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もう少し後なら良かったものを。
[少しは警戒が薄れたかもしれない。
そう考えて、ソレは普段なら考えないことだと気付いた。
が、口にすることもない。]
剣。
隠す、場所。
剣は、剣の形をしているのでしょうか。
その剣があれば結界が解けるのでしょうか…?
[呟いた所、扉に気配を感じて顔を向ける。
側近が、との言葉には、目をパチパチと瞬いた。]
―食堂―
貴方が入れてくれたお茶を飲むのも久しぶりね。
[穏やかな声と共に、精神竜へと微笑みかける。
カップの中身を、口へと運ぶ。枯れていた喉に、潤いが戻った気がした。
そこで聞こえてきたのは、ばたばたと廊下を走る、大きな足音で]
あら?
[機竜の姿を見つければ、ひらりと手を振るっただろうか]
……
[お茶とノーラを見比べて、少し困ったように尋ねる。]
お持ちしましょうか?
[が、それとほぼ同時に大きな声で機鋼の竜がやってきた。
そちらを見て、エーリッヒ殿と名を呟いた。]
てー…なんで、皆さん、こんな時に優雅にお茶飲んでるんですかあ〜?
[大人達の反応に、青年は、がっくりとうなだれる。そういう自分は飴玉で頬を膨らませているわけだが]
[ 出されたものを受け取らぬは礼儀に反すると思ったか。
語り終えた後なれど、紺碧の方を見やり、卓上に置かれたカップに視線を落とした。口許に手を添え、下りる沈黙は思考の間だ。
月闇の竜に再度問われて、漸く、空いた椅子に腰を下ろしたのだった。]
……ありがとうございます。
[ 小さな水面を見詰めつつ感謝を紡ぎ、持ち上げた両手はそっとカップを包んだ。口をつける様子はない。]
――ですが、結界内とまで特定されるとは。
[西殿の方角を見ながら心話は続く。クレメンスの上げた名に眉が寄った]
疾風と時空ですか。
月闇の話は出てないし、結界内を探られたのかな。
気配だけの察知であればいいのだけれど。
[オティーリエの言葉には、小さく同意だけを返した。
普段と違うと気付くまでは青年は彼女の普段の事を知らない]
―食堂―
こんな時だからこそ、かしらねえ。
[若き機竜へ、くすくすと笑みを向けて]
ですが……本当に、あまり芳しくありませんね。
今の所、"結界に飲み込まれる"といった現象が起きる気配は無いですから。
何者かによって、と考えるのが――妥当です。
[そこまで呟いたところで、またお茶を一口]
慌てても、仕方ないと思いますよ。
[エーリッヒの言葉に苦笑して。]
それに、今聞いたばかりですから。
あなたも、お座りになりませんか?
厄介ですね、本当に。
わたしのことを、気付いていたのなら、きっと何か接触が来るでしょう
[そこには、邪魔をさせないという意志。
少なからず、相手を心配に思うはずの心はあらわれなかった。]
[賑やかな機鋼の仔竜の問いに、眉を寄せていた青年は振り返った。その視線は仔竜の顎辺りで留まり、けれど飴玉で膨れた頬は視界に入っている]
それはまだわかりませんが中にいるのは確かなようです。
エレオノーレ殿が今、説明して下さっていたのですが。
[氷破竜の久し振りと言う声には会釈のみ返して、カップを手に包んだ影輝の竜へ視線を流す]
[エーリッヒが現れて言葉を紡ぐのに、ピシリと背筋を伸ばして眼鏡を上げ]
情報が錯綜した状態で動いても良い事はありません。
先ずは情報の整理、それからです。
[ずず、と、まるで縁側にいるかのように茶をすする。]
―――広間
ふぁ……。
[何度目かのあくび。
情報を聞き逃さないようにと、ずっと広間に流れる情報を集めていたが、さすがに眠くなってきたのを感じる。
そも、水は、安らかな眠りを司る一旦もあるので、なおさら眠りが恋しい]
……。
これ以上、そこまで情報は動かないかしらね。
食堂で、お茶飲んでくるわぁ。
[なにやら、移動寸前に、ギュンターが中に、とかそういう情報が機鋼のから聞こえてきたが、よくそこらへんの力関係が分かってない自分には、結構どうでもいいことでもあった]
―――広間→食堂
……一人で無理はしないように。
頼れと言う貴女が先に倒れては困りますよ。
[決意の程を感じて、そっと釘を刺しておく]
ですが、貴女の事を感付かれるのは確かに厄介ですね。
今度は私が動きましょう。
―――食堂
[食堂の入り口から中を覗いてみれば、なにやら、結構な人数が集まっているのが見えた]
あらぁ……。
また、みなさんお揃いで。
井戸端会議の真っ最中だったかしらぁ?
[順に顔を見つめていくと、その中に氷の姿を見つけて、少しだけ顔をしかめた。
焔ほど露骨に嫌がることこそ無い。
嫌いというよりも、氷は苦手な属性、というほうが当てはまるだろう]
……。
……私にも、お茶いただけるかしらぁ?
……はい。
ですが、わたしもあなたを頼っています。
[微笑んで、それから頷く。]
お願いします。
続けて動くには、少々――分が悪いでしょう。
[皆さん鋭いようですしと、周りをみた。]
[ それぞれの反応に同意を示すかのように微かに頷き、]
……飴玉。
舐め終えないうちに飲み込むと、危ないですよ?
[影の放った言葉と言えば、そんなものだった。
一時、機鋼の竜を見ていた眼差しは手元に下り、少しばかりカップを傾けては、色付いた液体が揺れ、小さな波を起こす様を瞬きもせずに見詰めていた。]
えぇ、少々お待ち下さい。
[機鋼の仔竜に椅子を勧める月闇竜を見、次いで入って来た流水の竜に頷いた。既に底にしか残っていないポットを下げ、もう一度茶の花を開かせる。その間に仔竜用にミルクを温め蜂蜜を落した]
―食堂―
[水竜の随行者からの視線に気付くと、カップを片手に持ったまま会釈する。
顔をしかめられたのには気付き、普段よりも冷気を抑えるよう、気をつけた。
――最も、普段からも殆ど冷気は発していないのだが]
あらぁ。
よく会うわね。オトフリート。
そんなに広い場所ではないとは言え、これほど頻繁に出会うのは、運命的なものを感じるかしらぁ?
……あんなことまで一緒にした仲ですしねぃ?
[誤解されるような含みをもたせて、言葉を締めくくると]
精神の。ありがと。
[と、先程の話は無かったかのように、アーベルからカップを受け取り、ゆっくりと飲み始めた]
………
[ああ、ほんとに竜族らしい人たちだなあ、とか、そんなことが脳裏をよぎったかもしれません]
はい…騒いですみません。
[それでも氷破竜や雷撃竜の言葉を聞くと、ぽり、と頭を掻いて、月闇竜に奨められるままに、隅の方の椅子に腰を降ろした]
あ、飴…ご忠告、どうも…
[影輝竜の指摘には、僅かに頬に赤味が差し、慌ててガリ、と甘い飴を噛み砕いた]
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