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[ギュンターの日記の内容を知らない。
ライヒアルトが広間にお伽噺を持ち込んだ事も。
未だ過る不安を杞憂であればと思っていた。
仮令、それを知り確信したとしても
目の前に居るクロエに対して強い警戒は抱けぬだろう。
情が深い男は蒼花を抱くが故に
必要以上の情を抱かぬよう愛称で呼ぶ事を避けていた。
それも徒労に終わったのだが、
呼び名を変える事なく現在に至る]
気にしていなかったから、だから──…
……ええと、うん。
それでも大丈夫。
[むしろ冷えているのは彼の方だろう。
着替えはなくとも、洗って乾かすくらいは出来るのではないか。
あれこれと思い至るが言葉にならず、
結局こくこくと頷くような形になった。
警戒されたのではないと知って、ほっと気が緩んだのもある]
[クロエの白い肌、その耳朶が色づくのを蒼が見つめる。
口許に手を宛がうその所作は恥じらいからくるものに思えた]
――…あの、さ。
[徐に口を開き]
昨日と同じ理由もあったから
本当は部屋に誘うべきじゃないと思ってたんだけど。
この格好のままじゃ広間に行くのも悪い気がしてね。
[端的にしか言わなかった理由をつらつらと補足する。
羞恥を煽るような言葉は思うのみにとどめた]
気にしないと後で大変だよ。
――…掃除、とか、さ。
[クツと小さく喉が鳴る。
ある意味警戒心が薄いような気がするクロエに
軽く肩を竦めてから、己の借りる部屋の扉を開け
彼女を中へと促した]
却って目立つ、だっけ。
[ぽつと呟いて、扉は閉めるが鍵はかけぬまま。
テーブルの傍にある椅子をクロエにすすめた]
…あ、うん。大丈夫。
もともとそのつもりだったんだし。
[こくこくと再び忙しく、顔が上下に頷いた。
クロエが恥らったのは、主に己の迂闊さについてである。
…が、それに上乗せがなされなかったのは幸いであったろう。
主に手にしている紅茶の安全のためにでもある]
だってそれじゃあ、アーベルのほうが大変だし…
[掃除については、ぼそぼそと反論を試みる。
それでも素直に彼の部屋に招じ入れられ、
テーブルの上に持ってきた紅茶を置いた]
うん、ありがとう。
[今日は扉を閉めるように頼もうと考えていた。
だから音を立てて閉まる扉に、ほっとした表情をみせる]
[テーブルに紅茶を置いて、椅子に座ればほっと息をつく。
彼が愛称を使わぬ理由を、クロエは知らない。
ただ、大切に思う相手に警戒されなかったことを喜んだ]
…無理やりにごめん。
実は少し、アーベルに話がしたくて。
[少し強引だったかと、彼を見遣る。
情報を得るならば、もっと皆と会話した方が良いだろう。
クロエ自身も未だ把握をしていないことがある。
それでもと願ったのには、理由があった。
クロエの睫が、少し下を見るように伏せられる。。
躊躇うように一度息を吸い、
けれど意を決したあとは迷わぬように言葉を告げた]
昨日、また夢を見たんだ。
…アーベルの夢。
私には探さなくちゃならないものがあって……
アーベルを疑ったのじゃないけれど、他に浮かばなくて。
だから気にかかって、そのまま視てしまったんだと思う。
多分、私が夢で探しているのは、
[顔を上げる。
漆黒が、真っ直ぐに蒼の双眸を見つめた]
────…牙の主で、
[何故と明確なこたえはない。
けれど、吹雪の夜に目覚めたものは確かにあった。
月のいとし子らが目覚めたように、同じく目覚めたものがある]
…今回のことはこれで終わらないんじゃないか。
始まっただけなのじゃないか。
そんな気がして、仕方がないんだ。
でも……、…だから……
アーベルは牙の主じゃないと、知ったから。
伝えておこうと思った。
私の思い込みかもしれないけれど、…この力のことと。
私は絶対に、アーベルを疑いはしないということを。
[御伽噺だろうとも思う。
けれど一致する符合に、思い悩んで得た結論を口にした。
一笑に付されてしまうだろうか。
それが怖いような、そうであって欲しいような気が同時にする。
祈るような緊張を表に浮かべ、
紅茶を口にするのも忘れて、クロエはじっと彼を見つめた]
どちらにせよ部屋に戻る心算だったから問題ないよ。
これも鞘が見つかるまで此方で保管しておきたかったし。
[反論にはさらに理由をつけて応戦した。
部屋の寝台近くに置いたままの鞄。
その横に抜き身の長剣を寝かせてから
テーブルに置かれた紅茶に手を伸ばす。
男が腰を落ち着ける気配は、無かった]
こちらこそありがとう。
遠慮無く頂く事にするよ。
[カップの縁に口付ける。
漂う芳香とその熱にほっとしたように表情が緩んだ]
[謝るクロエにゆると横に頸を振る]
話というと、――…
[思い浮かぶいくつかの話題。
どれが彼女の話したい事かわからず
先を促すような響きになった]
………。
[躊躇うような間に、口を噤ぎ待つ態]
[昨日の続きも当然候補にあったが
自身の名が紡がれれば驚いたように瞠られる蒼]
俺の、夢……?
