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[笑う声に、ほんの少しむっとしたよな色が天鵞絨に過ぎるが、それは一瞬の事]
大体、交渉だの支配だの、回りくどいのは、俺の性に合わんからな。
[そんなんだから、すぐに喧嘩の売買になるんだろう、というのは置いといて。
下がるナターリエとの距離を肩越しに確かめた後、先ほど用意したカードを取り出し]
……猛る火炎は、集いて貫きの一閃とならん……火炎槍!
[ノームに向け投げつけたのは、炎のルーンを描いたカード。
砕けたカードは炎の槍を生み出してノームへと襲い掛かるものの。
精霊は、見た目よりも機敏に、その一撃を避けながら、石礫──ストーンブラストを放ってきた]
りょうかーい。
根拠なんて私もありませんよ。フィーリングでゴーゴーです。
[そう言うと、右手の道を進んでいく。
辿りついたのはまたもT字路。うーん、と考え、]
えーい。
[懐からコインを取り出し、ポーンと投げる。]
表(奇数)が出たら右、裏(偶数)が出たら正面!
[現れた精霊の姿の優美さに、ほう、と感嘆の息をつく]
…敵なのか?
[少しだけ柄にかけた手から力を抜きながら、精霊、相棒どちらにともなく問いかけた]
はっはっは、さすがですねえ。
ええ、私はまだ「下」に居ます。
導師が次元回廊を繋げてくれたので、こちらに覗きに来たんですよ。
明日からの本番のために、皆さんの様子は見ておきたいですからね。
[導師の看破したとおり、ここに居るのは分身らしい。地下に居るという本体が
何をしているかは言わぬが花]
「うけけ、あんにーちゃんは相変わらずやな」
交渉・支配はせず、か。
ヘルムートの所もだな。
ありゃ交渉なんてこと考えもせずに、って感じだが。
[戦い始めた2チームの部屋に視線を走らせる。
物理的な槍を振るうヘルムート。
炎の槍を放つライヒアルト。
偶然なのだろうが、似た得物を操る二人を男の視線は追っていた]
[サラマンダーを中心にくるくると回りつつ、機を狙っていると、突然、目の前に水の盾が浮かび上がった]
ほう。
これは助かる。
奴の攻撃を阻む良い壁となりそうだ。
では、落ち着いて、私も魔法を使わせていただこうか。
【神よ!我が武器に力を!】
[効果:自らの武器一つの物理ダメージを光属性の魔法ダメージに変える]
てえええいっ!!
[武器に魔力を付与し、相手の攻撃の合間を縫って、サラマンダーに一撃を与えて、すぐに水の盾の後ろへと退避]
ふむ。まあまあ、か。
その考えは敵が増えそうだなぁ…嫌いじゃないが。
[むっとした様子のライヒアルトに嫌味ない笑みを浮かべつつ言って]
それに、先のことを考えると…お互いの呼吸を知っておくのも悪くない
[と答えつつも、注意深く流れを見つつ]
メラニー
[その呼び声に答え。細長い体をした金色の龍が髪よりにょろにょろ出て、腕へと巻きつく]
まずは無難にこれか
―――開きたまえ開きたまえ。祖は異界への扉。祖は哀しみを運ぶ風の門
我が友を介し…満たせ
[詠唱と同時に出でるのは直接的にはなんの害もない…ただこのエリアを支配する土属性の領土を奪わんとするだけの風の力]
お、当たってましたか。
「あんさんは相変わらず高みの見物やなー。
んや、こん場合は低みの見物やろか」
[けらけらと、男と碧の異界龍の笑いが重なった]
そうですねぇ。
最終的には直々にその実力を見せてもらうことにもなりますし。
どのチームがそうなるかはまだ分かりませんが。
[言葉を返しながらも視線は四つの次元へつ向かう]
…ふむ。
[ヘルムートの様子を見て、首を傾げると、ぽん、と手を打って]
……こういう時は。
「……。(なんかいやな予感がする)」
……オーヴァン、よろしく。
「……やっぱりか。」
[予想道理らしい。]
「ヘルムート、ちょっと水巻くぜ!」
[そう言うとオーヴァンは大きく息を吸い込み、ヘルムートに当たらぬような位置でブレスアタック!]
