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― 一週間前 ―
[自宅のPCに送られてきた一通のメール。
そこに書かれていたLiGオフ会の通知。
其れを見て桜子は戸惑うように瞬きを繰り返した。
長い三つ編みを解き、ゆるやかに波打つ髪をかきあげて眉間にしわを寄せる]
LiGに参加はしてるけど……これは誰にも教えてないアドレスなのに……
[オフ会、しかも通っている高校で。となると恐さと興味が半分半分。
手帳に日付と場所、集合時間を書き写したものの、参加するかどうかこの場では決められず――]
―そして当日―
[冬休みがすでに始まっている中、学校に何の用事が、などと親に問われることがなかったのはいつも学校の図書館に通っているから。
そして今日も図書館で本を返却した後、集合時間として記されていた時間よりだいぶ早いことを確認して、迷うようにゆっくりとした足取りでパソコン室へと向かう]
――誰がいるのか、外から覗くだけでも、いいかな。
[人との会話は得意ではない。
――だからかもしれないが、逃避するように本やPCゲームへと走り、ネット上ならおしゃべりにもなれる「Saku」は人狼ゲームを知ってこの2年、コンスタントに参加を続けていた]
― パソコン室近く ―
[近くの廊下まで来た。
あとは角を曲がれば見えるというところで、迷う足は止る]
――どうしよう……
[此所にきてまだ悩む桜子は、そのまま暫し立ち止まっている**]
─ 12月×日当日/パソコン室 ─
[先に来ていた響から何気なく彼の用件を聞き出そうとしていれば
入り口から扉の開く音がし女性の声が聞こえた]
可愛い後輩と待ち合わせ
……、って訳でもないのか。
[響にポツと呟いて微苦笑を浮かべるのはからかう理由を失ったせい。
見覚えのある女生徒の方へゆると頸を傾けて]
LiGのオフ会、ってことは……
キミも参加者の一人なんだね。
[淡く人懐こい笑みを浮かべ入り口で固まる彼女>>13へと声を掛ける。
人狼ゲームをしていること、LiGの参加者である事。
其れを隠しているわけでもない。
言う機会が無かったから公言することは無かったけれど]
如何したの?
廊下は寒いでしょ?
[こっちにおいで、とばかりに入り口に佇む女生徒に手招きをして
な、と響にも同意を求めるような仕草と声を向けた。
制服のポケットから携帯電話を取り出して
件のメールを液晶画面に映し出し二人其々に掲げてみせる]
一週間くらい前かな。
こんなメールが届いたんだ。
差出人、キミたちのどっちか、だったりするのかな?
[差出人不明の招待状。
それに当惑するかのように*困ったような笑みを浮かべた*]
おや、幻夢学園学長 ヘイハチ が来たようです。
― 学長室 ―
儂(わし)が幻夢学園学長、早乙女平八郎である!
[学長室で叫ぶ男一人。聞かせる相手は居たか不明。]
ったく、休み中の学校をオフ会場に使うなんぞ言語道断じゃい。
後で集まった者共全員説教じゃ。
[そうぶつぶつと言うって扱うのは最新携帯。
そこに来たメールは、普段ならスパムメールと一蹴するのだが、
開催場所が当学園ということで休日出勤して現在に*至る。*]
─12月×日当日/パソコン室─
ぅえ、ぁ、あ、はいっ、寒いです!
[佑一郎に声をかけられ手招きされて>>18、緊張した面持ちで返事をした。
どこか返答がずれていた気がしないでもないが。
ともあれ、その言葉を断る理由も無いため、素直にパソコン室の中へ]
(うわーうわー、先輩達もLiGやってたんだ。
くそぅ、早くに知ってたらこれを切欠にもっとお近付きになれたかも知れないものを)
[内心で一人悔しがっていたのだが、佑一郎にメールについて問われると、きょとりと瞳を瞬いた]
へ?
いや、アタシじゃないですよ。
オフ会参加するのは好きですけど、企画するのは苦手なもんで。
アタシも一週間くらい前におんなじ文面のメール貰ったクチです。
[ふるふると首を横に振り、ほら、と見せるのは自分の携帯のメール受信画面。
その下で、携帯と同じくらいのサイズのクマのぬいぐるみストラップがぷらーんとしながら*揺れていた*]
おや、生徒会副会長2年 マコト が来たようです。
―生徒会室―
[今年最後の会議を終えて、ボクが向かうのは生徒会室の一角。
上級生は諦めた様子でそれを見送っていて、同年代からは奇異の目を、下級生からはどこか羨望の眼差しを受けていた]
お疲れ、みんな。
[そんな皆にボクは笑いかけてそう言葉をかけると、たてかけてあったキャンバスにかけていた布を取る。
その傍の机には絵画道具とノートパソコンを広げて、ボクはキャンバスに筆を滑らせはじめた。
キャンバスに描かれているのはデフォルメタッチの現生徒会メンバーが並んでいる姿。絵はほぼ完成に近く、微細な手直しをいれている段階]
村、そろそろ更新だったよね。
[ボクはつぶやくと筆を一度止め、起動を終えたノートPCを操作した。
開いた村ページは更新まであと少しで、ログがだいぶ進んでいた]
[ボクはざっと目を通してから、とある質問に答えるためキーボードを打ち込み始めた]
『私は黒3人目見つけてるから、そこ以外吊りでって言われても困っちゃうよ。
どうしてもっていうならモーリッツさんかな?カタリナちゃん吊りに反対しそうだし。』
[更新まで後10分ほど、投票先のセットミスがないか確認占い先は適当に目をつぶってセットした]
うん、後は更新待ちかな。
[メールのチェックをついでにしながら、届いていた一通のメールのことを思い出す]
村終わったらいってみようかな。
[なんとなく絵を完成させる気分ではなくなったので、ボクは筆と絵画道具を*片付けることにした*]
おや、写真部2年 シンタロウ が来たようです。
─写真部・部室─
……よしゃ、これで、作業終了だな。
あとは、学長に届ければみっしょんこんぷりーと、と。
部室の戸締りは俺、やってくで、お前ら先に上がってえーよ。
[器材の片づけが一段落した所で、後輩たちににぃ、と笑いかける。
机の上には、先日のマラソン大会の様子を映したパネルが数枚。
ある意味では、マラソンを公的にサボる口実とも言えるシロモノたち]
んあ、居残り理由?
ばっか、補習じゃねーよ。
俺もイロイロ、お付き合いはあるんよー?
[これから補習ですかとからかう後輩を送り出した後、携帯を開いてメールを確かめる]
えーと、確か、今日でええんよな、オフ会。
おや、天文部2年 アズマ が来たようです。
―天文台―
ほこりがかぶってるじゃんか。
[ぱっぱっ、と、望遠鏡にうっすら積りはじめていたほこりを手で落とした。天文部は実質上の帰宅部となっているらしい。
本来ならここに来る前に、休日出勤している―理由なんか当然知らない―学長に書類を渡すために会いに行かなくてはいけなかったのだが―]
気が重い。
[学長の豪気な態度(と顔)を思い出してため息をつく。
最後に学園に登校したのはいつのことだっただろうか。今日が何日だったかも忘れていて、時間間隔は完全に狂っていた。
アズマはいわゆるひきこもりだ。]
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