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[重ねられる手にほんの少し、震えが止まる。
手から伝わるイレーネの体温が身体全体へ広がるような感覚を覚えながら]
…この間から戻ってこない。
多分、避難したんだろう。
一言も言わず、書置きも無かったけどね。
来るのは、問題無いよ。
寝るスペースもあるし。
[良いのか、と訊ねるイレーネに一つ頷きを返す]
[ハインリヒと別れた後、足を向けるのは宿の方。
そちらに近づけば、聞きなれた声が耳に届き]
あれは……ユーディ?
[小さく呟いて、やや、足を速める]
< 彼がそう囁いたか、否かの瞬間。
眸から色は失われた。
次に出でたのは、
初めは中心に一点のみの薄い赤。
生まれたばかりの色は広がり、
深く、深く、
湧き出る血のように染まり、
闇の色を帯びて、
白との斑模様と化してゆく。
されど僅かに残るそれも、次第に暗紅に塗り潰された >
……居ないのかな。
[宿の周りを一周して、中の様子を窺うものの、それで何が判るわけでもない。ただ、微かに――気のせいかもしれなかったが――血の匂いが、漂っているようにも感じた。
それは、昨夜の惨劇の残り香だったろうか。]
[表に戻って、念のためにもう一度アーベルの名前を呼ぶ。
しかし、誰も出てくる気配がないのは相変わらずだった。]
申し訳ありません。
疑惑の花を育て切ることは出来なくなってしまったようで。
[嗤う聲は徐々に高まってゆく]
ですが、艶やかな華はお見せできるように。
せめても努めさせていただきますよ…。
[ゆらりゆらり。その身を焦がしてゆく、ネツ]
< ――クルルゥ、
猫には似つかわしくない声があがる。
染まった眸のきょろきょろと動く様は、
狂気めいたものを感じさせた >
[耳に、熱を感じた。
刺すような痛み。僅か、眉を顰める]
……成る程ね。
[呟いて、歩みを速める。
診療所の建物と、その傍の人影が見えた]
[伸ばしていた手で白猫を抱き上げる。
胸元まで引き寄せれば、人ではない力を篭めた]
『いらっしゃるなら、どうぞ』
[熱を孕んだ囁きがその耳に注ぎ込まれる]
ならば宴を飾る別の花を咲かせよ。
我らが好む朱の色…それを纏いし大輪の花を。
[謝罪と共に高まる嗤い声。
告げられた内容を咎めることなく、更に嗾ける]
/*
相打ち持ってけそうな流れ?
どう返って来るかな。
相打ち受け入れてくれるなら確実に喰える。
そうじゃなくても、エリがアベの傍に居ないから、喰えはするかなぁ。
…そっか。
[ユリアンに何も言わずに消えてしまった事には、少し眉根を寄せむぅと行ったような表情を浮かべ。
少し考える。
宿でもよかったが、エルザらが死んだ後で部屋を借りるのは躊躇われていたのもあり。
またユリアンの傍に居られるのは、この状況下では何より有難かったので。]
…えっと、それじゃ、お邪魔していい?騒ぎの間だけ…。
[宜しくお願いしますと、ぺこり頭を下げて。
置いていた荷物を持ち、ユリアンが工房へと歩き出すならその後へと続くだろう。]
< 白猫の形をしたモノは、痛みを感じてはいないか、
小さく唸りをあげた侭。
されどそれは警戒ではなく何かの呼応するかのように >
/*
あ、それかロスト様占いで黒出しでもいいかも。
…って、吊り先占いって出来たんだっけ?
まぁRP村ならシステム面はどうでもいいか(ぁ
ふふ、フフフフフ。
『真なる視る目を持つ者』に『視られ』ましたので。
どちらにしても散りゆくならば、大華を咲かせましょう。
甘美なる紅の舞を貴方に、エウリノ。
甘美なる緋の舞を貴女に、ゲイト。
ハハハ、ハハハハハハハハ!!
[孕むは狂気。楔から解き放たれた獣のコエ]
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