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ふむ…
[手すりをつかって歩くブリジット。気遣いか。プライドか、意地か。そのままに見送るようにしつつ、一度天井を仰ぎ見て]
…ハインリヒさん。ちょっと俺部屋戻るわ。
って。そういうときは先に下にいくもんだよー
[階段にブリジットの後ろからついていくハインリヒに軽い調子で言いつつ、自分のあてがわれた部屋へと戻った]
―二階廊下→客室―
ロートス、お前なぁ……。
[追い討ちへの突っ込みは、気力が途切れた]
て、ロミっ子、お前。
そこで、お師さんとくるか。
[母を亡くした後、親代わりも勤めてくれた師は、頭の上がらない筆頭。
それだけに、その釘刺しはちょっと痛かった]
そう。
だから。
ねえ。
[おもちゃをねだる子供のように
振り返った先に居た彼を見据えて]
良いでしょう?
[――許可を請う。
人を壊しても(殺しても)良いという許可を]
―広間―
うん、ものはためしに。
人前だと嫌でも聴かせてくれるといいね。
[お疲れ様と、ローザの持ってきてくれたカップを一つカルメンの手に触れさせる。
ゲルダに謝罪されてしまえば軽く左右に首を振り、向けられた笑みに誘われるように唇を緩めた]
そうなれるように。
僕も頑張らないとですね。
おまえが唐変木のままの方が、俺は好敵手が少なくてうれしいが。
実際、おまえ愛想ないくせに……っと、こほん。
[あからさまに咳ばらいをし、唇を舐める。
その唇を舐める仕種は、嘘をつく時の無自覚の癖]
…なんでもない。
ま、いつかおまえを大切に思う娘が現れたら、苦労するだろうな、と同情するね、俺は。
蓮の細工?
それならまだここにあっただけでも、運良いだろ。
2日もしたら、枯れるにしても、さ。
ん、ああ。もうすぐ咲くな。
咲いたら、描いとかないと。
[ロミルダの言葉に、頷いて。
それから、横に置かれた絵本を、何気なく見やる]
―二階→一階・広間―
[部屋に戻るというゼルギウスに、わかった、とだけ返して、その後に言われた言葉には笑うだけ。
広間でのブリジットの口上を聞いて、また笑う]
なんかに立候補でもするのか?
とりあえず椅子に座っておけ。
[適当に椅子を勧めて、自分も空いている椅子に腰掛ける]
…っふ。
あっはははは!
ロミちゃん、それそれ!それ良いね!
[師匠を引き合いにしての釘刺し。
さらにユリアンの反応まで込みで大笑いを]
やー、ロミちゃんは賢いなぁ。
勉強させてもらいました、なんてね。
─広間─
[クロエとゲルダの会話は分からない様子で、きょとりとしている。
宗教の信心を持つまで至らぬ故なのだろう。
続くゲルダの言葉には、ほわりと笑んで]
うん、すこしずつ、れんしゅう、する。
おと、ならすの、たのしい。
[その後に聞こえたのは起きたらしいブリジットの声。
冗談交じりに紡がれた言葉は手をかけたと言う礼のようで。
大事無いことに安堵はせども、何かをしてやれたわけでは無いために、悟られるかどうか分からないぐらいに首を小さく横に振った]
……は?
[途切れた言葉の意味は捉えきれず、瞬き一つ。
ただ、何か含むものというか、裏があるのは仕種から読み取れたのだが]
好敵手って、なんの話だよ。
っつか、そんな仮定のものに同情されても困るっつの。
[鈍感朴念仁には、真意までは読み取りきれなかったらしい]
蓮の細工で、お師さんに認めてもらうのが、今の俺の目標だからな。
ほんと、ここにこれがあっただけ、マシ……か。
道具は、一通り持ってきてるし。
あぁ、構わないさ、壊しても。
[目が合って、流れてくる意思と意識]
壊してしまおう。
[落としたコエに起きるのは高揚感]
[少し笑いを引きずりつつ、ロミの声で蓮に意識を向ける]
そだね。
蓮の花、好き?
[どこか弾むような響きを感じ、ロミへ施設を向ける。
その際に視界に絵本が入れば、はたと瞬いて]
問題ないことは、ないと思うんですけど……。
[ブリジットの冗談混じりの演説もどきには思わず眉根が寄る。少しばかり、視線が逸れた。後方のハインリヒの言に同意するように頷いて]
何か、必要なものないですか?
おなかすいたとか。
[ハインリヒにイスを勧められると]
お。ありがとう。手下その2。
立候補はそうだねー、面白そうかも。
世にはびこるミステリーを調査し尽くす団とか作ってみようか。
[とか言いながら、ゆっくりとした動作で深く腰掛ける。
座ると共に深い安堵の息が漏れる。
やはりまだ、立ち歩くには少しきついようではあった。
ちなみに、手下その1は旦那です]
ユーリにぃ、お師匠さんには弱いです。
ロミ知ってるですよ。
[ユリアンの苦い声と、ダーヴィッドの笑い声。
ロミルダは顔を上げて、してやったりとばかりに笑う。
多分ロートス辺りがしゃべったに違いない]
咲くとこ、見れるですね。
楽しみです。
[それから蕾に目を戻した。
ロミルダの横に置かれた絵本の表紙には、真っ黒の背景に赤い月が描かれている]
…人狼、の、絵本…かな。
むかしむかし、あるところに。なーんて。
[常と変わらぬ口調で、記憶の中にある冒頭を口にする。
ユリアンのジト眼に気付き、視線を逸らしながら口笛をぴゅいっと吹いた]
―客室―
しかしまいったな…そろそろどっか行こうとしてたってのに
[あてがわれた客室で独り言を口にしながら、糸を引き。新たに竿につける]
同じ場所に居続けるのは苦手なんだよなぁ…ま、人のありがたみも薄くなるってやつ?
[いいながらも、違うか。と思い、窓を開けて]
…せーっの…うりゃっ
[ながーーい。糸で作った釣竿を振りかぶり。窓の外向けて振りぬく]
ぉー…届いた
[二階からの釣り決行…自衛団員の人が下から怪訝に見ているが気にしない
なんでこんなにマイペースなのでしょう]
[ゲルダの声に顔をそちらへと向け]
あ。ゲルダさん。ありがとね。
何かしてくれたのか覚えてないけど、まあとりあえず、礼を言わせておいて。
んで、本題ですが、んーあまり物を食べれるような状態じゃあ無いかも。
せいぜい、ノドを潤す程度の水、くらいかな?
まーまー、特に何もしてくれなくても大丈夫だよ。でーんと踏ん反りながらゆっくりとしてくれたまえ、君ぃ。にはは。
ブリジットさん。
もう起きても大丈夫…。
[口上めいた物言いが続き、小さく噴出す]
元気になられたみたいですね。良かった。
迷惑とかではないですから気にしないでくださいね。
無理はしないで、何かあったら遠慮せずに言って下さい。
[笑いながら手を振ってブリジットに応える。
結局医者は来なかったな、と入り口の方を伺い見た]
ハインもお疲れ様。
[得意気にくるる、と鳴く鸚鵡の様子からして、ここが情報源なのは間違いない。
しばし、渋い顔をしていたものの、『人狼の絵本』という言葉に、黒と赤の絵本を改めて見て]
……御伽噺、か。
ハインさんも、さっき話してたっけ。
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