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事故じゃなさそうだな。
こっちにはそんな話さえ無かった。
[アーベル>>221の齎す情報に青年の眸が眇められる。
人死にが出て理由も告げられず集められた。
容疑者扱い、そんな言葉が頭を過る]
ん、ああ。
何時でも言うと良い。
――…と、未だ痛むってことか。
それなら先に診ておいた方が良さそうだな。
[ゲルダの返事>>227に柳眉を寄せる]
ほおっておいて膿んだなんてのはイヤだろ?
―宿屋 食堂―
昨日ぶりね、アーベルさん。
……あら。
[“美人”らしい笑みと共に挨拶をした後で、彼の言葉を吟味し瞬く]
他にも呼ばれた方がいらしてるの?
[よもや全員とは思わずに、周囲の人間を見渡した]
[カルメンの登場に微かに目を瞠る]
さて、自衛団は何人呼び集める気だ?
[怪訝な表情をして呟くが
思い出したようにカルメンへと会釈した。
ユリアンの言には僅かばかり首を傾げる]
あ?
えらく親身に世話やくんで言っただけだが。
助平と呼ばれるような事があったか?
商人は信用第一だろ。
信用落とすような事があっちゃ親父さんが泣くぞ。
[窘めるような言葉を紡いでから、ゆると頷く]
─工房『Horai』/寝室─
ん?なんで自衛団の人が……―――
嗚呼、もしかして、昨日地が崩れたみたいだから
その関係かなぁ。
[生まれ持った身体の色彩故。
闇にいるのが多い身は、朝には弱く。
ようやっと、回転し出した頭で妻の言葉を噛み砕き理解する。
首傾げる青を見詰め、コクコクと頷いた。]
判った、出かける準備、急ぐね。
あっ!!!
[のそっと起きた後、急に大声を上げる。]
朝の準備するっていってて、出来なかった。
ごめんね。
[しゅんと頭を垂れた後、身なりを整えに褥から外へと。]
カルメンさん?
[席につこうとした途端、彼女の声が聞こえてきて。
はっとして振り向くと何時ものように帽子を被る姿が見えて。]
あの…カルメンさんも此処に来てって云われて?
[自分や先に来ていた面々の他にも呼ばれていたのだと知らず、
何処か不安そうにカルメンを見詰め。]
ン… 痕になったらクロエに心配されちゃうしね
[冷やすことと念を押され、娘はうんとユリアンへ頷き。
クロエが戻ってくると紅い痕の手首に巻かれる事となるか。]
…?手当なら僕は別に…
[ユリアンに治療を勧めるライヒアルトを不思議そうに見遣るも、
膿になると言われ、娘は言葉を詰まらせた。]
う………其れは厭だな
手首を掴まれるとそうなるだなんて思わなかったよ…
それなら一応診て呉れても構わないかい?
[痕が残る手首を擦りながらそう返した。]
崖が崩れたんだったな。
それだけでも自衛団は動揺してただろうよ。
平和な村だから、な。
ま、アーベルの言うように訳ありなんだろ。
そういうの見抜くの、お前さんはうまいし。
[幼馴染>>240の見る目を信じていたからそんな返事をする。
厄介事にはなるべく関わらずの立ち位置だった青年は
自衛団にカマを掛けるなんて事思いつきもしなかった]
[そうして、伝奇を語る彼女の周りには少しずつ人だかりが出来ていたか。
彼女自身もワインで舌を潤しつつ、様々な物語を教えていく。]
……という話だったのさ。
[そうしてまたひとつ物語が終わりを迎え、ちらりと辺りを見回し、]
ふぅ……さて、と。そろそろいい時間のようだね。
では、本日の物語りはこれにて幕を下ろすとしようか。
では、皆様。よい悪夢を。
[ぎしと席を立つと、恭しく一礼をする。
そうして、ベッティの方に向き直ると、]
ごちそうさま、ベッティ。先に寝させてもらうぜ。
ベッティも程々にして寝ろよ。
[そう言って、自分の部屋へと引っ込んだ。]
女の子が怪我してたら当然のことでしょう。
でも矢鱈に触っちゃダメらしいから。
[らしいというのが男所帯で育った悲しさ]
泣く前に説教責めになりそうですけど。
そんなことはしてませんよっ。
[宥めるような言葉には不満そうに言いながら頷き返した]
―宿屋 食堂―
そうだったの。
お互い災難だったわね。
[ユリアンの返事に肩を竦めてみせる。
ライヒアルトとミハエルと、他の者にも今更ながら会釈を返して]
全員?
