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失うのが嫌なら、大人しくしているのが一番だ。
大切なものを守るとき意外はな。
[告げる言葉は冷淡に、けれども次にかける言葉は仲間に対する優しいもの]
俺はそれが悪いとは思わない。
無理に手を血に染める必要は…なにもない。
[人と人狼の意識がどこか混じった、不安定な感情のこもりかた]
[次に目を覚ましたのはそれから1時間ほど後か。
深く短い吐息をついて、のそりと起き上がった。
机の脇に立って昨晩記した報告書を見直し、問題なしと頷いた]
…腹減ったな…。
[そう言えば昨晩はすっかり検証に夢中になって食事を取らぬままだった。
腹をさすりながら部屋を出て、階下へと向かう]
―→広間―
おはようさん…なんか、食いもんないかな…?
[やや寝起き感の残る表情で問いかけながら、皆の顔を見回して感じるのは違和感]
どうした、なんか…あったのか?
[怪訝そうな表情で、首を傾げた]
うん。そんなの乗せてたり考えてたら子供の寝物語にもならんよ
[オトフリート、エーリッヒ。二人の同意に被せるようにいう]
俺らがどうするか…かぁ。
…人狼を…探す?
[ただ率直に何をすれば解決するかを述べる]
そっかぁ。オト兄。
ところでその疲れってのはどれぐらい身体に影響する疲れなのかな〜?
[オトフリートの言を嘘だと否定はせず、ただ信じもしないのであった]
……ぜったい。
外に、行くんだ、って。
その、絶対。
今も、レーネが……願うなら。
[手の温もりを感じながら、ゆっくりと口にする。
タオルを持って来てくれたヘルミーネとウェンデルには、顔を向け、礼を口にして軽く頭を下げた]
……特定の場?
[フォルカーの紡いだ言葉に、翠はそちらへ。
発動の条件については聞かされてはいたけれど。
その条件が如何に揃うか、までの知識は伝えられてはいなかった]
……って、あのですね、ダーヴくん。
何なんですか、それは。
[それから、ぼそっと呟くダーヴィッドに突っ込みひとつ]
[何処かぼんやりとしているエルザに視線は動き、すぐに逸らされた]
…何か言ったかい?
[話の内容は殆ど届いていなかったが、自分の名前は聞こえたらしい。
問いはダーヴィッドへ]
おはようルディン殿。
……ええと、今朝団長が亡くなった。
[とりあえず自分からはそう短く告げておいた。
人狼云々に関しては、きっと他の人が説明するだろうとか思ったので。]
ああ、軽くでいいならローザが作ったスコーンやらがテーブルに。
[朝食に関してはそう指しておいた。]
失うのは勿論嫌だよ!
ボクはここに居る誰も失いたくない。
……本当は、おじいちゃんだって……。
[失いたくは無かった。その言葉は聲としては紡がれず。人としての意識が強い今、獣としての在り方を否定する]
護りたいのに、壊さなきゃいけないなんて。
どうして、こんなことに───。
……はい?
[ユリアンの問い。
翠が数回瞬いた]
どれ、くら、い、って。
[瞬いた翠は何となく、移ろい。
ちょうど、入ってきたハインリヒへと向かう]
ああ、ハインリヒさん、おはようございます。
ギュンターさん……自衛団長が、亡くなりました。
……人狼の、手に、かかって。
……僕にも、全ては。
ただ――……
その時に至れば分かる……目覚めるんだ、って。
ただ、それだけ。
……逆に言えば、特定の場以外では、無力だって、こと……………なの、かな。
[終わりはほとんど独り言だった。
声には僅か、悔しさが滲む]
オトフリートさんは強がるから大丈夫はあんまり信用ならない、だっけ?そんな話を昨日ヘルミーネさんとしてたから。
[突っ込みには昨日ヘルミーネとかがしていた話を口にする。
ヘルミーネの声が聞こえたのでぱちりと瞬きひとつして。]
オトフリートさんが胸元抑えて大丈夫って言ってるから、無理してヘルミーネさんに怒られても知らないよって言った所。
[あっさり細かい所まで知らせておいた。]
よくて俺達で対処しろ。
悪くて皆まとめて…だろうしな。
[オトフリートに返すのはそんな言葉。
今までの対応を見れば、素直に開放されるとは思えない]
集会場内、いやまぁ外か。
で…起きたわけだしな……。
[自分達の中にその犯人はいる。そう確信をされてもしかたのない事実。]
どうすればいいのか、こういう時に何か詳しい奴はいないのか?