[不思議そうに頸を傾げて
クロエの語る夢の話に聞き入る。
探しているもの。
彼女が己を思い浮かべた理由。
そうか、という風な相槌を打っていれば
探している其れが彼女の口から語られた]
――――… 、は 。
[驚いたように漏れる音。
一瞬思考が停止したようだった。
思いもよらぬその言葉が何を示すか思い至れば
前髪に隠れた柳眉がきつく寄せられる]
牙の主、月のいとし子。
……人狼を、探していた、と?
[幻燈歌に歌われる存在。
お伽噺の中だけであれと思っていた言葉に
思わず確かめるような尋ねを向けた]
[先日、クロエが口にした幻燈歌の一節。
先ほど聞いたばかりの夢の話。
ギュンターを襲ったものが刻んだ傷。
抜かれた気配があるのに使われなかった長剣。
いくつもの点が線となるのを感じた]
キミが探す者は未だ見つかっていない。
その認識であってるかな?
…う……、
[返って来たのは強いひかり。
きつく眉寄せた向こうの、問い詰めるような蒼の双眸。
それへ、思わず言葉を詰まらせた。
そうだろうかと思い、それしかないと思った。
けれどやはり人狼は御伽噺の中の存在とも思えるし、
何故自分にその力があるのかなど、説明はしようもない]
…、うん。
でもそんなこと、考えたこともなかった。
だから夢だと…思って、いたんだけど…
[ベアトリーチェの痣を見たときに、予感は確信に変化した。
それでも問われれば、やはり間違いだったかとも思えてくる]
うん。見つけられていない。
その代わり…、…って。
[こくと頷くクロエが、不思議そうな顔でアーベルを見た。
きょとんと目を瞬かせて、座らない彼を見上げる]
…… 信じてくれるの…?
[己ですら己を信じかねるのに。
喜びよりも驚きが勝る顔で、まじまじと彼を見上げた]
[確認の言葉を紡ぐと同時に知らされる続き。
ふ、と、何処か安心したような笑みが漏れる]
――…キミが俺を告発する者でなくて、良かった。
[ぽつ、と呟き、手にしていたカップをテーブルに置いた。
草臥れた革の手袋を外し、右手に巻かれた包帯に手を掛ける。
元々疑う事など出来ぬと思っていたクロエが
己の知る真実と別を言わなかった事に安堵する]
思い込みではないかもしれない。
本当は、思い込みであって欲しいとも思うんだけどね。
キミが見出す者の片方であれば
月のいとし子に狙われてしまう。
俺は、――…キミが危険に晒されるのは、イヤだ。
[誤解なきよう常よりも言葉は多くなる]
また、牙の主を探す夢をみたなら俺に教えて。
キミの代わりに、俺が皆に伝えるから。
[右手の包帯を解きその甲に咲き誇る蒼花を
クロエに示すように胸元に掲げてみせた]
[クロエはぽかん。と、漆黒を丸くしたまま、
アーベルを見上げていた。
その視線の先で、右手の包帯が解かれゆく。
昨夜片鱗を見せながらも気づかずにいた花。
彼の瞳と同じ蒼の花に、息を詰める]
その痣はまさか、
…───『双花聖痕』…?
[幻燈歌の一節にある音を掠れた声で紡いで、
彼の目を見開いたままの目で見つめる]
…ダメ。だめだよ。
思い込みじゃなかったら、どうするの。
アーベルもベアトリーチェも狙われてしまうのに、
[ふるりと首を横に振る。
泣きそうな形に、きゅっと眉が寄せられた。
不完全な情報を口にしながら、ただ今は恐怖がある]
────私だって、アーベルを守りたいよ。
[自分に掲げるべき花はないけれど。
ぐ。と歯を食いしばって、指先を花へと伸ばす。
今まで彼の手に手を伸ばしたことはない。
友人なのだからそんなものだろう───けれど今は、
添えるように、そして守るように両手指を伸ばして添えた。
そうして、決意を告げるように彼を見上げる]
見つけたら必ず教える。
でも…嫌、だからね。絶対に。
[きゅと彼の手を両の手に握りこむ。
強くはないけれど確かな動きに、気持ちをこめて伝えた]
――――… ん ?
[不意に紡がれた名に不思議そうな声。
ベアトリーチェの名を出したクロエを見つめれば
泣きそうな形に歪む柳眉に困惑が過る]
クロエ。
[名を呼んで片足を軽く折り距離を少し縮めた。
視線の高さは、未だ少し高い位置ではあったが]
月のいとし子がいると確信すれば
いずれ名乗り出るつもりだった。
だから、キミが心を痛める事はないんだよ。
[守りたいとクロエが紡げば口許が綻ぶ]
キミの思いは嬉しい。
[感謝の念が滲むような柔らかな声音が
ふたりきりのその場所に微かに響く]
俺に守る力はないけれど――…
形だけでも、キミを守らせてくれないかな。
[彼女の指先が蒼いアイリスに触れるを感じた。
己と肉親以外には晒さず触れさせる事のなかった痣。
いつしか彼女の手に包まれる形となり]
―――…ん。
[伝わる彼女の思いに短く答える]
クロエ。
キミの無事を心から願っている。
それだけは、忘れないで欲しい。
俺も、キミの言葉は、忘れないから。
[仄かな彼女の笑みに、眩しげに細まる眼差し。
クロエの手に包まれた男の右手が彼女の手を軽く握り返した**]
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