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―→広間―
[広間に戻り漸く一息と思った矢先
叫び声
振り返る、きらりと光る何か、飛び込んで]
……つっ……!…
[何かが当たる感触、それは体まで届かずに]
……トビー…何で、お前が……
[それでも衝撃はかなりの物で、息が詰まる]
[意味深に微笑むルーサーの姿に、少女は袖口で涙を拭って――]
そんなことは無いです。
生きて罪を償うことも…出来ましょう――
そのことは、神父様?あなたが一番知っておいででは有りませんか…?
[さらり――]
[金の髪を揺らせば]
[ふわり――]
[スカートの裾は翻り]
[少女はルーサーの手をしっかり握り締めて]
――ナサニエルの部屋→広間へ――
いいえ。お仕事ですから。
皆様のお口に合っていると良いのですけれど。
[相手に返すのはやはり微笑み。
食器は既に広間に並べてあるから、鍋をそのまま広間に持って行こうと扉の傍へ。
武器庫のことに触れぬのは若干気にかかっていたけれど、やはり自分では触れない]
―広間―
……っ?!
何をしているのです、トビー君。
彼に何の罪があると言うのですか?!
[遅れて広間に到着、目にしたものはその惨状。]
[ 扉へと向かう少女の表情は見えず、器を手に流し台に立つ青年の表情も叉見えない。蛇口を捻れば冷たい水が音を立てて流れ出る。]
……其れは誰かを護る為のものですか?
[ パシャリという水音に、其れとも、と続いた声は隠れるか。]
─…→広間─
[走って行った、影を、追いかける]
『やだやだやだ』
[頭の中を巡るのは、この言葉だけで]
『ダメだよ、キミは……そんな事したら……』
[なら、誰ならいいのかと聞かれたなら、返事に窮するだろうけど、でも。
そう思わずにはいられなくて]
[自身に怪我はない、だけど理由が分からない]
どうして俺を狙う?
俺がローズを守れなかった事への怒りなら、それは筋違いって物だろう?
それとも、俺が生きていると困るのか?
お前を、疑っているから…。
[目の前の姿に淡々と]
ナサニエルさんは人狼ではありません。間違いなく人間です。
落ち着きなさい、トビー君!
[つかつかとトビーに近付きナイフを取り上げ、平手打ちを。]
ー玄関前/外ー
[外の日射しを受けて、辺りを見れば、焼け落ちた橋が目に入る。
人狼はいなくなったのだから、どうにかして外と連絡をとればここを出ることはできるだろう。
このまま出られなければいいと、心の隅で思ったのはお下げの少女の所為。
少しだけ泣きそうになりながら、ヘンリエッタは玄関前の階段に視線を落とすと、注意深く降りようとした。
その視線が、階段に点々と残る赤いものを見つける。
それはどう見ても、血痕で。
追って今出た館を振り返れば、玄関の先が何か騒がしいことに気づいた。]
好きな奴を守れなかった、それは罪。か…?
守るといって守れなかった俺は……
お前に憎まれても仕方がないのかも知れないな。
[自嘲。
トビーを見つめたまま、手は無意識に隠したそれを探る
自分を守る為に]
[何が起きているのか、理解できない。
いや、したくないと言うべきか。
ただ。
わかるのは]
……やめてよ……こんなの、なんか、おかしいよ……。
[ただ、それだけで。
扉の側に、ずるりと座り込む]
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