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[ヨウコに手をとられて最初に感じたのは、何だったのだろう。
その感情の名前を彼女は知らない。
ただ望むままに思い切り腕を振り払って]
はなし、て!
どこ……にいったの?
どこ?
[赤を追いかけるように目が動く。
なくしたくないというように。
――かれのこんせきのひとつすら、ないのだ]
[ぺたり、その場にへたりこむ。早乙女の瞳から目を離せないまま。]
純、ねぇ………?
こんなの、夢だよね……?
[掠れた声が呟いた、その刹那。何かが水面を覆いつくして。そして、早乙女だったものも、染める朱も、すべてかき消した。]
[―――膝を突く。
腕に提げたままだったビニール袋が滑り落ちる。
中に入っていた、花火が、赤い床に、散らばった。
後には、ショウの傍を転がるバスケットボールと、
彼の居た場所には小さな人形の付いたストラップ。
それは、まだ、未開封の。
そう言えば、
以前、失くしてしまったのだと、
ハルヒに言った覚えがあった。
何処かで、買って来たのだろうか。
誕生日プレゼントにと。
答えを知るものは、もう、いない。]
[屈み込んだ目線からは、まるで鉄格子のような
ベランダの柵を掴み、呟く。]
…………司。
[呪詛のように低く
または睦言のようにささやかに]
つかさ。つかさ。司。つかさつかさつかさつかさ
喰らってやる。喰らってやる。喰らって
おれが、
必ず
”還す”間など与えん
肉の
ひとかけ
血の
一滴
骨の
一辺まで残らず
残さずに。
嗚呼
桜の齎したこの
巡り合わせに
感謝、
しようじゃないか………………………。
[それに誘われるように足をふみだす。
靴など履こうという気すらおきず。
土を踏む足は痛みを覚えたのだろうか。
よくわからなかった。
ただ、赤が伝っていたはずの地を踏んで]
……おにいちゃん、どこいったか、知ってる?
[問いに問いを返す]
あかも、ないの。
……ゆりちゃんも?
[ビクリとなる。
おぼろげに聞きとっていたものでなく、ハッキリしたコエが響いて]
このコエ、音色の?
聞こえる、うん、聞こえる。
[コクコクと頷く。
怯えと期待を半々に滲ませて]
かりそめの
馴れ合いを
うわべの
触れ合いを
続けようじゃないか。
そののちに待つ絶望、悲哀、苦悩、激情、慟哭こそが
お前らの肉を華々しく彩り、血を香しく染め、
心室に甘露を満たすのだから。
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