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―ゼルギウス宅―
それこそ慣れればそうでもないよ。
ゼルギウスはそうもいかないだろうけれど。
[怪我にも慣れてしまえばと笑ったままユリアンに返す]
[戻ってきたゼルギウスに腕をみせた]
[薬を塗り始められるとピクリと手に力が入る]
[睨まれて慌てて力を抜いた]
後を託すためにか。
[気を逸らそうとするようにまたユリアンを見上げた]
[もう少し自分には時間がある]
[呑気にそんなことを考えながら呟いた]
─自宅・作業場─
[何でも無い、と言われると「そぅ」と短く返すに留める。が、続く言葉にはたりと濃い翠を瞬いた]
……は?
お前何を。
[言ってるんだ、と少し驚いたように言う。確かに、自分は良い歳ではあるけれど。相手が居なければどうにもならないわけで]
………。
それは俺に相手して欲しくないと言う宣言と取って良いのかなぁ?
[色々と誤魔化すようにして、意地悪げに言った。無論、表情には笑み]
―自宅―
[レナーテが少しでも痛がった箇所には痛み止めもつけておく。
程なく手首の治療が終われば、次に袖を捲るよう促して]
そうだな。
どっちかと言や、客を引き摺って来る方が大変なんだが。
[などと言いながらレナーテの顔をちらと見た。
その後傍らの瓶を手に取り、量を確認し]
後継者か……
[今のところあてのないそれが話題に上れば、小声で繰り返した]
―ゼルギウス宅―
……。
[袖を捲りながらゼルギウスの視線にそっぽを向く]
[反論の言葉が見つけられなかった]
[視線を自分の腕に戻して動きが止まる]
あれ。
何でこんなになっているんだ?
[傷跡よりもっと肘に近い場所]
[今は膨らみ開いた釣鐘のような形がそこにあった]
─エーリッヒの作業場─
[短い返事に、ちらりと笑うも]
何をも何もそのままだぞ?
エーリ兄に好い人が居ればいいのにと言った。
[真面目な顔で頷いて]
む。
[>>299 意地悪な笑みに、ちょっと悩んで、少しばかり口を尖らせた。]
すっかり恋人にばかりかまけられれば
きっと寂しい。
──が、しかし恋に夢中になるエーリ兄というのも見てみたいな。
[それも、まだ見たことがないものの気がするから。と、ふ、ふ、ふ。と、可笑しそうに笑った。]
─自宅・作業場─
むぅ……。
[この兄にこの妹ありと言えそうな応酬。見てみたい、と言われると、上手く言い返されたな、と言葉に詰まった]
さて、ミハエルを寂しがらせる機会は出来るのかな。
まだ先になるかもね。
[笑われて、そう言いながら軽く肩を竦めた]
―自宅―
[己の発した言葉にやや思考を取られていたようで。
レナーテの声にふと瓶から視線を外して]
……何だそれは。
前からあったか?
[一度瞬く。
幾度も治療している身でありながら、これほどに鮮やかな花に覚えはないらしかった。
訝しげに目を細め]
─ギュンター宅 個室─
[自分の笑顔に、ギュン爺はやはり寂しげな表情を見せるので。
視線を逸らしながら、そういえば、と話を切替えた。]
レナが。
ギュン爺に頼まれたこと、少し遅れるかもって言ってた。
あたしがお願いごとしたから、そのせいかも。
ごめんね、ギュン爺。
[視線を合わせぬままそういうと、ギュン爺にも意図は通じたようで。
ぎこちない笑みをこちらに向け、急がなくていいと伝えてくれと言われた。
それでようやく、こちらも笑い返すことが出来て。]
それじゃ、ギュン爺。
あたしそろそろ行くね。
ベッティのところでご飯食べてた途中だったし。
[そういうと、ギュン爺の返事も待たないで部屋を出た。]
─エーリッヒの作業場─
ふふん。語り部は簡単には言い負けない。
[口篭る兄に、胸を張って、にぃ、と悪戯っぽく笑って見せ]
むう。そうか。先、か。
どのくらいだろう?
[うーん。と悩んで首を傾げた。]
まあ。
その間は、妹として兄に甘えるだけ甘えられる。
ボクにとってはどちらに転んでも得な話だ。
[くすくすと笑って]
―ゼルギウス宅―
いや。
[自分の腕をじっと見る]
こんな風ではなかった。
湯に入った時にも気がつかなかった。
[ゆっくりと首を振った]
―ゼルギウス宅―
[息を吐いて顔を上げた]
肘の近くに色の違う場所がある。
その程度だったし目立つものじゃなかった。
[訝しげなゼルギウスに微笑を向ける]
[袖を少し引き下ろした]
この位置でも治療できるよね。
─ギュンター宅─
あ、ユーディ。待っててくれたの?
もう帰…うん?
