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[粥を一口二口食うて、かりりと音立て漬物齧る。
呟き返れば琥珀を上げて、象牙の髪が払われるを見やり。]
何処へもゆくもかえるも出来ぬ。
なればいずれは戻ろうか。
…されどいつまでこの地にて、我を留めるつもりやら。
[吐息を零し、撫子色に清水寄せ、]
…そなたはどうじゃ、雅詠殿。
ゆくかかえるか、はたまた何かを望まれるや?
[こくり白き喉を清水が通りゆく。]
俺は―
[箸を下ろして思案顔、果たして己が望みしは―]
―俺は、ゆくもかえるもどうでもよい。ただ―ひとつ、確かめたい事がある。
[ゆくもかえるもどちらでも、二度と会えはしないだろう、ならばここにいるうちに―]
―烏の兄さんにな。
[思案する様子を見つつ、三日月に欠けた漬物口に放る。
返る言の葉噛み砕くよに、かりりと音を立てようか。]
確かめる…烏殿に?
[その名を聞けば、琥珀は驚いたよに見開かれ、]
――何を、
…否、よい。
我が…聞くべきではなかろうて……すまぬ。
[問い詰めかけるを飲み込んで、琥珀逸らして小さな謝罪。]
[唇濡らして湯飲み置き、躊躇いがちに眼差し向けて、]
…そなたこそ、謝らずともよいのじゃ。
我が先に問うたのじゃから。
[ふるり頭を横に振る。]
そのようなこと申されるな。
そなたが気にかけるであらば、つまらなくなど――
[眼に浮かぶ光を見れば、言の葉途切れ口噤む。]
[席を立つその背を見送って、何言うでなく湯飲みを傾ける。
やがて膳を下げられれば、立ち上がりて縁側へ。]
…そなたもこなたも、迷い惑っておるのじゃろか。
なあ天狗よ、何を考え我らを呼んだ…?
[梁に背預け座り込み、*青空見上げ呟いた*]
[ぼんやりと思い更ける合間、現れた白の舞手に蜜色をかすかにゆらす。
伸ばされた手には貸すかな戸惑いも見せたけれど、かといってその手を払い除けるわけでもなく、ただその指先が髪を調える様子をまるで猫のように機嫌良さげにされるにまかせよう]
[礼を音にしようとした唇はわずかに揺れるのみ。
音にはならずただ幽かに空気を揺らし、そして行く背を見送るのみ]
[小さな音に振り向けば、童子が茶請けを運びしところ。
傍に置こうとするを琥珀が見つめれば、首を傾げて見返す瞳。]
ああ、すまぬ…否、ありがとの。
[迷いながらも手を伸べて、ようようぎこちなく頭撫でてやる。
童子にこりと笑み返し、ささめきながら何処へか。]
[再び川霧に黄昏ておればくう、と鳴いたのは知らぬ獣か己の腹か。
するりと薄い腹に手を添えれば音はもうひとつ聞こえたから漸く川辺りを下がり館へと。
童子に案内されるままに縁側へと姿見せればえいかと雅詠に幽かに頭もさげようことだろう]
[童子と共に現れるその足音と衣擦れに、振り返れば色あであやな海藍が目に入ろうか。]
…ああ、どうもじゃ。
[頭下げられれば瞬いて、魅入られし琥珀をついと逸らす。
白き袖持ち上げる陰にて、口元ついた餡をこそりと拭おうか。]
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