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―Kirschbaum/1F―
[気配を感じていても動くことはできなかった。
しばらく苗床は、その場で目を閉じる。
影の王に声をかけられて、ゆるり、開いた瞳はやみみどり。]
知っているよ。
陽もいなくなったのだろう?
……とっくに聞いた
かの女……君の属性の幼き子は、辛かったろうね。
[アマンダはミハエルの問いに、気まずそうに視線を逸らせる。
怒られそうと思った為ではない。
あそこに居た理由を詳しく話すこと――オトフリートへの疑いを、イレーネからの言葉を、彼に話してもいいものかへの躊躇いがそうさせた]
…ん、ちょっと…ね。
失われたモノの、代わりに。…支えようと、思って。
ダメだった、みたい。だね?
[ここに運ばれ、彼までも倒れていた様子からそう捉えて、壁を背に座り込んだまま、見上げる]
――何が、あった?
[アマンダの茶色の瞳は不安げに揺れる。けれど確信を含んだ声]
[そしてかの女のかけてゆくのを感じた。
普段は苗床の探査を手伝う花は、今は苗床の身にはない。
三ツ花は……
追うかどうするか、少し悩む。
かの女への報復。
しないわけはないのだが……裏に見える影に、悩むのも事実]
[しばらく、呆然と、開いたままのドアを見つめていたが、
そんなわけにもいかないと、ゆるりと階段を降りて、下へ。
パンプキンプディングをつつきながら、ぼんやり。]
―Kirschbaum2F・西の部屋―
[壁に背中を預けたまま、時間は過ぎていった。
ただただそうして休んでいたけれど]
そろそろ行こう。
[小さく呟いて立ち上がり、部屋を出た]
[店主が丸い目をしているのも見ずに扉から走り出した彼女は、知らず知らずのうちに墓場へと向かっていた。
入り口についたころには、走りつかれて足はフラフラだった。
ぐるぐるする。
考えが、ぐるぐるして。]
…わから、ないッ…!!
[ひとつ、叫んだ。]
―Kirschbaum1F―
[降りたそこには、元気なくパフェをつつくダーヴィッドと。
マスターと話をしているティルの姿]
あ。
[休んでいる間に一つ思い出したことがある。
昨日のうねりに、翠樹の力を感じたのは何故?]
[乱れた髪を掻き上げ]
[気まずげに揺れるさまを、どう受け取ったか]
[大地の色した瞳を]
[見つめる。]
雷撃の力を纏った男と
陽光の力をもつ男が消えた。
私は雷撃の男の近くに居たが、その異変の元を辿って遺跡へ行くとお前が倒れて居た。
お前が、それを成したので無ければ手に負えぬ揺らぎを負おうとも、それが元で自失しようとも私の構うところではない。
だが、過ぎた力へ手を出して居たのであれば話は別だ。
[ひとつ叫ぶと、少し落ち着いた。
あんなに切望していた事が。実は。]
でも、もう遅い。
私は…
[言って、目は黒猫を探して周りを見る。
すこし離れた場所に居たのをみつけてほっと安堵し、寄っていって胸に抱く。
そのまま、ぺたりと墓場の入り口にあった木にもたれて座りこんだ。
手の中の猫の瞳を、じっと見つめる。]
―Kirschbaum1F―
[おりてきた影の精の視線に、微笑んで頭を下げる。]
こんにちは。
……ダーヴィッド。昨日はありがとう。
[一応それだけは言うものの、命を追うからか、扉にむかいかけ]
私は、咎められることを?
あぁ…シスターを抑えなければ。
望まれていないと思っていたから。
私が望むのは……戦争。混沌。その中に生まれる生命への渇望。
私が望むのは…
[ぶつぶつと、単調な音色で内で呟く。]
……質問してもいい?
[扉に向かうティルの背中に声を掛ける]
昨日動いた力。
私はその中に翠樹の波動を感じたの。
あれは、何故?
[少しだけ緊張しながら問いかける。
昨日のオトフリートの会話から違うようには思いつつも
もしかしたら、の不安がよぎった]
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