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―― 回想 ――
[これがどんなに非日常でも。
まだきっと自分は安全な筈だ]
[だから、ぐるぐるぐるぐる考えていた。
ピクリと体が反応したのは、名前とIDを問われてから]
[質問した相手をまじまじと見て。
かれがそんな質問をした意味を考える。
ワンテンポ遅れて、自分も名乗った]
……1年、宮町春枝。『EliZe』
[騙りを解除する、っていう選択肢はなかった。
――おそらく、ここが勇気を正当に出す最後のチャンスだった]
[でも、さっき、知ったから。
もしゲームが始まったら、「乗る」人がいるんだって]
―― PCルーム ――
[残っていたマリーとアズマ、ユリの話をぼうっと聞く]
[手近な椅子に腰を下ろした]
……いつ外に出られるか分からないなら、まだ取っておいた方がいいと思いますけど。
[ポツリと呟いたのは、外郎を差し出したマリーに]
……焚き火で何を焼くんですか?
[ちょっと嫌な想像をしたから。アズマの台詞に、突っ込んでみた]
[落ち着かない。落ち着かない、落ち着かない。
膝の上で組んだ手は冷たくて。かたかた震える]
うーんと、芋とか?
あと、お湯作れないかな……
一番良いのは、あれがあること、えーと……
鍋するときに、使うやつ。
[カセットコンロのことを言っていた。両手を動かしてジェスチャするが伝わるのだろうか。
宮町の思考には全く気付かず、彼女の身体が震えていることに気付くと]
あー、寒い、もんね。
皆で、おしくらまんじゅーとか、する?
[ガキっぽいか、と眉をひそめた。
自分の学ランを脱いで、宮町に渡そうとした]
これ、よければ着なよ。
芋があったら、焼かないでも食べます
……カセットコンロ?
化学準備室、とか。
ガスが生きてるなら、調理室に行けばいいですし
[不安で、声がちょっと棘棘。
良くないことだとは知っているけれど。
――ヘイトを買うだけだから]
[学ランを差し出されて、ふるふる首を振った]
さ、寒いんじゃない、です。
だから、いりません――っ
[は、と息を吐き出す]
ただ、嫌だなって。そう思っただけなんです。
帰りたい……
それ、すげくね!?
[芋を生で食べる、という宮町の言葉に驚く]
なんか、EliZeって、おどおどしいイメージがあったけど、
リアルElizeって、なんか……たくまし……じゃなくて、
かっこいいね。うん。強そう。
[かりかりしている様子に首をかしげながら。自分の中で持っていたイメージと、食い違っていた。
学ランをいらないと言われれば、着直して、自分は床にしゃがみこんだ。]
どうすれば、帰れるんだろうね……。
―配電室―
[幼馴染みと配電室へ向かう道中、川島は自ら口を開くことはなく、何か考え込むようにしていた]
諏訪先輩。
[一足先に着いた川島は、遅れて部屋に入ってきた佑一郎を振り返る。
彼が来る前に確認していた箇所ももう一度見て、その言葉>>277を肯定した]
異常なし、……ですよね。
それでも電気が点かないっていうのは……
[誠、ついで佑一郎を見て、暫し沈黙を落とす。
結局、現象への答えは出せないまま]
……報告に、戻りましょうか。
[人が集まっているはずのパソコン室へと、2人を*促した*]
[イメージと違う、といわれた。
ピシリと、音が立つんじゃないかっていうくらい固まった]
[しゃがみこんだ相手を、押し隠しきれないおびえを含んだ目で見下ろした。それでも、すぐにさっと視線を逸らす]
……そ、うです?
今の論点は、そも、食べ物がない点なので、芋があれば解決じゃないかと思っただけ。
[友人の口調を思い出そうとする。けれど上手く行かなくて、余計とげとげなる。泣きたくなった]
[この情況に対しての、彼の何故。
聞いて、ぎゅっと拳をにぎりしめる]
……ゲームが、終わったら?
論点って。日常会話じゃ、あんまし、使わない単語じゃね?
まだ慣れてないのに、さっそく人狼、はまってるの?
そんな、視点洩れした狼みたく、ガチガチに、ならなくっても。
[人狼ゲームがすきだから、誰かがはまっている様子を見るのは単純にうれしい。
しかしふと脳内によぎった思い出。]
なんか、今の、誰かに似てたな。
でもさ、ゲームが終わったら、って。
そんな、ここは現実世界だよ。
俺も、諏訪にさっき、リアル人狼みたい、って言ったけど、一蹴されたし。
[肩をすくめてそう言った。
しかし……本心では、否定しきれていなかった。]
廃村できたら一番いいけど。
あれ、でも、廃村した時のメッセージって、
[『忽然と消えた』とか、そんな風の一文が過ぎる]
……もしそうなったら、何処に行くんだろう。
[考えるように、声のトーンは*落ちた*]
……使いません?
