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[背の高い男――エーリッヒの影に隠れ、困惑した様子のロミが食堂に姿を現せば、女の眸が団員達を捉え、物言いたげに瞬く]
――……。
[けれど、上げかけた声を一先ず呑み込んで、自衛団長の言葉に耳を傾けた]
―宿屋―
やった。……じゃあ、また行くね。
[本が無事彼の手に渡ったのを確認して、僕は手を離します。
この本を読むのには凄く時間がかかったので、今度は少し易しいものにしてもらうべきかも知れません]
……うん。ありがとう。
[皿に盛られた野菜炒めの量は控えめで、他のも合わせてこれなら無理なく食べられそうです。
けれど、いただきますを言う前に団長さんが現れて>>274、話が始まりました]
[自衛団長の声が聞こえ、ゆっくりと目を開けた。
二度、三度瞬いて、話し始めたギュンターを見詰める]
村の存亡に関わる、なんて、大ごとね。
[ぽつと呟いて続きに耳を傾ける。
人狼の御伽噺と彼が語れば怪訝な表情が一瞬過ぎった。
口を開きかけて、制す仕草に仕方なく其れを閉ざす]
よっしゃ。
アーベルサンキュー
[受け取った後にすぐに口をつけて、食べながら話を聞くのは仕方のない話。
最後まで聞くと、思わず、ギュンターを睨んだ]
死んでもらう?
はァ? なんだそれ。そんなん意味がわかるかよ。
……話は以上じゃ。
明日になったら結果を聞く。
決まらぬなら、こちらで勝手に選ぶことになるぞ。
[一度緩めた表情を引き締めて、睨むように一同を見る]
……儂は詰所におる。
相談したいことがあれば、来るが良い。
[ここで問答をすれば情が揺れる。
一度は全てを切り捨てるように、宿を後にした*]
[新しくやってきた人たちを見て、何とも言えない表情になり。
思うところがあっても、口にすることはない。
性格なのかは分からないが、
青年が本音らしい本音を口から紡ぐ事は少ない。
だが眼差しで、どう思っているかは*伺える*]
―宿屋―
[夫の姿が見えると、口を閉ざした。
こちらに向ける視線が他と変わりない事も、静かに受け止め話を聞いた。
語られる人狼の話。
夫から何度か聞かされてたその存在。
心構えがあったから、取り乱すこともなかったが。
夫が結社員と名乗った時には一度瞬くが、視線が合えば長く瞬き返す事で了承を伝えた。]
[ギュンターの左袖の下から覗く銀色。
その説明と村の状況に女の途惑うように眸を揺らした]
――…御伽噺の人狼が、この中に居る?
そんな、まさか……
[俄かに信じがたいといった様子で
ふるりと首を横に振るう]
力ある存在……
御伽噺の通りなら、それって……
[思い当たる言葉を飲み込み物思うように微か顔を伏せる]
―宿屋―
[特に親しい人たちが居ることも気付きはしましたが、話しかける間もないまま話は進みます。
それに合わせて、周りの緊張感が高まっていくのも分かりました]
……。うーん。
[僕は腕組をします。
頭の中で、話の内容を噛み砕きました]
……そっか。だからみんな、バラバラなんだね。
人狼が犯人なら、誰でもおかしくないもんね。
[まずは集められた面子について、一つ頷きました。
傍から見れば、緊張感がないように見えたかも知れません]
[自衛団長の話が進むに連れて、翠は険しさを増す。
途中から組んでいた腕は解け、右手がベルトから下がる玉を掴んでいた]
……冗談じゃねぇよ。
[告げられた宣>>287、そこに揺るがぬ意思を感じつつ。
だからこそ、口をつくのは、短い悪態]
─ 宿屋 ─
[宿の中にはライヒアルトやミリィもいる。
昨夜泊まると言っていたからいるのは不思議じゃないけれど、何だかいいたそうな顔をしてる>>288のに気付いてどうしたのかと問う間もなく始まった自衛団長の話。
村のソンボウって何だろう?と思ったけれど、それを問える雰囲気ではなく。
更に続く話>>274>>282>>284は、子供の自分にとっても─多分大人でも信じがたい内容だった。
ぎゅうと、繋いだままの手の力が強まって不安げに見上げるも、すぐに視線を落とす。
ただ、ギュンターが名乗った結社という言葉は、何故か聞き覚えがあって。
