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……ぶつかりでもしたのかよ?
[カヤの物言いから、何となく予測して、こんな事を問いつつ]
よ、昨夜ぶり。
[ゲルダに向ける言葉も軽く。
それから、ローザ、と呼ばれた少女に向き直る]
んー、ゲルダの知り合いか。
俺は、アーベル、こいつはハルフェ。
[よろしく、と軽い口調で名乗り]
いや、別に?
これから、練習所に行くとこ。
[どうしたの、という問いには、けらり、と笑ってこう返した]
[エルザから大変ですねといわれると、少し考え込むように首をひねり]
んー。
大変っちゃあ大変だけど、毎日、同じことの繰り返しじゃねえってことは楽しいもんだよ。
色々なところにも行けっしな。
[父のことを言われると、少しだけ意外そうな顔で]
ん?
いや、尊敬はしてんだぜ?
何しろ練習でも、親父からまだ一本も取ったことねえし。ただ、自他共に認める変人なだけさ。
それでもまあ、英雄ってのは言いすぎだとは思うけどな。ははっ。
ええ。結構前からいらしてて。
孤児院でも時々上演して頂いてます。
[笑みを浮かべて答えた。
人形師自身の都合についてとなれば、その笑みもやや薄くなったが]
そうですね。…でも、緊急の事態ですし。
ぼくからも話を通しておきましょう。
[実際、それ程余裕があるのかは分からないが]
ああ、違う違う。『今回』も何も、あっちは完全な別件
一人旅をしてると色々入用だからねぇ
『お仕事』の掛け持ちは必須事項なんだよ
ん。もちろん、頼りにしてるよ
[父親の話でショックを受けたらしいレナーテに笑って、エルザの言葉に頷いた]
あはは、ごめんなさい。
でも豪胆でどこか憎めなくって、やる時はやるってプラスのイメージだよー。
運動は……木登りとかかけっことか、結構やってるけど。院の子たちともっと遊ぼっかなー、うん。
[ゲルダに「私の友達なんだ」と紹介されれば、友達って認定されたーと、喜びのために頬がにやける。]
よし!多分これで最後なの。
籠はあとでざーって水で流せば完璧だわ!
その後乾かしたらもっと完璧なの!
ご協力ありがとう!
[ざらざらーと空き瓶にガラスの破片を流してから、ゲルダとカヤにお礼を言う。]
おお、カッコいいなぁ。
[そしてこちらを見た青年にそう洩らしてからお辞儀]
アーベルとー…ハルフェ!覚えた。覚えたと思う!
鳥だー!くえー![両手を広げて鳥のポーズ]
あのね、香水売ってるの、気が向いたらよろしくね〜。
[何もなかったかの様に姿勢を正して手を振ってみせる]
……そんなものなんですか。エルさんも、寂しくなります?
[不思議そうに問いかけ]
え、街の楽団って、師匠が?
そんな話、初耳ですよー。でもどうして辞めちゃったんだろ……。
[色々なことを話しつつ移動していると、程なく露店が見えてきて、レナーテがその品揃えを見つめた]
……テンプラ?
また、随分と珍しいもん売ってんな。
[昔旅した国の一つに、そういうのをメインにすえた店があったような気がする]
『へっへー。
ウチの自慢の一品でさあ。
さて、何をお買い上げいただけます?』
全部。
『……は?』
[一瞬の躊躇も無く答える姿に、店主は一瞬言葉を失った]
だから、全種類くれ。
一つ一つなんてまどろっこしいしな。
『へ……へい!』
[そう言うと、彼女の前に積み上げられるのは、もうこれでもかというほど色々な種類の天ぷらであり、その数およそ50種類を超える]
ん? あー、カヤでいいぜ、ちゃんとかつけられると
こう、背中がもにゃもにゃする。
[ローザの言葉ににっかりと笑い
あやまられるのには、手をぱたぱたと振った。]
いや、気にしねぇで?
っつかなんかでっけぇの割ったのに貰ったりできねぇって!
[言いながらも、目はカットの多いキラキラとした硝子瓶に
チラチラとたまに向けられて。
聞こえたアーベルの言葉に、半眼を向けて]
練習所?メシでも食いにかぁ?
[にんまりと笑ってみた。]
[同業者の会話は、詰襟の釦の一つ、その中に仕込まれた端末を通して聞こえてくる。
音が周りに漏れ出さないのは特殊魔法が施されている為であった。製作者は彼ではないが。
2人の会話に特に口を挟むことは無く、ましてや表で行われている話をわざわざ伝えることも無い]
あれ、もしかしてローザはカヤちゃんのこと男の子だと思っていたの?
