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−東部:草原−
[雷鳴轟く山の未だ望める位置]
[晒された土から][豊かな緑へと][移りゆく地面]
[南へと下り草原を進んでいく]
[その傍らには小さな湖]
[細い路はせせらぐ川へと繋がり]
[波の音とは異なる断続的な旋律が連ねられる]
[途中、アーベルが来て機鋼竜に語りかけていたのを、キーボードを叩きながらちらりと見ていたが、声をかけることはせず]
そうだよ
< 猫はそう答えたつもりです。ナターリエが腰掛けたそうなので、ちょっと場所をあけます。
気持ち良いよというように、羽根をぱたぱたさせて、にゃあ。
足をひたす様子に、猫は心配そうに、近付きました。にゃあ。 >
[彼の猫の鳴き声に、私は目元を和ませて指先を伸ばす。
水に濡れた耳を軽く突付くよに触れ、羽根が散らす雫に目を細める]
冷たくて気持ちよいの…。
[心配そうに近づく様子に、心配ないと緩やかに首を振る。
10年前の怪我を――暴かれし真珠の角を削られ、左後脚に骨まで貫く棘の枷を嵌められていた姿を――彼の猫は知っているが故に]
< 細い指が、猫の耳に触れます。もっとというように、頭を寄せて >
…気持ち良いけど。
< 少し、水を見ました。その中の足を、見ました。
にゃあ。
もし人の姿だったら、見せて、って、言えていたでしょうに。 >
< それから、やってくる足音に、そちらに視線をむけました。
アーベルの問いかけ。あら、もうこんなに近い。 >
みずあび?
< にゃー。 >
[歩み寄る足音に気付き、私は警戒の眼差しを向け――かけて、それは戸惑いへと変わる。
未だ恐れは消えぬけれど、逃げ出すほどではなく]
…何をと、や?
私は脚を浸しておりまする…心地よき故に。
そなたこそ…?
[私は僅かに迷いつつも、問われた言葉に答える。
緩やかに首を傾けて問わば、白金の蓬髪が頬と肩を覆おうか]
[白猫の言葉][鳴き声にしか聞こえず]
……心地好い。
[足を浸す様子を見やり]
[少し離れた位置、][しゃがみ込む]
[流れゆく水を視線で追って]
[僅か斜めになった姿勢][長い前髪が揺れる]
< アーベルの様子をけげんそうに、猫は見ていましたけれど。なでられて、きもちよさげに、目をほそめました。
それでも、少しかんがえて、その手の下、ぽちゃんと水にふたたび落ちます。いえ、もぐります。
とうとつな、行動でした。
言えないなら、自分で見に行ってしまえばいいだけです。 >
[少し離れてしゃがむ姿を、横から見つめる。
長い前髪が揺れらば、色の異なる双眸が垣間見えるや否や?]
……どう…なされた?
[水面に触れかけて止まりし様子に、緩やかに瞬く]
[ぱち、]
[何かが弾けたように思って]
[一瞬、手を止めたのだけれど]
ん。何でも無い。
[ぱしゃり、]
[川の中へと沈む右の手]
[抑えられぬ雷撃の気]
[水へと呼ばれ、][内より外へと流れ出る]
―昨夜:屋敷前―
[オトフリートの言葉、ユーディットの言葉。
そしてほかの幾重にも重ねられる言葉に、月闇の竜と火の竜が消えた事が把握できた。
エルザに答えようとして遅れた時、聞こえたのは声――何を言っているのかは全く分からなかったが。
遠隔で人を「消す」なんて事ができるのか?と一度屋敷の周りを走って回ってみたが何も見つけることは出来ず。
相変わらず、その体躯を玄関に詰まらせるしか出来なかった。
夜半、オトフリートが展開した防護の陣にほう、と息を吐き、少しの間眠ったか]
バレないもーん。
[転送機を肩と耳の間に挟んで立ち上がった]
勝手にするさ。ていうか、ミリィは役立たずだし、アーベルは何考えてるかわっかんないしねー。
―現在―
くぁ…。
[欠伸をひとつ。
寝てしまっていたようで、ふるふる、と顔を振って目を覚ました。
屋根の上のハインリヒは起きているだろうか、ユリアンと交代しただろうか?
前足で顔をでしでしと叩いた。]
< ナターリエの足を見ようと思ったその時でした。
猫の身体の、骨がすけてみえた、なんていうこと、あったかもしれません。 >
―屋敷二階・個室―
[結局朝まで大人しく部屋に居たようだ。
小走りに階段を駆け下り、広間に人が居ないことを確かめてから厨房に入った。
フライパンの蓋をあげると昨晩の残りのムニエル。他にもサラダ、パンなどが残っていた。火竜は”消えた”ようだし、彼はどうも大食漢のようだったから料理が残ったのかも知れない。
探査の結果、大きなナプキンを発見した。残っていた食事を風呂敷包みにして足早に外へ出る]
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