なんでだろうと首を傾げかけたところで、言い切られた言葉>>287に思考が止まった。]
─ 宿屋 ─
しんでもらう、って。
どー、して。
[宿屋に呼ばれた理由は流石にもう解った。
自衛団長が宣言した理由も、頭では解る。
でも、何で自分やほかの人が呼ばれたのか理解できなくて、呟く。
宿を出ていく自衛団長を見送る瞳も、困惑と呆然の入り交じったもの*だった。*]
結社の人間が潜んでいただなんて。
[嘆くように息を吐く]
動物を糧にするのと何が違うというのかしら。
ちゃんと、旅人を選びもしたのにね。
[ウェンデルの様子からして、これまでも気をつけていたのだろう。
不機嫌なウェンに共感するように囁いた]
本当に、手荒ね。
こんな無茶な話、
聞かされるなんて思わなかった。
[気丈に振舞おうとしても青褪めた顔は隠し切れず
きつく柳眉を寄せてくちびるを噛む。
話し終えたギュンターが背を向け歩み出せば
はぁ、と深く息を吐き出し]
本当に、冗談じゃない。
[ライヒアルトの言葉に自分の意を重ね
ふるふると首を振った]
[ざわめく周囲の中、人狼と聞いたときの自分の反応は多分とっても異質なもの]
この村にきて、正解だったかしら。
[その声質はとても楽しげで、嬉しそうなもの。
そして、その後に伝えられる言葉にも驚いた様子をみせずに]
そう……
やっぱり、概ねそういうものなのね。
[ギュンターの告げた対応については、納得したかの口ぶりで]
ああ、ギュンターさんのお話ぜひとも聞きたいわ。
後でお邪魔させてもらうわね。
[立ち去る前の言葉には回りのことなど気にした様子もなく、そう告げて立ち去る姿を見送った]
─ 宿屋 ─
人狼がいるから。
殺す……。
[紅茶のカップをテーブルに置き、両手で口元を押さえた。
団長の話はどうしても夫のことを思い出させてくれてしまう。
人狼が実在するという噂も、結社の噂も、聞いたことはあった。それを現実と受け入れていたかどうかはさておいて]
……結社のことは聞いたことがあるけど、まさか、実在したとはね。
[人の手ならぬ不可思議のものに殺された旅商人。一晩にして消滅した村。彼方此方を巡っていれば、自然、不吉な噂話を蒐集する機会も増える。
だから女には、人狼の存在を馬鹿げたものと。
彼らは御伽噺の中だけの住人であると言い切ることは出来なかった]
御伽噺…… うん。
散々読んだけど、どれも一緒だったから……そういうこと、だよね。
[僕の中の知識と、容赦の無い言葉の意味を照らし合わせます。
死んでもらう。つまりは、処刑ということでしょう]
……。んー。
それしかないなら、仕方ない。……っていうのは、嫌だけど。
……でも、それしかないんだよね。
[自然、眉が下がりました]
――……。
[しばし物思うように、女は双眸を伏せる。
そして――]
……ねえ、ラーイ。
自衛団長の人となり、知っている限り教えてくれないかな。
[自衛団長が示した銀の証は本物なのか。
彼の言葉が本物なのか――或いは彼が正気であるのか。
確かめるべく、友人に問うた]
[御伽噺と同じ手段を取る。
その言葉で何をするかの予測はついたものの、はっきりと言葉にされて>>287、身体が強張った。
極度の緊張状態が続き、団長が話を切り上げて宿を出た頃、抱えていた緊張が精神から身体を蝕み]
───……っ。
[くらりと、視界が、揺れた]
[揺れた身体を支えるために、ロミと繋いでいた手がするりと抜けて、近くにあったテーブルに両手を突く。
ゆるゆるとした動きでどうにか席に着くと、テーブルに肘を突いて両手を組み、その上に額を乗せて項垂れるようにした。
肩に居たリスはテーブルの上に飛び降り、下からエーリッヒを見上げている]
いきなり集められたと思えば、
そんな事。ふざけんな。
[ちっと舌打ち一つ落とす。
しかし家に戻ってゆく様子は、ただ静かに見送った。
が、その話のおかげで気付いた影に、視線を向ける]
ベアトリーチェ、災難に……いや、災難じゃないですかね。
巻き込まれましたね。
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