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クーリェ、ありが、と。
[握手の後、教えてくれたクロエに笑みながら礼を言う。
ハインリヒの返答には僅か驚くような表情を乗せ]
ユー、ラ?
うん、わかる。
ユーラ、も、ふえ、ふくんだ。
[ユリアンが笛の音を奏でているのを今まで聞いたことは無く。
驚きと共に一緒に奏でたいと言う想いが浮かぶ。
けれど邪魔してもいけないと言うのは理解しているため、今は胸元のオカリナに触れることは無かった]
君は……クロエ君と言うんだね。
よろしくお願いするよ。
[ハインリヒの言葉に]
先程の彼はユリアンさん、ですか。
情感あふれる音色ですね。
[眼を細め、耳を遠い音色に傾ける]
あんまり人前じゃ吹かないみたいだけどな。
[音色の主がユリアンであることへの驚きにはそう返す]
俺も聞くのは久しぶりだし。
そのあたりのことはあまり聞いてないから。
[笛を奏でることに理由はあるのだろうけれど、憶測ではなにも言えず。
それだけ言うとその笛の音を*静かに聴いている*]
そう、なんだ。
きれい、な、おと。
[頼まれれば披露するカルメンとは違い、ユリアンは人前では吹かないと聞いて少し残念そうに言う。
今聞けたのは運が良かったかな、と思いつつ音色に耳を傾けた]
[一音一音記憶するように、カルメンは音を*聴き続ける*]
よかったね。
[カルメンの礼には小さく口元を緩めて言う]
でも、教会の人は、僕には信じられない。
[言えばゲルダはまた怒っただろうか。
それでも顔を背けたまま]
どうしても、今は特に。
ごめんなさい。
―2Fの一室―
遅くなってごめんなさいです。
[ダーヴィッドに言って、冷たい水を張った桶と、タオルを元通りに枕元に置く。
ブリジットの涙の跡を見て、ロミルダは眉を下げた]
新しい人が来てたですよ。
教会の人で、エーリさんて言ってたです。
[などとダーヴィッドに話していると、外から笛の音。
ロミルダはぱたぱたと窓際に寄って、外を見る]
ユーリにぃ?
[眼下に佇む人影に、少し意外そうにまばたき。
こないだの反省があるから、身を乗り出したりはしないけれど。
その傍に浮かぶ蓮の蕾の白い色も見えた]
[クロエの言葉が耳に入り]
いや、気にする事はないさ。
ところで、部屋は空きのところを自由に使ってよかったんだったね。
誰か案内してもらえるかな?
[少し遠くには、見張りの自衛団員も見える]
外には出られないですか…
陸、行きたかったです。
[しょんぼりとしたように、ロミルダは言った。
集会所近くの公衆浴場は開いているはずなのだけれど、人の出入りは少ない。
それが『人狼容疑者』のせいかも知れないなんて、ロミルダには分からないけど]
……。
[クロエに対して怒りを表に出すことはなかったものの、向ける眼差しの温度は低い。謝罪に何かしら反応を示すこともなく]
私でよければ、案内します。エリ先生。
[そう申し出て、2階へと誘導する。
ブリジットの眠る一室に差し掛かれば妊婦がいることを告げ、ついで、ここにいる面々の簡単な紹介も。
去り際にクロエが何事かを呟いた気がして振り向くも、何かはわからず、首を捻るだけだった**]
[ロミが一度部屋を出て行ったあと、手持ち無沙汰になり、荷物の中の商品の手入れを始めていたが。
ふと、身じろぎのような音に、ブリジットの顔を覗きこむ]
――…起きた……わけじゃないか。
[寝苦しそうにも見えるその様相に、静かに眉を顰め。
零されるものに、息を吐いた。
そっと、口許と眦を清潔な布で拭く]
ハハオヤ、か。
[8年越しの再会は済ませてきたが。
複雑な感情を滲ませつつ、また椅子に戻り、商品の手入れ]
ん、ロミちゃんおかえり。
ああ、新しい人来たんだ。…教会の。へぇ。
[扉の開く音に、手元の銀細工を下ろし、視線を上げた。
敵意も好意も無い、確認のために繰り返す言の葉。
エーリ、という名前を頭の中に、ただ留めた。
ロミが窓に駆け寄るのを見て、漸く笛の音に気付く]
…葦笛。やっぱり、ユーリか。
あいつ……。
[ふと、表情を曇らせたのは、綺麗な音の何処かに差異を感じ取ったためなのか。
ロミの後ろから窓に近付き、その下を覗く。
眼に入るのは、真白の蓮]
[ひょい、とロミの頭を撫でるのは、しょんぼりした様子が感じ取れたため]
ま、外に出れなくても、やれることはたくさんあるさ。
こんだけ人数が集まってるしね。
[殊更明るい声を紡ぎ、視線は外を眺めたまま。
見張りの自衛団員の姿を見たなら、ユリアンとの距離感を測る]
あいつ、絡まれなきゃいいけど。
…ちょーし、くるってんだろーにさ。
[こくんとうなずくけれど、表情は晴れない。
2人で窓の外を眺める]
ユーリにぃ、元気ないですか?
[上から聞こえた声に、心配そうな顔でダーヴィッドを見上げた]
なーんか、こう…。
[ロミの尋ねに、頭を掻く。
上手い言葉が見つからないらしい]
大丈夫だとは思うんだけどさ。
ちょっと見てくるかねぇ。
そろそろ誰かしらに交替頼んでも許されるだろうし。
[扉に手を掛けつつ、ロミはどうするか、尋ねるように首を傾げた]
─広間─
[しばらくの間流れ来る音色に耳を傾けていたけれど]
……ブ……?
[クロエが呟いた言葉が耳に入る。
しかし意味も分からなかったために首を傾げるだけとなり。
再び意識は音色へと戻る]
[首をかしげられて、一度ブリジットを振り返る。
少し考えるような間が空いて]
ロミも行くです。
[うなずいて、窓から離れた]
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