[アーベルからの返答に、今一度周囲を見渡して]
たしかに、パーティなんて雰囲気じゃなさそうだけど。
随分とバラエティに富んでいるわね。
[はっきりとした共通点の見当たらない面子。
頬に手を当て、首を傾げた]
─工房『Horai』/寝室─
かもしれないわ。
理由、教えてはくれなかったのだけど……。
[ただ急いで欲しそう―というか急げといったような顔の
自衛団員を思えば余り時間をかけない方が良さそうだと判断し。
朝が苦手な夫を、少々無理に起こして促した。
自身も準備をと、身を翻しかけて、
かけられた大きな声にどうしたのかと振り返ると、
自分も半ば忘れていた、朝の支度への謝罪があり
旬と垂れた頭を両手で挟むと、一つくちづけを落とした。]
仕方ないわ、二人して眠ってしまったんだもの。
カルメンさんとミハエル君は先に帰ったみたい。
ごめんなさいは、また会った時にしましょう。
[だから大丈夫と、夫に微笑みそう言ってから、
ふと完成した銀の守り刀を思う
自衛団の呼び出しなら、ギュンターもいるだろうかと、
なら折角だし届けようかと一度工房へと向かい
完成した銀で傷つかないよう、身長に布で包んで、小さな篭鞄へとしまっておいた。
もう一つ、作品棚の方に置かれた、白い布に包まれた燭台をみる。
昨日のうちにライヒアルトに渡しておけば良かったかなと一瞬思ったが、
どの道雨の中、荷物になるような物は持たせられなかっただろう。
教会へ持っていくのはまた今度にしようと、そちらは諦め棚のままに。
そうして身支度を終えると、待っていた団員に一言謝罪をいれてから、宿の方へと向かっていった。
身重の身故か、手荒に扱われる事はなかったが。
道中での気まずいような、張ったような空気には、多少不安を覚えて隣の夫の手を強く握り締めた。]
―→宿屋―
[クロエがゲルダの手首を冷やす頃
漸く青年はゲルダたちの傍へと寄る。
ゲルダの言葉>>246に瞬き細い手首へと視線を向けた]
掴まれただけなら膿まない。
否、転んだ拍子に膝とか手とか擦りむかなかったか?
手首のその痕だけなら、冷やして……
[傷がないか如何かを念の為問う。
一応女性ということもありみだりに肌に触れようとはしない]
手、貸してみろ。
[清潔な布地に生薬を塗りつけながらそう彼女に言った]
ええ、そうよ。
あなたも、そうらしいわね。
[ゲルダに答えながら、被ったままだった帽子を脱いだ。
不安そうな眼差しを受けて]
大丈夫?
顔色が優れないようだけど。
[眉を下げて問う。
手首を掴まれた、などと他に話すのを聞けば、表情はますます心配そうなものに]
―昨夜のこと―
[唇の端に残っていた紅を拭うように接吻けた。
口腔に広がるは、鉄錆の味。
やはり、それを美味しいとは、
戯れに人肉を齧った時と同様、思えずに。
それに対する想いは、告げる情報の中には滲ませず。
ただ妻を労わり、妻の同胞に狩りの礼を向けたりとするうちに
夜が明けて……―――。]
……自衛団からの呼び出し、旅人の件かしら。
[道中歩きながら、ため息と共にとコエが零れた。
まだ同族にまで嫌疑が及んだだろう事は知らなかったため、
それは隣の夫への言葉だったが。]
……ま、それはそうだが。
ほら、クロエが甲斐甲斐しく世話やいてたろ?
女性の事は女性に任すのが無難だと思わんかね。
[女性を診る時にはかなり気をつかうようで
ユリアンの言葉>>249に苦く笑う]
……って、矢鱈に触ろうとしたのかよ。
ま、説教されるような事が無いなら良しとするか。
[やれやれと肩を竦めてみせた]
―今朝―
あ。もしかして……―――
[起きぬけ回らなかった頭は、着替える途中に周り始める。
けれど、元々が元々であるので……―――。]
集められるのって、遺体の件もあるのかな?
[ポソリ思い至ったことを呟く。
それは、2人に聴こえる聲でなく、肉声での独り言。
何か厭な予感を覚えたのは
―――ギュンターが妻に頼んだ銀の刃のこと。]
まさか、ね。
[それを頼まれたのは、襲撃を行う以前の話。
自分に言い聞かせるも、宿への道中の不穏な空気に
厭な予感は胸中を埋めていく。]
もし、そうだとしても……―――
君は、私が護るから。
[道中聴こえた灰銀の聲に、
言葉を体現するように、護るように手に潰さぬ程度に力を込めた。]
─翌朝・宿屋自室─
[もぞもぞと布団に包まり、転がっている。]
むぅぅ………………
[ごろごろごろごろ……]
…………あと、3時間んみゅぅ……
[彼女はひたすらに朝に弱かった。]
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