[頭に浮かんだのはライヒアルトの姿]
ライヒなら何か詳しくないかね…。
[呟きながら、そういえばあいつの姿をみていないなと思った。]
おー。ハイン兄さん。おはよう。
えっとだな。ここに集められた理由…あれが現実味を帯びてきたっぽい。
今日自衛団長が死んだことで…ね
[やってきたハインリヒに説明をして]
ちょとオト兄。そこで目をおよがせたら駄目だよ
[なぁ。というように同じように注意したダーヴへといって]
ヘル姉っ。またオト兄が無理してるみたいっ
[報告した。決して告げ口じゃないと思う]
─広間─
[フォルカーが口にしたのは、以前自分が言った決意。縹色が軽く見開かれる]
ぁ───……。
[その願いを護ると言うフォルカーに、何故か、頷けなかった。握られた手も握り返すことが出来ない]
[タオルを置いて行ってくれたヘルミーネとウェンデルには、今の余韻もあってか言葉を紡ぐことは出来ず、軽く頭を下げるに留める。片方だけ手を解放してもらい、タオルを手に取ると、半ば隠すよにタオルで目元を覆った]
お早う、先生。
[ハインリヒには挨拶だけを向ける。
ギュンターの死は直接見た訳ではないから、説明は他がするのに任せた]
そうか。
[それからダーヴィッドとユリアンの証言を受けて、視線はオトフリートの方へ。
暫し無言の時間が続くか]
……その時がくれば、目覚める。
……発動の条件……。
[フォルカーの言葉に、思案するよに目を伏せる。
ユリアンとダーヴィッドの言うあれこれは、一時的に意識から遮断した。
過ぎるのは、幾つかの推測]
その『力』が、人狼に対するためのものであるなら。
普段は、使えない方がいい……と。
俺は、思いますけどね。
[悔しさの滲む声には、こんな言葉をぽつりと返す。
もしかすると、妙な実感がこもって聞こえたやも知れないが]
[ハインリヒの姿が見えれば、軽く挨拶を返し]
そんな話聞かされて育った子供とかやだしな。
[ユリアンの言葉にそんな感想を漏らす]
ああ、探すにしてもどうやって探すとか、これからどう対応してくかだな。
[ユリアンの言葉に頷きながら]
どうすればいいのか、それが一番の問題だけどな。
[そこでオトフリートの言葉が聞こえた。
フォルカーの言葉は聞こえていなかったので、視線はオトフリートに]
場…か…。
[聞いたことのある言葉、呟いて漏らす言葉には何か知っている風にも聞こえたかもしれない]
[オトフリートに関しては、だなぁとユリアンに大きく同意した。
事実をヘルミーネに飛ばしただけで、きっと告げ口ではないと思う。
フォルカーの場とか力とかに関してはよく分からない。解ってないが、何か大切な話な予感はしたので、一応頭に単語を留めておいたりした。
エーリッヒが言う人物は、そういえば暫く見ていない気がした。実際はそんな長い間ではないはずなのだが。]
そういや今日はまだ見ないな、グラーツ殿。まだ寝てるのかもな。
[ちらと二階のほうへと視線は行ったか。]
[イレーネの反応を窺ってはいたが、返らぬ声、入らない手の力に、フォルカーは、理由を追求することはなかった。
一度だけ、少女の手を包み込む己の手に、強すぎない程度に力を籠めてから、片手を解放する]
レーネの望みを叶える――……
それが、僕の、“絶対”。
[傍の彼女にだけ聞こえる、囁くような声で言うと、立ち上がり、もう片方の手からも力を抜く]
―広間―
[口々に伝えられる事情に、思いっきり顔を顰め、え?と]
…みんなで口裏合わせてからかおう…ってわけじゃなさそうだな。
自衛団長が亡くなっちまった…って…。
[一度、イレーネの方へ視線を向け、その表情を見て]
なんで、人狼の仕業だとわかった?
[事故じゃないとわかるにせよ、だ、と付け加え、
自分はどかっと広間の椅子に腰を下ろす。
どこか最後まで寝惚けたままだった頭の一部が、すっと冷めていく]
……とりあえず、後者の最悪は避けれるよう、釘を刺しては見ましたが。
恐らくは、俺たちで対処しろ、という事になるんでしょうね。
[エーリッヒの言葉に、疲れたようにこう言って。
彼の言葉に、言われてみれば黒髪の修道士を見てはいないな、とふと思う。
向かいの部屋の様子を確かめる余裕など、さすがに先ほどはなかった]
って……。
何か、ご存知なんですか?
[それから、紡がれた短い言葉に。
僅かに首を傾げつつ、問いを投げた]
だよな。イレーネの言うことはよくわかる。
何も失わないですむなら、それに越したことはない。
[返す言葉は優しい色を含むもの、後に続いた言葉はどこか冷たい感じに]
けれど、時にはそれが通らない時もある。
答えなんてない、なにも。
あるのは事実、ただ非情な事実。
[続いた言葉は複雑な感情の混ざったもの、どこか苦しげで、楽しそうでもある]
俺はイレーネに恨まれる覚悟も…できている…つもりだ…。
けれど、本当に大切に思うのなら、俺は手を出さない…。
フォルカーにはな。
[反面、他の人に対しては、手を出すという意味にもなるだろう]
傷痕からの判断ですよ。
[ハインリヒから投げられた疑問に、思い返すのは白の中の真紅]
俺は、最初の犠牲者の傷は見てはいませんが。
……ギュンターさんの受けた傷。
あれは……普通の獣や、人の手だけでは成しえるとは思えませんでした。
―広間―
[昔馴染はこちらを見ない。
だが常のように問い詰めに行こうとはしなかった]
フリー。
…分かってるよな?
[低い声で釘を刺しはしたけれど、それだけで視線は外れた]
[オトフリートの呟きのような台詞に、頷きは返さなかった]
……力があったら、
[ただ、ごく小さく声を漏らしただけ。
緩く頭を振って思考を振り払い、誤魔化すよう、相変わらず恐る恐るながら黒猫をひと撫でして、暖炉近くの椅子のひとつに腰を下ろす。
嘘の苦手な少年は、口を噤んで、皆の話を*聞いていた*]
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