ええ、どんどんいきましょ。
[運が無かったら迷子にもなっていそうだった。
ててって、とブリギッテの言葉通りに進んだ猫がまた止まる]
右って戻る方向よね。
そろそろ左に行ってみる?
ははは、見物ばかりしているわけでもありませんよ?
[異界龍に向かってにっこり。…見物以上にくっちゃねしてるなんてそんな]
適当に組んだように見えましたが、どうやら意外にうまく連携を取れるチーム分けになっているようですし。
どのチームが残るにしても、先が楽しみです。
敵が増えたら、薙ぎ払うっ!
[だからそれは危険だと。
そんな突っ込みどころ満載の言葉を投げ返しつつ、飛んできたストーンブラストに防御陣を巡らそうとして]
……ん。
[不意に感じた、風の力。
ノームの方もそれに気づいたのか、やや、気配が険しくなる。
その隙は逃せない、と素早く準備済みのカードを投げる]
裁きの雷、力の導き手に従いてその輝きを巡る陣へと変え、守と破同時にもたらさん! 雷撃の障!
ふむ。
しかし、このままでは決着がいつになるのか予想もつかないほど長くなりそうだな。
騎士として、勇猛果敢に正面から戦い続けたいのは山々なのだが、経験の薄い私では、それは勇気ではなく、無謀。
やはり、私一人で勝てるほど甘い相手ではない、か。
[そこで、視線をちらりとベアトリーチェへと向けるのと、ほぼ同時にベアトリーチェ(というか異界龍)から援護の声]
……ほ。
[そして、見る間にサラマンダーに降りかかるウォーターブレス]
炎には、水。
なるほど。常道だ。
そして、良いタイミングだったな。
[飛んだカードは雷のルーン、そして『歯車』と『竪琴』のルーンカード。
『竪琴』の意味する『無』を『守』と、『有』を『破』と詠み解く事で攻防一体性を持たせた符術の技]
……いけっ!
[雷撃の一部は石礫を打ち落とし、一部はノームへと襲い掛かる。
さすがにこれは避けられる事はなく、ノームの動きはしばし、止まる。
その隙に、白のカードに血を用いてルーンカードを数枚複写した]
ですね。じゃあ、左で。
[そう言うと、左へ。
しばらく行くと、左手にぽっかりと扉だけがあるのを発見。]
これは……どうやらボスのようですね。
カルメンさん、準備はよろしいですか?
[そう言ってカルメンに問いかける。]
「あんさんは知らんところで何しとるか分からんお人やからなー」
[けらけらけら。
茶ぁ飲んでるのは知ってても、くっちゃねまでは看破出来ませんでした]
ええ、自主性に任せて正解だったようです。
自分で決められる分、籤で割り当てるよりは相性の良い者を選べたでしょうし。
一部選択の余地はありませんでしたが、そこもなかなか連携は取れているようです。
[もう一つの一部は別の意味で選択権が無かったが。
ある意味良いコンビではある]
[炎に水は天敵のダメージが出るだけではなく。炎に水をかけると湯気で回りが見えにくくなる。
それは、こちらだけではなく相手も同様だ。
そして、ヘルムートは見えずとも、直進するだけでその槍の一撃が相手に突き刺すことの出来る位置]
―――もらった!!
[ほとんど暗闇にも等しい道を、迷いも無くヘルムートがまっすぐに槍を両手に構えて、突き進み、サラマンダーの体に深く突き入れた!
―――が]
『……!!!』
[その連続しての攻撃では滅することは出来ず、逆に相手の逆鱗に触れたように、サラマンダーは周りに向けて目標など見ずとも暴れられるファイヤーストームを打ちはなってきた]
……おおおっ!!
[その炎の嵐に巻き込まれて、ヘルムートが勢いよく吹っ飛んだ]
[異界より徐々に侵食させる土とは対になる風の力による。支援というか妨害
日光が嫌いだから昼の時間を減らして夜の時間を増やそうとした訓練による成果だとかは内緒である]
あまり敵を作りすぎるのはかしこくないな。苦労するぞ
[心配してる様子でもないながらもそんなこといいつつも、状況を見て、上手くやっているようなので現状のまま風による侵食を増やしつつ、次の魔術のため集中し魔力を練る]
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