情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
--少し前・広間--
[クレメンスに呼び止められ。][そのまま外へ出る事はなかった。]
[食事を少し強引に進められ。][食欲は全くといっていいほど無かったが、それでも。]
[すこしづつ、すこしづつ、パンを口に運ぶ。][食事を終えるまで、時間は流れた。沢山と。]
[そうしてようやく、ほんの少し血の気の通った頬を手に入れて。]
[今度こそ外へと向かう。][再びクレメンスに呼び止められたが、大丈夫ですと僅かな笑みを返し。]
天使が付いてくれてますから。
[そんな冗談を口にして。][大袋を背負い外へ。][ふらりと。]
--外・死体だらけの場所--
[日の光に照らされて、赤い色はより一層鮮やかさを増していた。]
[血の海に沈む千々に飛んだ手足。][息遣いは聞こえない。][鼓動も。][何も。]
…。
[ぎゅぅと大袋の紐を握る。][血には多少なりと慣れていたと思っていたが。][それでもこの量の血は、やはり堪えた。]
[一人一人(判別の付く限り)命の流れを確認したが、どれもこれも、ただの肉の欠片で。]
[その冷たい事実に目を伏せる。]
[神は知っていたけれど。][祈り方を知らないので。]
[かわりにごめんなさいと、小さく呟いた。]
[もう施しても意味のない治療を、それでも赤く染まり骨のみえてしまった腕や足、腹に布を巻き。][本当は埋めた方がいいのだろうが、それをする力は、今の自分には無い。]
[続けていれば、どこか遠くから怒鳴り声が聞こえた。][ぼんやりと声のほうを振り返り。][微かに聞こえるその意味を知る。]
[だが、無言。][それが結果どういう事を齎すか。][それを思い描く余裕はなかった。][ただ、帰れないんだとだけ受け止める。][それが何時までかも分からないままに。]
ふ…くく……。
[外から怒声が聞こえた。][隔離。]
[楽しくて仕方ないといった様子で。][銀の声は震え笑う。]
はは…あっはっはっはっは!!!!!!
これだから人間は!!!
くだらない。
にんげ〜ん、は恐ろしいいき〜もの。
そ、れ〜はどうしようも、な、い、こ、と〜、ってネ。
[皮肉るように明るい声色は歌う。]
とりあえず全員死ねって言ってるようなモンだよねコレ。
あれか、頭喰っちまったもんだから、強行手段とりまくりナ感じ?
旦那ァ、どする?
[さぁてといった様子で。][銀色を見上げ。]
愚か者の人間が。狼の群れの仕業と、素直に思っておけば良かったものを。
[そうすれば、彼等が村人に危害を加える事は無かっただろう。]
[今までだって、人を喰らう時は細心の注意を払い、少し遠い場所を狙い襲い、隠れるように貪っていた。]
[それなのに。][彼等は完全に自分達を敵に回した。][その事実が。][痛い。]
[痛い?]
[内に出た単語にほんの少し言葉は止まる。]
[だが痛いの意味が『今までのようには生きられないから面倒で痛い』という意味に捕らえればしっくりときたので、小さな棘はすぐに消えてなくなった。]
同じ事。邪魔するものは全て。
喰らう。
だがすぐにはせん。
今はこの場に、村の人間の目が全て行っているだろう。
まずはこの場の人間を消す。そうして後は、村を襲う。
少しずつ、ゆっくりとな…。
[低い雑音交じりの銀の声は、見下すように言い。][その策をゆっくりと考える。]
―集会場・広間―
[目覚めは、意識に唐突に。開かれた蒼の瞳はしばし。己の置かれた状況を捉えきれずに呆然と]
……俺……。
[掠れた声。奇妙に、喉が渇いていた]
[微かに残る、あまい味。
同じそれを求めるように。
緋色の渇きが感じられる]
……これ……えっと……。
[これは何のあまさだったかと、考えて。
……繋がる記憶。
蒼の風と化しての疾走。
その果てに、なした事。
喰らったモノ]
[緋色の意識に、コエが零れる]
いらない……って。
おもった、のに
[なのに、何故。
こんなに、苦しいのか。
自身が彼を。
喰らった者を。
心の奥では慕っていた事になど。
気づいてもいなかったから。
痛みの理由がわからない]
[身体の震えを抑え込むように、自分で自分の肩を掴む。
鎮まらない、静まれない。
誰かに呼びかけられたかもしれない。
でも、聞き取れず。
ふらり。
立ち上がって、外へと彷徨い出た。
押し止める者があったとしても、歩みは止めずに。
白の世界へ。
カラスがそれに続いた]
…………。
[外に出る。ぼんやりとした視界はただ、白のみを映して]
……う……く……。
[零れるのは、低い呻きと、そして]
……わあああああああっ!!!
[絶叫。
言葉で表せないものを吐き出したくて、ただ、叫んだ]
……た、く……。
ふざ、けろ、じじい……。
[叫びの後、掠れた声で呟いて。
中に戻るべき、と理解しつつも、何故かそんな気になれず。
集会所の外壁に寄りかかるようにして座り込み。
小さく小さく、歌を口ずさむ。
肩に止まり、案ずるように覗き込むカラスの脚。
そこにつけられた小さな飾りは何故か、これまでのように*光を放つ事なく*]
……ゆめ?
[聞こえてきたコエ。
混乱を持て余す蒼の風は、それに、微かに震えて]
ゆめなんて……。
いいゆめなんて……。
みれる……か、よ……。
[掠れたコエを、返す。
覚醒間際とはまた違う、不安定さが滲み出た、コエ]
[咆哮は赤い世界に強く、高く響く。]
兄さん泣いてんのかィ?
カワイソウにねぇ。
[咆哮を聞きながら。][そう述べる。]
[皮肉でも嘲笑でもなく。][同情でもなく。][単純に、そう思いながら。]
[はるか昔の自分を振り返るが如く。]
泣いて……?
何で、俺がっ……。
[団長、否、祖父を殺した事で自身が揺れている事には気づかぬまま──いや、認める事を忌避したまま。
蒼の風は、微かにコエを荒げる]
そんな、必要……ない……。
[ヴィンスの途切れがちな声に。][そうですかィと明るい声は笑う。]
[否定する声には肩を竦めて。][何か物言いたげにしたが。]
…体の疲れは取れたようだが。
[咆哮と荒ぶる声を聞きながら。][銀色はそう呟き。]
眠いようならまだ眠っておけ。
血肉を喰らったのであれば。痛みはすぐに、失せる。
[憔悴の漏れる声に。][理由は分かっていたが。]
[眠らせ忘れさせてしまおうかと。][呟いて。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11] [12] [13] [14] [15] [16] [17] [18] [19] [20] [21] [22] [23] [24] [25] [26] [27] [28] [29] [30] [31] [32] [33] [34] [35] [36] [37] [38] [39] [40] [41] [42] [43] [メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了 / 最新