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[タオルの位置は自分ならわかる。セシリアがラッセルと自分へと視線を送る様子はその所在を求めてのことだろうと推測はつく]
……
[トビーに少し申し訳なさそうに頭を下げながらもハーヴェイのもとにいく口実ができた。
ハーヴェイの方にかけよると、とってくるという風に口を動かしタオルを取りに広間をでていった。]
─厨房─
男というのは、子供の部分を残している事が多いものですから。
[傷は勲章、という話に、軽口めいて返しつつ。
茶葉を探すのと同時に、どこに何があるかを把握してゆく。
今はまだ落ち着いているが、その均衡が破れた時に備えておくべきだろう、との判断があった。
食料と、有事に使えるものの配置は叩き込んでおかねば、と]
少し、真面目すぎる部分もありますけどね。
[それでも、相槌を打つ様子は常と変わった風もなく。
アーヴァインに対する言葉は、そうかも知れませんわ、と呟くよに返し]
……?
どうか、なさいました?
[突然の、驚いたような様子に、ひとつ、瞬いた]
[こちらの言葉にもあまり変わらない様子のセシリアを少しだけ見つめる]
…無理してないんならいいんだけどさ。
怯えすぎてハイテンションになるやつとか、たまに居るから。
[そう言って、先ほどマンジローにしていた話をふと思い出して]
逃げても村に下りたとも限らねぇしな。
[対策、と言われて、ちらりとラッセルを見て。だけど、彼の事はセシリアには告げるつもりはなく]
ほんと、頼むぜ?
[明るく返された返事には、念を押すようにそう言った]
[シャーロットがかけよっていく様子に、ああ。って納得した顔。]
気にしないでね、シャーロットさん!
[広間を出て行くのを見送った。
自分はまた、のんびりと話をきいたり、端にいって一人で指で*遊んだり*]
能力者、って言われてる連中はけっこういる。
俺達を見極める占い師。
狼の牙を退ける守護者。
霊魂を色分ける霊能者。
[能力者に反応したピュエリアに、知りえる能力者の呼称を告げる。
他にもいるが、一気にいくつも教えるのはよくないと思い主だったものだけ出した。
どいつも存在そのものが、狼にとって邪魔になる。]
早く見つけて、食らわないとな…。
[邪魔されるわけにはいかなかった。生き残るために。]
―広間―
[広間に入る直前に発された問いは、墓守には聞こえていなかった。
入れ違いのように出て行く養女を見送る。
客人達の邪魔にならぬように、扉の横に立った]
―厨房―
[キャロルに尋ね返されても答えずにただ凝視する。
焦点は合って居る様な居ない様な。
何処か深淵を覗き込む様にキャロルの顔を見ていた]
白い星…?
[疑問系で呟く。
其れが何を意味するのか本人が理解して居ないかの様に]
あっ。
[茶器を手にして居る時で無くて良かった。
数拍の後に口元を両手で隠して目を見開いた]
[インサニアの問いに、小さく笑む。
養父を殺した事を理解しているのに、それを聞いてくる様は好ましく思った。
邪魔だった、にはにこりと柔らかな気配を返して。]
インサニアを嫁にくれって言ったら、断られたんで殺してやったのさ。
[軽くそう言ったが、真実だった。]
―広間―
[笑顔のセシリアに迎え入れられて、こちらもにこりと笑み返した。
今はまだ、セシリアの変化には気づいていない。
セシリアの視線の先を辿ると、ラッセルとシャーロットを見つけた。
何か逡巡しながらも、近づいて取ってくるという仕草を見せた彼女に笑んで。]
ああ、頼んだよ。
[そう広間を出て行く様を見送った。]
マンジローさん、女の子には「かわいい」とか「きれいだよ」って言ってあげないとダメなんですよ?
[以前の自分なら口が裂けてもいえないような言葉がすらすらと出てくる。
楽しい。無意味な抑制を捨て去れば、こんなにも自由なのか。
そこまで考えて、ああ、また以前の自分なら言わないようなことを言ってしまったと気づく。
どうにも歯止めが利かなくなってきた]
[トビーから駆けられた言葉にはちょっとだけ気恥ずかしい感じとか感じたかもしれない。
広間を出る時、ユージーンとすれ違い軽く頭をさげる。
程なくしてタオルを数枚とって広間に戻ってくる。]
……
[ハーヴェイにタオルを一枚渡して、残りは机の上に。
そしてすぐにぬれたままのハーヴェイにしがみつくように抱きついた]
キャロルさんは人間。
信じて欲しい。
…っ!
[コエにも伝わる程に息を飲んだ。
衝撃が抜けるとアグレアスの説明が頭に染み込んで来る]
霊魂を色分ける。
見付けないと…。
[次に誰かを狼だとして誘導出来ても知られてしまう。
だから其の前に見付けないと。
そして――
殺さないと]
─厨房─
……エッタ様?
[突然の変化と呟かれた言葉。
意を捉えきれず、僅かに眉をひそめる]
エッタ様?