[部屋を出ると、自分を待っていたらしいユーディから話しかけられた。
その問いかけは唐突なものだったが、いつものことなので特に気には留めず頷いた。]
…うん、在庫はたしかいっぱいあるよ。
何種類くらい要る?
15くらいならすぐ用意できるけど。
あぁ、でも…あたしベッティのとこに戻らなきゃだから。
渡すのは明日でもいいかな?
[青色といっても色んな色彩があり。
彼女の細工は色が折り重なることでより綺麗に魅せられるのだと経験で知っていたから。
ユーディからの返答を聞けば、それに合わせた答えを返しただろう。]
その近くには多分いない、ゲルダがどこにいるか知らないけど。
[疑問にはそう簡単に答えてから]
ゲルダは、知らないでショックを受けるのと、知って覚悟ができるの、どっちがいい?
─ギュンター宅─
[ユーディとの話が一段落ついたところで、ギュン爺の方を向いて]
それじゃギュン爺、あたし帰るね。
ユーディはどうする?
送っていこうか?
[ベッティの所へはユーディを送ってからでも遅くはないため、ユーディにそう問いかけて。
ユーディが了承すればそのように、断られれば「気をつけて帰るんだよ」と頭を撫でてから別れて白雪亭へと戻った。]
─自宅・作業場─
あー、負けた負けた。
勝てないな、ミハエルには。
[向けられた悪戯っぽい笑みに苦笑を漏らす]
さぁねぇ。
相手を見つけないことにはどうにもならないしね。
それまでは可愛い妹に夢中になるよ。
[笑いながらそう言って、途中にしてあった調合済みの染色粉を布袋へと移した]
─ギュンター宅─
……ん、そか、なら、良かったんだ。
色の種類は……。
[言いながら、きゅ、と右の肩を掴む]
うん、ちょっと、確かめてからの方がいいから、明日、レェねえの所に行くんだよ。
あおいろと、あと、みどりも少し。
……もしかしたら、あかっぽいのも少し必要になるかなぁ。
[肩から離した左手で指折り数えて]
ん、大丈夫、ひとりで帰れるんだよ。
ティ待たせるのいけないし、それに……。
[問いに対して言いかけた言葉はぴたり、と止まり。
ふる、と首を振る仕種は、それを振り払うよう。
それに、長が案ずるような視線を向けたのには、にこ、と笑って見せた]
…よく分からないよ。
私は、いま店。
[場所が分らないのに居ないというし。
とりあえず自分の場所は答えたが。]
…………なにそれ。
[嫌な予感のする二択を差し出されて、少し眉を潜めた。]
うん、とにかく、大丈夫だから。
[短い言葉は場にいる二人に向けられているような、違うような。
どことなく、言い聞かせるような響きも帯びていた。
それでも、なでられると少しだけ安心したような表情を覗かせて]
じゃあ、ほんとに、かあ様も心配するし、帰るねーっ!
[とたとたぱたぱた、と駆け出した。
良く見ると、家とは方向が全然違ったりするのだが]
―自宅―
……そうか。
気付かなかったってことは、痛みはねぇんだな。
[眉間に皺を寄せながらレナーテの返事を聞いた。
袖を引き下ろしての発言には頷いて肯定を示し、ひとまずは手当てを再開する]
身体に急に現れる花か。
師は何か言っていたかな……
[大きな傷に薬を塗りながら、考えるように口にした]
[そもそもどうして居ないのに声が聞こえるのとか。
ユリアンの方こそどこに居るのかとか。
ひょっとしたらからかってるだけなんじゃないのかとか、思ったが。
どこか口にするのは怖いような気がした。]
[レナーテの慣れればといわれると、自分もそうなので確かにそうなのだろうと納得したように頷いていた。
ゼルギウスの言葉には]
それが一番大変そうだ。
[そう頷いてレナーテのほうをちらりとやはり自分もみた、タイミングは多分親友と同じくらい。
二人が後継者の話に示す反応には]
物は簡単に引き継げる、知識や経験はそうはいかない。
[それでも、歳から考えるならばそれは少し早すぎる話だったかもしれない]
二人は…
[そういえばいい相手とかいないのかと聞こうとして、レナーテの腕の花の話になればそこに視線を向けた。
言葉の代わりに口から漏れたのはため息だった]
―パン屋―
[齧られた緑のきのこは、ころんと作業台に転がっていた。
水を一気に飲んで、青さを一緒に流し込む。
ぐいぐいと唇を拭えば、だいぶ口の中は何時も通りに戻っていた。]
……生は危ない……。
[ぽつりと一人呟いて。
だが頑張ったおかげで、何となく緑きのこの特性はつかめた。]
けっこう水っぽい。噛むと音がするけど、硬いってわけでもないし。
[そう呟きながら。
齧ったのはとりあえず置いておいて、もう一つ新しいのを取り出してきて。
果物ナイフを取り出し、表面の少し固い部分を大雑把にそぎ落としてから薄く切りはじめた。]
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