あ、はい。はまっちゃって……いや、違う。ううん、でも、引退しようと思ってたんです。
[助け舟に乗ろうとして。でも分からなくなった]
狼なんかじゃない。狼じゃないっ!
[視点漏れした狼、の言葉に声を荒げた。
その「誰か」が自分かもしれないって、ばれたかもって、心臓がドキドキして]
[強引に話を捻じ曲げる。
時間をもうちょっと前に戻したかった。オフ会に参加する前まで]
窓が開かないとか、帰れないとか。
あれ1つだけ光ってるとか。そんなのリアルなんかじゃない……。
……リアル人狼みたいって思ったってことは。
先輩は『鏡』を見ましたか。
えっ。
[荒げられた声に、びくりと身を震わせた。]
えっと、落ち着いて。何かしたかな。ごめんね。
俺、デリカシーない、からなあ。女の子の気持ち、分からなくってさ。
ほら、あそこにいるおねーさん、一之瀬さん。わかる?
あの人に俺、告って、ふられてるし。
[謝りながら、ついでに一年前にふられた話を宮町にだけ聞こえるように話す。たはは、と肩を落としながら。
強引に話を捻じ曲げられたことには、何かをいうことはなく。]
(女の子って、けっこう話、飛ぶよなあ……)
鏡?さっき、顔洗ったときに、見たけど。
髪の毛、そろそろプリンになるな、って。
……そういうことじゃ、ない?
[機嫌を伺うように、宮町を目だけで見上げた。]
─回想─
[春枝への問いの答え>>281を聞き、眼を瞬かせる]
ああ、LiGのシスメかぁ…。
鏡に何かあるってわけじゃないのね。
配役、割り振られてるなら自分が何かは分かるはずだよね?
示すものが無いんだったら、別に配役とか割り振られては無いんじゃないのかな。
カード人狼でだってカード使って自分の役職決めるんだし。
[そう思わない?と返す声はやや軽い。
狼役の人は、と話題が上がると、うーん、と少し悩む声]
…どうするかは、その人じゃないと分かんないよね。
考え方は皆違うんだもん。
[そんな言葉を返して、しばらく行動を共にしたのだった]
─回想・了─
─回想─
[矛盾している。
春枝へ言葉を返しながらそう思っていた。
役職が割り振られていることを一番よく知ってるのは自分だ]
…人狼にされたアタシは………どうするんだろう。
ううん、どうしなきゃいけないんだろうな…。
[自分が人狼であると言うことが何度も動揺を誘い出す。
表に出さぬよう必死に抑えたそれは、赤き世界へと漏れ出た。
感覚に慣れ切っていないためか、考えていることが知らず伝わってしまう状態が続いている]
─回想・了─
[相手はもう追及してこなくって。
それで、少しほっとした。首をふるふる横に振る。
髪が動くのが自分で分かった]
……ごめんなさい。
そんなの、言いたくなかったこと、言わせてごめんなさい。
[自分を落ち着かせるためだろう。
自虐ネタを告げてくれる相手に、じんわり来た。
ケイコの方に、示されるがまま視線をやって。
気まずげについっと逸らした]
[そうして、視線を再びおろして。
こちらをうかがうアズマと目が合う]
……違います。LiGの、シスメの鏡。
訳分からないし、主催者が何か企んでるなら、人狼をモチーフにしたものなんじゃないかなとか、配役、もう振られてるのかなって。
でも、皆鏡を知らないみたいで。私も知らなくって。
じゃあ、どうしたらいいんだろうって。ゲームが終わったら帰れるなら、皆でみんなの鏡を見て。狼も狂人もぜーんぶ役職オープンにして、ゲームを壊してしまえば、一番早く帰れるんじゃないかなって、そう思ったんです。
[いきなり下の名前を呼ばれて驚いた。
表情を覗き込まれて、顔を上げる。
泣きそうな表情で]
……ごめんなさい。
でも、それは先輩が貰ったものなので、私にくれるのは良くないです。
― 2F廊下 ―
[1F廊下で離れる前に聞こえた諏訪>>274の悲しげな呟きには、う、と言葉に詰まり、しかし可愛いとか言われても真に受けたりできる性質じゃないからなにもいえずに、ただすみませんとしか返せなくなかったことを、ふと思い返して小さくため息をつく。
高峰に「どうした?」と問いかけられてもなんでもないと首を振って。
そして廊下を通る学園長>>280と遭遇したのだった]
あ、やっぱり学園長……
[高峰も同じタイミングで見つけたようで、元陸上部男子のよく通る声が廊下を歩く学園長を呼び止める。
学園長もパソコン室へと戻るところ、と聞けばちょうどいいとばかりに高峰は合流することを選び、桜子も戸惑いながらそれに続いた]
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