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[からかいを帯びた仕種にやや、むぅ、とするものの、一瞬そらされた視線に戸惑い。
でも、その理由は何となく聞けずに]
あ……うん。
それがいいね。
[話を聞いてくる、という言葉に頷いて。その背を見送りつつ]
……ありがと。
[消え入りそうな声で、小さく、ぽつりと呟いて]
[ローズの仕事…それを思い出し少し目を伏せる。
自分はそれを気にしなかったけれど]
『喰わなければいけない内臓』……?
[そう聞いて、考える。
女性特有のもの……]
…子宮、ですか?
俺、そういう難しい事は知らないけど…
[それは果たしてどうだったかまでは思い出せず]
……そう。
おそらくはそれを隠す為に、他の内臓も食い散らかしたのでしょう。
…………だとすれば。
『その職業』に何か因縁のある人物か、コンプレックスのある人物。
そういった犯人像が見えてくる。
と、思うのです。
まあ、ローズさんが他に何処かで恨みを買っていると言うのなら話は変わりますが。
……おっと、殴らないで下さいよ。お年寄りなんですから。
[肩を竦めて。]
…占った?俺を?
それじゃ、ローズが……俺を、信じるために?
つまり、俺は人だと認めてもらえたと……?
貴方は、俺を殺さないと…?
[驚きと、そしてローズの思いに、声が震えて]
どーいたしまして。
[ 背を向けて答える声は素っ気無く、軽く手を振ってメイの部屋を後にする。
――其の後には神父への報告や昨夜の顛末を聞けば大分時間は掛かり、自室で休息を取っていれば、すっかりと夜の帳は下りていた。]
殴りませんよ…こう言う事です
[にやりと笑ってホールドアップ、すぐに手を下ろして]
其の職業に、ですか…でも俺には心当たりがないな…
貴方にはあるんですか、その…心当たりは?
ええ。
彼女は自らの命を賭してまで、貴方を信じようとした。
ただ、次に占う予定だったのがトビー君だった。
その理由は、結局分からないままなのです。
ナサニエルさんを占った理由と同じだったのか、それとも別の意図があったのか……。
[眉間に皺を寄せ、考え込む仕草。]
それを今必死で思い出しているのですよ。
この歳ですから、記憶力が著しく低くなっていてね。
……もし、私に何かあったら。
ウェンディをよろしくお願いします。
そして。私の情報を元に、事件の解明を。
[ナサニエルの両手を握る。意外に力が強い。]
−客室−
[――どれくらい気を失っていたのか。
鈍く痛む頭を抱え、よろりと身を起こせば、そこは馴染みつつある部屋のベットの上で。
ぼんやりと、生気が欠けた瞳で辺りを見回して。]
[ふと座っている寝台の微妙な振動に気付き]
[動き出す気配]
[見ると、少年が身を起こす所で。]
……気がついた?
[顔を覗き込む様に声を掛ける。]
トビーを?
[ルーサーが考え込むのを見、此方も考え込む]
トビーは怖がりだから、占って人だと証明できれば…そう思ったんじゃないかな…。
それにトビーは彼女を慕っていた。
信じたかったんじゃないかと、俺は思う。
[服の袖を掴んできたウェンディを見て。]
……ふふ。こんなに弱気じゃいけませんね。
天下の異端審問官とあろう者が。
しかし、私の言葉に不信感を感じている者は少なくないようです。
何せ、武器庫の鍵も一時的に誰かが持ち去ったようですからね。
おそらくは、武器を手に入れるために。
[ウェンディの頭を、わしわしと撫でる。]
何かあったら、って、そんな…
[握られた其の強さに、何かの決意を感じて]
…分かりました。
でも、俺が生きている保障もありませんけどね。
[窓辺にぼんやりと佇み、夜空を見上げる。
視線は空。
右手は左の胸に浮かぶ真紅に静かに触れて]
……止める……か。
でも。
結局そのためには、殺さなきゃなんないのかな……?
それすら嫌だって言うのは……わがまま、なのかな?
[呟くような声。
答えの出ない──否。
答えにたどり着きたくない、自問自答が続く]
[傍らの気配と掛けられた声に、そちらを見やり。覗き込まれた瞳に少し生気が戻る。]
……お兄さん…? ボク…どうして…。
[額を押さえるように手を遣り、顔をしかめて。思い出そうと。]
……何の為に、ここに3人いると思っているのですか。
[ウェンディの頭を、撫でる。]
人狼は残り一匹。処刑は一日一回。
つまり、私達がその両方の対象になったとしても。
[言葉を切る。]
一人残る。
その一人が、他の方と連携を取る事が出来るのですよ。
わかっていただけますか?
[とはいえ、死にたくないというのも本音なのですよ。と笑う。]
[少年の生気に欠けた瞳に][その顔が険しくなり]
[思わしげな][気遣うような][心配そうな]
[面持ちで其の様子を伺う]
トビー。
[幾らか反応しはしないかと]
[撫でられれば。その手の大きさに瞳を上げて――]
武器を手に…?
神父様が…いるのに?
どうして――?
どうして人は…嫌なことは皆押し付けて…自分の身だけを護ろうとするの?
そんなの…そんなのって…神父様がっ…!
[堪えきれずに吐露した感情は、その円らな瞳から一筋の雫を誘い出し――]
-廊下→玄関-
[そこを差し掛かる時、少しだけ躊躇した。
昨日の夜、扉の向うから漏れ聞いた哄笑。蝋燭に浮かび上がる銀の髪の青年と、その後ろで微笑む良く似た肖像。]
貴方のこと、幸せそうだと思ったの。
[肖像に向かい、ぽつりと呟いた。]
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