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[少女の悩みに気づいているのかいないのか、翠の瞳に浮かぶ色彩からは読み取れず。
オトフリートの言葉を聞けば、そうだねー、と頷いて]
そろそろ、中に入った方がいいだろうね。
陽が落ちれば、風も冷えてくるから。
[オトフリートの冗談めかしたとはいえ咎める言葉に]
ああ、申し訳ありません。会話が楽しくてつい
もうこんな時間ですのね。今日の晩餐の用意をしてきませんと
では皆様。わたくしはこれにて暫しお暇させていただきます
また後ほど
[そう言って深々と一礼すると屋敷の中へと*消えていった*]
[立ち去る青年は深く頭を下げて見送り、
召使いの少女は軽く一瞥。
朱から藍へと色を変える空を仰いで、眼を細める]
夜の庭園も美しいので、名残惜しくはありますが。
[ふ、と下ろした視線は、金糸の彼――ではなく、
傍らの白い獣に向けられて]
体調を崩されては、大変ですから。
[にこやかに、微笑んだ]
[庭園を立ち去る二人にはまたね、と声をかけて]
確かに、夜の庭もいいもんだから、立ち去りがたくはある。
とはいえ、冷えてきたのも事実だし、な。
[ぐるり周囲を見回した後、視線が向けられている先に気づいて]
それはそれは、お気遣いどうも?
[にっこり笑ってこう答え。
それから、まだ悩んでいるらしいブリジットに向き直り]
立ち話もなんだし、ホールに行こうか?
[ごく、軽い口調で提案する。
了解を得られれば、少女も共にホールへと向かうだろう]
─…→ホールへ─
ここにきてまでやる必要はないと言われるかな。
……でもオルゴォル、見せて貰えるのだものね。
お前を描いておかないといけなかったし。
ギュンターさんがお好きだから
[紙のうえには白と黒の指輪。
否、ただの鉛筆画。
本物のそれは首にかかる鎖に通され、胸元に隠れていた。
絵とはちがう、淡い赤の色をもって。]
……ん、喉がかわいた
忘れるところだった。
ギュンターさんにわたさないとね
[端をつかむ紙の上。
黒い石より白の花が、今はまだ蕾でひらくのを待つ]
[青年の時と同じくその後ろ姿を見送ると、
執事は再び天を見上げた。
斜陽の光を受け、緑の瞳は色を変えて朱に染まる。
その美麗さにか、口許は笑みを*象っていた*]
─ホール─
[ホールに着けば、先に来ていた人々に一礼して、椅子の一つへ落ち着く。
いつものようにコーヒーを頼めば、少しぼんやりとした様子で*なにやら物思い*]
うん、またね。ユリアン。
[ユリアンの言葉にすっかり気を良くした少女は、ユリアンと召使いの背中を笑顔で見送り…]
…あれ?
[昨日、書斎行ったっきりだったの?
そう思ったのだが、当の本人はすでに屋敷の中に入っており…
まぁ、良いか。と…今の少女は寛大である]
ぁ…はぁ…
[オトフリートとエーリッヒの言葉に、折角、庭に着いたのにな…と、少し名残惜しげに花を見やるが…エーリッヒの言葉に頷く]
…うんっ。
じゃ、オトフリートさん、またねっ。
[オトフリートに軽く手を振ると、エーリッヒと共にホールへと向かった]
[カツン、靴音を鳴らしてホールに一歩踏み入る]
皆様、失礼致します。
夕餉の準備が整いました。
[客人に優雅に一礼して顔を上げると、
転た寝する金糸の女性が視界に留まった]
フラウ、お風邪を召されますよ。
[失礼しますと声をかけ、何処から取り出したのか、
ふわりと薄手のカーディガンを細い肩に掛ける]
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