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[にこり。
頂点に達した怒りは一転して、笑顔を作らせる]
ああ、馬鹿を治す薬はいくら私と言えど大変でな――
そうか、赤子になる薬の方を所望するか。
…それはそうだけど。
[ジト目に同じような目を返し。
傍から見ればやっぱり似ているかも知れなかった]
やっぱり僕が努力しないといけないんですね。
…頑張ろう。
[オトフリートには妙に決意を込めて言葉を返し。
届く歌声に、ふと顔を上げた]
[ミリィの言葉に、歌はぴたりと止まる。
否、止まりきらず口の中では転がすように
小さく紡いではいたのだけれど]
もったいない、の?
ふふ、そんな事言われたの、初めてなの。
すてきね、素敵だわ。
[ふふ、と嬉しそうに笑いながら
アーベルの顔を覗き込んで]
行く、行くわ。
帰りを待ってから、なのね。
[歌の続きのように、言って。
白いワンピースを翻してくるり、ひとつ回った。]
努力って、そこまでのものか……。
[はあ、と、ため息一つ。
一体、弟は自分をどう思っているのかと。
考えたのは一瞬の事。
聞こえた歌に、僅かに目を細めた]
……っと。用事があるのだった。
ユリアン、お前の処遇については、また後ほどに検討することとしよう。
[はた、と気付いて瞬く。
感情の起伏は激しいが、その分、切り替えも早い]
とっておきにしておくと、嬉しさはよりいっそうだからね。
[エルザにはそう言って、また90度方向を戻し]
ああ、そうそう。
何処に行くつもりかは知らないが、
キノコ畑には不用意に近付くな、坂道が崩れたらしい。
長殿が対処に当たってはいるだろうが。
[早口に言うなり、図書館に向かって歩みだす。
編んだ三つ編みが後ろへと流れて背で跳ね、余計に幼さを増した]
だろ?変じゃねえよ。なんでもかんでも疑うのはよくないよ。ミリィ先生
[だがユリアンが先に言ったためだったなんて口にはせず。
エルザが唐突に歌いだしたのに目を向ける。それはよくあることだが、それを聞きながら周りの反応を見て内心で舌打ちを打つ。とはいえそれを表に出さないようにはしていたが]
確かに勿体無いな。…ぁあ。じゃあ少ししたら行こうか。
[覗き込んだエルザに笑みを返し…このままエルザを見て和んでいようか。隣の大地雷を見るべきか。しばし迷ったり]
― 図書館 ―
[歌が途切れると、僅かに瞬いて、くちゃ、とまた蜜蝋を噛み締める]
…俺は仕事に戻る。カップは適当に置いていけ。
[似た者兄弟にそう告げると、書庫の方へと身を翻した**]
ん、ああ。
[仕事に戻る、という幼馴染に頷いて]
……色々、ありがとなぁ。
[書庫へと向かう背に向けて、こんな言葉を投げかけておく。
カップの中身は、既に空]
俺も、そろそろ、アトリエに戻らんとな……。
坂道が崩れたのは、見つけたの!
じゅんかい、してるときに。
[大工だった親は、自分が作ったものを良く
時間が空いていたら見回っていた。
一緒に連れられて居た彼女にとってそれは日課で、
今でも良くそれをしているのだった。]
うふふ、しっぽみたい。
[ミリィの背で跳ねる三つ編みを見て
楽しげに笑う。]
ああ、わかった。ミリィ先生。また
[空いてる手を軽く振って見送って離れたのを確認した後]
…ユリアン。とんでもない処遇の検討とかされるんじゃねえか。
ユリアンの若さを奪い取ってミリィ先生が若返るのかもしれん
[先ほどエルザとユリアンとでしていたほらとは違い至って真面目]
ああ、そうだったの――
[広場から図書館まで、そう距離はない。
歩みながらエルザの大きな声に反応して振り返りかけ、
べしんっ!!
目測誤り扉に正面から激突したのは、他者にとっては*笑い話*]
[歌が途切れ。
一つ、息を吐いた]
あ、はい。
ありがとうございました。
[書庫へと去るオトフリートを見送り。
僅かな残りを飲んで、カップを置いた]
途中まで一緒に行く?
アトリエに戻るなら。
[それから、もう1人残った兄に向き直り]
ほぅ。そうだったのか。俺は何か理由がねーといかねーしな
[エルザが見つけていたことを聞いてそう言葉を漏らしつつ。ミリィが扉に激突をしてるのを見て]
ぁ…痛そ。
[でも館内に入っていったので大丈夫だろう。なんて勝手に思ってる]
ちょっ、馬鹿ってなんだよー。
それに赤ん坊になる薬って、それもっと馬鹿になる薬じゃねーかよ。
俺には気球でここから出るっていう偉大な使命があるんだよもん。
こんなとこで倒れるわけにはいかねーんだよ。
[なんかバックに炎のエフェクト出しつつ力説。
でもどこかずれてる。]
あら、あらぁ?
大丈夫かしらぁ?
[にこにこと尻尾を見ていると
べしんと派手な音を立てて扉にぶつかった後
慣性の法則で少し遅れてそれも扉を叩いた。
痛そうな音にも笑みを浮かべた侭、見ている。]
怪我、してないといいけど。
怪我をすると色々、ふべんだから。ね。
[アーベルとユリアンに同意を求めるように声のトーンを少し上げ
くるり、もう一度両手を広げて回った。]
ん……ああ。
[弟の言葉に、一つ頷いて]
方向同じだし、なぁ。
それに、荷物持ちくらいなら、手伝う……。
[言いかけた言葉は、扉から聞こえた音に遮られる。
しばしの沈黙。
間を空けて、今の音の当事者が入ってきたなら]
……げ。
[短い言葉が零れ落ちる、その後も全力で逃亡を試みるのは、ある種の*予定調和*]
[と、ぴたりと動きを止めたのは
ユリアンの言葉のせい。]
あ、ききゅう、出来たの?
乗れる?浮く?
[バックの炎に怯える事もなく
腕を掴まん勢いで詰め寄って、じっと見つめる。]
[アーベルの言葉に目を瞠りつつ]
マジでか!?
てかてめぇ、悉く俺を貶めようとしやがって。
なんだこら、喧嘩売ってんのか。今なら買ってやんぞ。
支払いはボディブローでいいよな、な。
[とメンチきりかけたところで、彼の言葉に反応したエルザの詰め寄りと期待の目に、ぴしりと固まり]
………………イエ、マダデス。ゴメンナサイ。
[固まったまま、汗だらだら。]
まあ不便だな。傷口でも泳ぐときは染みて嫌だし。だが大丈夫だろ。医者だし
[医者だから怪我しない。なんてことはないのだが、無理と無事の境目はわかるだろう。
と、エルザに同意しながら応えて]
いやいや別に貶めようなんて思ってないぞ
[しっかり飛び火を与えたりしていたものの言葉ではなかろうが気にしない]
ってかそんなん売ってないから。でも空腹の胃が打たれると飯食えなくなるぞ
[事が起きたら買う気満々]
いや、荷物は1人でも…
……あ。
[答えながら、音のした入口を見ようと顔を出し。
短く零れた言葉が兄と被った。
兄程には苦手意識はないので、傍らをちらと見上げるだけだったが]
こんにちは。
オトフリートさんなら、今部屋に…
…って、兄さ…ッ
[ミリィにそう話し掛けている最中、隙をついてまんまと逃亡する兄]
…怪我してたんじゃなかったっけ。
[それにしては素早い動きに、呆れ半分で呟いた。
特に声を抑えたわけではないので、薬師にも聞こえたかも知れない]
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