どうなさいましたの、何か、ありまして?
[目を見開く様子に、それは更に増して。
身をかがめて、目線をあわせるよにしつつ、再度名を呼びながら問いかけた]
[広間に帰ってきたハーヴェイには一礼して。下りられる所は無いという言葉にはやはりと言って顔を曇らせた]
さようか、ではやはり村の方で橋を架けなおしてくれるのを待つしかないようでござるな。
[村が無事であれば、と言う言葉は飲み込むことにした。この状況では、いくらでも悪い考えばかり浮かんでしまう。どのみち確認のしようきないのだから、余計な事は考えないほうが良さそうだ]
[ギルバートに明るく答える]
だ、大丈夫ですよ、無理なんてしてません。
……落ち込むばっかりより、明るいほうがいいでしょう?
わかってます、怖い事は言いません!
[神妙な顔で言い切り、苦笑い]
[アグレアスがピュエリアにする説明は以前に自分も聞いたことがあるもの。
今こうした状況だと本当に存在が忌々しく感じるのは血のせいか]
うん、早くみつけないと。
ありがと……うぉっと。
シャロ、濡れるから。
[受け取ったタオルを頭に乗せてると同時に、しがみつくように抱きついてきたシャーロットの頭を、落ち着かせるように撫でる。
養父が殺された状況では、怖がるのも無理もないとは思うものの。あまりひっつかれると、二人してぐず濡れになりかねない。
無理に手を離すことはしないが、離れるようにとやんわり告げた。]
─厨房─
白い星が視えました。
キャロルさんの内に。
[視線を合わせて名を呼ばれ泣きそうな声で答える]
キャロルさんは信じていいと分かりました。
如何してかは分からないけれどそう確信出来ました。
でも。でも。
[混乱した様に言いながらキャロルに抱きついた]
やだ。死にたくない。
[広間から離れてる間のこと、突如かかったコエには驚いたように]
えっ?嫁に…?私を……?
[その言葉はとても嬉しく何よりも至上な響き。
それを断ったから殺したと。
アーヴァインのことを父親のように慕っていた部分もあった、けれどもそれ以上に嬉しい気持ちと、何よりもアグレアスを思う気持ちがあったので]
それじゃあ、しかたがないよね。
だって邪魔だったんだから……。
[軽く言う様子はこっちを気遣ってのことだろうと自分なりに解釈。
自分にとっての一番の正義はアグレアスだから。]
だな。何時になるかはわからないが…。
まぁ向こうにはギルバートの両親もいることだし、かからないって事はないと思うけど。
[頭を拭きながら、マンジローにはそう返す。
ギルバートが居なかったら、橋などかけずに捨て置かれていたかもしれない。
そうならないだろう事に少しだけほっとしていた。]
あとはつつがなく無事に帰れる事を祈るばかり、か。
[人狼の事さえどうにかできれば。
人狼の話は不安材料でもあり。
切り出していいのか分からなかったので、曖昧に言葉にするのみにしておいた。]
それはもちろん、おなごにとってはそう言われるのが一番であろうが・・・。
いや、決してセシリア殿が綺麗ではないとかそういうわけではござらぬぞ!
「芯が強い」と言うのもおなごとして一つの美徳だと、そう言いとうござった。
[セシリアの言葉には苦笑いを返す。
一方で、彼女はこんなに饒舌であったか、首を傾げつつ]
うん、キャロルさんは人間だよ。
[ピュエリアの聞こえてきたコエに優しく返すコエ。]
私も何か見つけたら二人に教えるね。
[周りを伺う様子のラッセルを抱えたまま、とりあえず落ち着くまでは置いておこうと。
そうして、セシリアに、今度は軽く笑顔を向けて]
まぁ、確かになぁ。
今くらいはゆっくりしてもいいのかもな。
いい返事だな。
[最後にもう一度笑って見せてから、ソファーの背もたれに体を*預けて*]
[頭を撫でられると嬉しそうにさらにすりすりと擦り寄り、
けれどもぬれるからと離れるように言われればおとなしく言うことを聞く。]
……
[近くの椅子に座りハーヴェイが体を拭きながら皆と話す様子を眺めている]
[呟きも厳密には嘘ではない。
衝動に突き動かされる部分と人の色が濃い部分。
願う部分が在ったのも事実。
母から継いだ狂気が早晩飲み込んでしまうとしても。
幸せそうなアグリアスとインサニアにはコエを挟まない。
自分まで幸せそうに聞いていただけだった]
まだ、居るかどうかも分からないけどな。
[ピュエリアに言いつつ、だが可能性は高いと思ってもいた。
狼と能力者は、何故か惹かれあう傾向でもあるのか。
その登場は対のようにある事例が多かった。]
そうだ、見つけないと。
見つけて殺しておかないと。
その為に嘘を振りまけ。
人間同士を疑わせろ。
能力者とて、正しい事を言っているとは限らない。
同情を買い、悪意を呼び、疑いを振りまき殺しあえ。
[楽しげに、歌うように、獣のコエが赤に響いた。]
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