やだなー、こんな可愛い子が男のわけないじゃないか
[そう言ってばしばしとローザを叩こうとする]
へぇ、必須なんだ。
あーっつか俺も煙突掃除は続けるしなぁ。
そんなもんかもな。
[言葉は口から外へは出ず
口の中でもごもごと念じるように。
どうやらそれも拾うらしき端末に、
すっげぇな、と、正直な感想。]
覚えたと思うー、て何、覚えたと思うー、て。
[ローザの言葉に思わず突っ込みを入れつつ。
鳥のポーズに、肩の隼はこきゅ、と首を傾げた後、答えるように翼を広げたり]
へぇ、香水。
……っても、俺には用ないしなぁ。
[姿勢を正しての言葉には、がじ、と蒼の髪を掻きつつこう返した]
楽しめているのなら、良いことです。
[意外そうなレナーテの、尊敬との言葉を聞き少し安堵した]
自他ともに、ですか……面白い方なんですね。
それに、とてもお強いみたい。
レナーテさんに勝てないなんて――
[言葉を続けるより前に、露店に辿り着いたレナーテが買い求めた品に目を瞠り]
……、それは育ちもするはず。
[ぽつんと呟いた]
―広場・露店側―
おっと、探す必要は省けたか。
[こちらにやってくる集団を見つける]
俺の方が先になるとは、何かあったのかな。
[エルザの姿に一瞬躊躇うも]
[ベッティに声を掛けた]
[そして、アーベルの言葉にはにこりと笑顔を向け]
あー、そうなんだ
本番に出るからには、ちゃんと練習しないと駄目だよ
[そう言って釘を刺しておく]
[出来上がった山菜の天ぷらを一つ加えながら、ベッティの言葉を聞くと]
そうか。プラスのイメージか。ならいいや。
[あっさりと立ち直った]
ああ。遊びでも体を動かしてると少しは違うしな。
ランニングとかも、20kmぐらいは走れるようになると、ちょっとは違うと思うぜ。
[そういう短い言葉の中ですでに、天ぷら5つ目を口に入れる]
[ライヒアルトから告げられる言葉に、数度頷く。
笑みの薄らぐ様子には気づいて、エリザベートの表情も翳りを帯びるが]
ええ、お願いします。
いきなり頼み込むよりは、どなたかの仲介があったほうが宜しいかと。
相手方の都合がつけば、こちらの時間はこじ開けますし。
[丁寧な口調とは裏腹に、力強く言う。]
[ふと前を見れば、剣士は既に露店の一つを覗いている。
初めは何気なく見ていたのだが]
え。
…あの。
……大丈夫、ですか?
[積まれても積まれても一向に終わる気配の無い天麩羅なるものの山。
彼自身が小食なことを差し引いても流石に心配になって、遠慮がちに問いを投げた]
─広場・大通り側─
[カヤから向けられた半眼に、にや、と笑う。
図星だったか、と言いたげなのはきっと見ればわかるはず]
ばっか、練習所にメシ食いに行くかってーの。
今度の祭りは、俺も『本番』出るから、練習いかにゃならねーの!
[さらりと言って。
ゲルダからの釘刺しには、はいはい、と軽く返した]
私は……、んん。
[ベティの問いかけには、少し、詰まった。
物思う素振りを見せるも、すぐに笑って]
そうね。寂しいわ。
だから、今のうちに甘えちゃうといい。
[ね?と指を立てる]
ん――その理由は本人に聞くといいと思う。
伝えていなかったっていうことは、知られたくなかったからかもしれないし。
本当なら、居たことも言わべきじゃなかったのかも
[噂をすれば。当人の姿が見え、口を噤んだ]
カヤでいいの?…じゃ、じゃあカヤで!!
[ちゃん付けに対してハッキリとした嫌悪を感じていないような様子を見て、自分が勘違いしていた事が明らかになった気がして、ひゃあーと自分の頬に手を当てる。]
ううん!あれよ、宣伝してくれればいいの!
カヤがちょぴっと香水付けて走り回ってたら、
香りを気にしてくれる人が居るかもだからね!
[男女を勘違いしていたのが申し訳なかったから、お詫びのつもりで受け取って欲しいとはさすがに言えない。]
[…が、ゲルダに思いっきり言われちゃったりなんかして]
しー!ゲルダさんしー!
[唇に指を当てる。否定はしなかった。]
あー。
親父の強さは、鬼神並みだね。
それに、面白い人間ってのもあってると思う。
あんだけ枠にとらわれない奴も珍しいわ……って、どうかしたか?
[天ぷらを次から次へと口に運びながら、エルザの様子をいぶかしげに見た]
ん?
大丈夫、って何が?
[ライヒアルトにそんな言葉を投げ返す時には既に17つ目の天ぷらを口に入れている。
まるでブラックホールのようだが、本人あまり自覚が無いようだ]
そうですか。
よーし。アタシも頑張って運動と食事でレナさんみたいになる!
[天ぷらを食する姿を見ながら闘志を燃やしていると、かけられた声に振り返る]
あ、師匠ー!
……あ、べ、別にサボってたわけじゃなくてですね、これはあの、その……そう!
市場調査なんです。今、この界隈ではどんな物が求められてるのか……だめ?
[首を傾げてみた]
─裏通り─
[沈めたチンピラを何人か山積みに重ねて、その上に腰を下ろす]
[下から呻き声が聞こえるがそんなものは無視して]
[胸ポケットからセルロースペーパーを一枚とスタッドオートマールスムの葉が入った包み]
[そしてそれとは別に小さな包みを一つ取り出し、広げる]
[タバコ葉を適量取り、補助器具に設置したセルロースペーパーに乗せ]
[その上に更に小包の中身を少しだけ乗せて軽く混ぜる]
[二種を調合した手巻きタバコをいくつか、その場で作り上げて胸ポケットへと全て戻した]
とりあえず準備はOK、と。
後は…。
[腰を上げ、再び裏通りを歩く]
[目撃者を探すついでに締め上げて引き出した情報]
[その場所を目指し足を動かす]
[時折現れるチンピラを沈めることも忘れない]
[アーベルの にや、という笑いに思わず
ぺち、と叩こうと、ぴょいと飛んで手を伸ばした。
その後、ゲルダの言葉が聞こえて目をまんまるくして。]
…ゲルダは変だ。
[自分を可愛い、と言った彼女をまじまじと見た。
ローザの言葉には、キラキラと目を輝かせて]
本当?じゃあ、その瓶…!
[香りも嗅がずに綺麗な造形の瓶を指差して。
続いた言葉には、けらけらと笑った。]
俺が男だとか女だとか気にするよーなタマジャネーヨ!
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