶の糸をたどっている]
よう。
[今度こそ見知った顔だ。ハーヴェイに声を掛けて、まだ名前を知らないのに気がついた]
オレの来ない間にまた人が増えたみたいだな。
こんばんは
[ギルバートに声をかけられ、微笑って挨拶を返す。]
そうですね、昨日、たくさんの方がいらっしゃいました。
姿を見ただけですけれど。
[そういいながら、相手の名前を知らないことに今更気づく。]
おれは、ハーヴェイといいます。
先日の怪我、大丈夫でしたか?
オレはギルバート。怪我は平気だよ(まあ、自業自得だしな)。うん、サンキュ。
[人が増えた、と聞いて少し表情が暗くなる]
そうか。ってことは『人狼探し』がまた始まるんだな…。
―屋敷・(所謂イストー邸)―
[一巡り、掃除を終え、全てあらい終えた使用済みの雑巾を、屋根で囲まれた物干し場へ吊す。
ネリーの直接の雇い主であるところのこの家の家長、資産家の男は今は居らず、その一人息子は昨日は帰らなかった。]
ミッキー様は…
[何処かほっつき歩いているのだろうか、という考えが自然と、”何か事件に巻き込まれたのでは”というより優先的に思い浮かぶ。
ネリーはまた、白い雑巾をパン、と伸ばして吊す。]
それならよかったです。
[微笑って、しかしその表情を見て、
言葉を聞いて、一度、瞬く]
また、ですか……?
……以前にも、起きたのですか?
[以前にも…と言われ、あいまいに首を振る]
この村で起きたことがあるかどうかは、知らん。だが、オレは余所で人狼騒ぎに巻き込まれたばっかりなんだよ。
あれから何週間もたってないってのに。
[不意に声を大きくして、あえてわざとらしく]
あーあ!オレってばついてないぜ。
[作った明るさで無理やり笑って見せるが、その表情はゆがんでいるかもしれない]
―屋敷・(所謂イストー邸)―
[この家は一人息子さえ居なければ、仕事量は半分以下で済む、ネリーはと思う。
今日はその一人息子も含め住人の殆どが出払って居るから厨房へも火を入れる必要は無く、仕事は簡潔だった。
もし、例の一人息子が不意に帰宅しても暫く場を繋げるだけの、非常食(今日はクッキーだ)を作りはしたが、いざ食べる相手が居ないとなると処分へ困る。
何れ暗くなる前に戻るとは思っていたのだが…]
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