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−村外れ・森の中−
なんなんだよいったい…
人狼だとか…
とうさんが死んだとか…。
そうだっ!
きっと全部うそなんだ!
よし!とうさんを探しに行こう。
家に帰ったってしょうがないんだ。
[村を出ようと歩き出したリックの目の前に自警団員が立ちはだかる]
な、なんだよおっさん。
自警団員「このまま村を出るなら此処で射殺します。」
は?
…
[自警団員から逃げたら殺されると言われ混乱するも数時間話し込んで、改めて現状の詳細を聞き直し自分の立場を理解して集会場へと戻る事に]
あのさ
と、とうさんは…
…何でもない。
[父親の事を聞く勇気はなかった。]
…唇、青いぜ。
引き止めて悪かった。中に入ろう。
[ユージーンの肩に手をかけて]
…オレには、あんたの名前は書けないと思う。あんたみたいなのが人間だって、そう信じたいんだ、まだ。
う、うん。
ただいま。ようかいババァ…。
人狼って二人なんだよね?あと協力してる人が居ても人間なんだよね?
本当は死んだ人が人狼だって解る人も生きてる人を調べることができる人も1人しか居ないってっていうの嘘とかってないのかな?
嘘じゃなかったら…
どっちかが悪者なんだよね?
異国の娘さんは、本当に霊を見る力を授かった巫女なのだろうさ。
でなきゃ嘘をついてまで、名乗り出てくる理由がないだろう?
シャーロット嬢ちゃんは、この婆の気まぐれのため、あっさり明るみに出ちまった。
そして魂が見えると言い出す者も二人揃って……
……その結果は、見てのとおりさ。もう『3人』とも揃っちまってるんだよ。
娘さんが狼なんだったら、ここであえて名乗り出る必要なんてなかった。
わざわざ狼が、仲間も自分も破滅に導くような行為に出たって?
ありえないね。
―集会所・会議室―
[ 目を閉じ、自分の中の意識に集中する]
……届いているな。それでいい。
そう、それで良いんだ。
何故かって? それが生きる道だからだ。
他者を喰らってでも生き延びる、それが在り方だからだ。
人狼の、そして……人の。
今日は、誰を喰らう。
俺でも構わない。
俺か、あのカミーラってやつか……。
ミッキー坊やは、後の二人をかばっていたんだろう。
真に妖力を授かった狼たちと、ただその声が聞こえるだけの人間。どちらが矢面に立つべきかは明らかさ。
本当だったら、残る二人ともずっと、力を持つなんていわずに隠れ潜むつもりだったのかもしれない。
婆がたまたまネリーを指名したので、ネリーはこんな早くに占われるくらいならと嘘をついた。
狼たちにとっては運悪く、その次に婆が指名したのもまた狼仲間だった。
きっと、そんなところだろうね。
それでも婆は、坊やに対して占いの力を使うよ。
人間ならば、まだ戻れるだろう。坊やにはまだ未来があるんだ。無用の命を散らせたくはないからねえ。
うーっ寒いっ!
[大げさに騒ぎながら集会場の中へ駆け込んでいく。あえてユージーンを追い越して、リックも、気がついたけれど追い越して]
お、これ資料?貸してくれよハーヴェイ。
[返事も聞かずに奪い取って読みふける。あるいは読みふけるふりをした。目はちらちらとリックを見て、話しかけるタイミングを計っている]
─回想─
[結局、夜の間は外へ出る事が出来なかった。人狼は一夜に一人しか襲わないと言う、ギルバートの言葉を信じなかった訳では無い。ただ、あの停電の闇。闇がおそろしくて出歩く気になれなかった。一階に残っていた者たちの話に少しだけ耳を傾け、二階で部屋を借りた。人狼が混じっていても、人の気配の中に居る方がマシだった。]
ひさしぶりの夜が暗い田舎の所為もある。
…怖いわ。
昨日、あたしがシャーロットを、語り部の婆さんに渡すのを躊躇ったのは。腕の中の華奢な少女のぬくもりが、ただの人間に思えたのと──。告発したからには、即彼女を殺すんじゃないかと、目の前で殺人が起きるんじゃないかと…こわかったから。
人狼を殺しても、あたしにはただの殺人にしか見えない…。だって、誰が人狼かなんてわかりやしないんだもの。
[いつの間に日が落ちたのか。
廊下はすっかり暗くなっていた。
戻って来た時はまだ明るくて、部屋から暖かそうな午後の明かりが漏れていたのに。
随分と長いこと、こうしていたようだ。泣き腫らした目とは対照的に、口唇は乾いている。]
(・・・寒い。)
[...はその場に座ったまま、抱きしめていたコートをもそもそと羽織った。
はらりと、何か薄くて小さなものが床へと舞った。]
・・・?
[枕元におかれていたキャロルのメモ。
コートを掴むときに、一緒に持ってきたのであろう事を...は知らない。
いっそ、そのまま持ってこなければ、どんなに良かっただろうか。
だが、紙片は湿気たベッドに一人寝することを好まなかったらしい。]
[そこにはあまり見たことのない筆跡で、あの倒れていた人が誰だったかということが書かれていた。
そして、ミッキーと、デボラの言葉。]
(ああ、そうだ。
私は昨日調べてもらったんだ。)
[ほぅっと、胸から震える吐息がこぼれた。
これで自分は殺人鬼なんかじゃないって証明される。
みんなから信じてもらって、解放してもらえる。
そういう、安堵から漏れた震えんばかりの歓喜だった。]
( シャーロット、喜んでるの?
ねぇシャーロット。
便利でしょ あたしの目。
こんな暗くても、そんなにちっちゃなメモが読めるんだよ。
ね、ね、
あたし、シャーロットの役に立ってるよね
うふふ )
[だが、...はそれを吐いてはいけなかったのかもしれない。
もしかすると、喜びなんて、吐息と一緒にあっけなく飛んでいってしまうものだったのかもしれない。
息を吐ききった途端に、彼女にはこれっぽっちも安堵なんて残っていなかったのだから。]
・・・なんで・・・?
なんで、おばあちゃん・・・っ
[言葉をとめたのは、理解したからだった。
デボラが人狼、殺人鬼の仲間なんだと。]
おばあちゃん・・・
[ぼろぼろと涙が玉になって落ちる。
泣いているのは、デボラへの悲しみか。
裏切られたことへの痛みか。]
―屋敷(所謂イストー家)の自室―
結局ミッキー様は帰って来なかった。
[ちゃんとしていて貰わないと、旦那様が帰って来られた時にあたしが困るのに、と呟いてベッドの上にうつぶせになっている。
書架から取り出した、辞書を前に]
勝手に持ち出すなんて………後で言えば良いわよね。ミッキー様だし。
[食べ物でも持って行けば万全だろう。幸い、昨日焼いたクッキーの残りがある]
[デボラが座る机の前の椅子に腰掛けると、じっと見つめ、それから机を一瞥した後、またデボラを見つめて話し出した。]
デボラお婆さん、幾つか尋ねてもいいでしょうか。
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